The World Beach Scene, NOW! 世界のビーチシーンのいま/バイロンベイ(AUS)編

パンデミックにより海外渡航が困難になった今、サーフィン先進国の状況はどうなっているのか? HONEYはカリフォルニア、バイロンベイ、ハワイ、ビアリッツ、バリ在住のサーファーにコンタクトし、リアルな“いま”をリサーチ。2回目の今回は「バイロンベイ」をレポート。クリエイターの集まる小さな町、バイロンベイ。パンデミックで散り散りになったアートシーンやコミュニティがやっと、再集結した印象。移住者も増え、さらに活気が満ち溢れている。


Female Community

ローカルコミュニティの結束が強まると同時に、女性たちのエンパワーメントも今まで以上に感じるバイロン。人、ビジネス、スポットをピックアップ。

1_CREATIVE FRIENDS

バイロンを舞台にしたサーファー犬の日常

―犬とサーフィンをテーマにした理由を教えてください。
もともと犬が好きで、ハウスメイトを笑わせたくて描いたのがきっかけ。楽しいイラストは幸福感とポジティブなムードをもたらすんです。バイロンは最大のインスピレーションソース。街中、ビーチ、道端、どこでもアイデアが湧いてきます。
―バイロンでは、動物や自然がより身近に感じられるのでしょうか。
ここには野生動物がたくさんいます。外でワラビーが大きな声を出していたり、砂浜でブッシュターキーがチップスの袋をくわえて逃げ回っていたり、イルカの群れに混じって波乗りしたり。サーフカルチャー、クリエイティブなコミュニティ、ヒッピーの雰囲気、のんびりしたライフスタイルと同様に動物たちもバイロンの一部です。

【中古の花瓶をファンキーにアップサイクル

―アップサイクルの方法は?
中古品屋を回って花瓶やよくわからないオブジェを見つけては、粘土や石膏など様々な素材を使って全く違う形に作り直し、色や柄を施して、ブランド「L’effr ont ée」として生まれ変わらせています。
―環境への意識が高いバイロンでアップサイクルブランドを立ち上げることで、何か良い化学反応が起きると思いますか?
バイロンでビジネスを始めたことで、サステイナブルな生活について多くを学び、アップサイクルの方向性に導かれたのは間違いないと思います。ここはクリエイティブの中心地であり、前向きな考えを持つ人たちが一ヶ所に集まっている場所。今後も何かサステイナブルなプロジェクトをしようとする時、必ず自分の助けなると思います。

【独特な視点で世界を切り取るフォトグラファー】

―バイロンに移住した理由は?
写真を撮るのと同じくらい、いやそれ以上に好きなことのひとつがサーフィン。フロリダで週末サーフトリップに出かけたり、ほぼ毎日ビーチに行ったりするライフスタイルをもう一度送るために、色々旅をした後ここに来ました。
―アーティストとして活動する上でバイロンに住むメリットは?
ここは多くのアーティストやクリエイターの拠点となっています。地域のエネルギーと土地の美しさが混ざり合って“インスピレーションの沸き立つ鍋”みたいな場所。
―バイロンベイのアーティストコミュニティは今どんな感じですか?
パンデミック以降、コミュニティは全体的にまた盛り上がっています。展覧会やギグも再開され、やっと少し息抜きができるように。

【企業のサステイナブルな取り組みをサポート】

―サステイナビリティに関するコンサルタント会社とは?
持続可能な社会について理解を深め、地球環境に負担をかけない生活を送るためのコンサルタント会社です。私たちの目的は、サーフィン業界だけでなく一般的なビジネスやブランドにおいて、可能な限り最善の選択をし、メッセージを発信し、意識を高め、挑戦を繰り返しながら成長できるよう支援することです。
―コロナは、人々のサステイナビリティに対する意識を良い方向に変えましたか?
そうは思えません。コロナはそれ自体が環境破壊でしたから。今、あちこちに散乱しているマスクは、完全に分解されるまでに400年かかると言われています。衛生上使い捨てというのも悲しいですよね。

2_SURFBOARD

女性のための本格サーフボードブランドがパンデミック最中のバイロンベイで始動した。女性の身体とスタイルに寄り添うボードとは。

【WILLOW/女性サーファーが探し求めていたもの】

2020 年10 月、パンデミックの最中にスタートしたWILLOWは、これまでなかった“女性専用ボード”を実現した。オーナーのディーンとマキは、多くのサーフスポットが女性で溢れるバイロンベイでありながら、女性が本当に求める機能性やスタイルをとことん追求したオーセンティックなローカルブランドがまだないことに気がついた。「それぞれの女性が持つ、それぞれの魅力を最大に引き出すサーフギアを作りたい」という想いで出発。完成したボードはパッと見て可愛いと思えるデザイン性に、パドルやテイクオフがしやすい安定感とレールの繊細なバランスという女性が本当に必要な性能も兼ね備えられた。シェイパーは地元でシェイプを2、30 年続けているレジェンドたち。アイデアと技術を持ち寄り、素材を選りすぐり、クラフトマンシップにのっとって作り上げてくれている。そんな仲間と共に、WILLOW はライフステージの変化が大きい女性の、勇気や情熱を後押ししてくれるサーフバディ的な存在を目指す。

3_SPOT

ローカルをできる限りサポートし、地域を盛り上げるショップやカフェ。そんな女性オーナーのお店はいつも賑やかだ。

【SHOP TOKOTOKO/地元のコミュニティに出会うならここへ】

名前から可愛いお店、TOKOTOKOは地元アーティストや友人のエシカルブランドを積極的に取り扱うセンス良いセレクトショップ。洋服、スイムウエア、ホームグッズ、アート、スキンケア商品に加え、レコードや本も販売。一見まとまりがないように感じるが「アート・音楽・ビーチカルチャー」という彼女たちなりの共通点を見出している。物販だけでなくイベントやギグ、アートショーなどフリースペースとして“コミュニティの集会所”的な役割も果たす。

【COMBI/可愛くてオーガニックな早起きカフェ】

サーフィン前のエナジーチャージやアフターサーフのリラックスタイムなど多くのローカルが利用する人気スポット。ピンクを基調としたキュートなインテリアと、カラフルでフォトジェニックなフード&ドリンクのコラボにより女性のファンも多い。地元食材を使用した、グルテンフリーやヴィーガンのヘルシーな食事にこだわりがあり、家族経営の温かさも要所に感じられるカフェ。笑顔のキュートな女性オーナーとスタッフたちが丁寧にサーブしてくれる。

Byron Fresh News

バイロンベイ発のとっておきブランドや、新しいコスメ、ローカルスポットなど気になる“今”をピックアップ! 日々アップデートされるバイロン事情。

スポーツとファッションが本気で融合!

カラフルで、ミニマルで、エッジの効いたカッティングにサステイナブルなニット素材。これまでの常識を打ち破る新感覚アクティブウエア「NAGNATA」が大人気。バイロン発で、LAやヨーロッパにも進出。アップサイクル繊維と、インドの職人たちによるフェアトレードビジネスを発端とした、ヘルシーで地球にも優しいブランド。

ブラレット$190、ショーツ$200(共にNAGNATA)

’70s風パッケージが可愛いサステナサンケア

プロサーファーのディオン・アジウスと、実家がスキンケア工場を経営するゼファ・ジャクソンの2人が立ち上げたエシカルサンケアブランド。オーストラリアのスーパーフルーツなど自然な原料を主に使い、リーフに優しいことはもちろん、生産は100%ソーラー発電の工場で行う。

右から_ 日焼け止めSPF 50 + 125ml$20、250ml $26、60ml $16、500ml $40(全てStandard Procedure)

キュートにアウトドア。主役級サーフハット

「既存のサーフハットは選べる色があまりなかったから、自分で作ることにしたの!」とオーナーのシエナ。もちろんカラーや柄は豊富で、ウェットスーツと合わせても可愛いうえに、海と肌にもっとも優しい日焼け防止方法。首と頭両方にアジャスター付き、さらに車のキーなどを入れられる隠しポケットも付属と機能性も抜群。

ハット 各$60(全てSunwardbound)

地元ブランド×アーティストコラボがホット

右から_AfendsのアーシーなロンTeeは、グラフィックアーティストLois Morton-Chongによる。ロンTee$120、ヘンプが原料のTシャツ。バイロンのアーティストBayley KKの世界観が光る。Tシャツ$70(共にAfends womens)、手作りの水着ブランドはアーティストLucy Zaroykoとコラボ。ワンピーススイムウエア$260、ビキニトップ$120、ビキニボトム$120(共にSAUCE swim)

BEACH VILLAGE

衣食住が揃うビーチヴィレッジ「HABITAT」

総合施設「HABITAT」は、仕事とライフバランスの取れたバイロンらしい生活スタイルや、ここに根付く多様性がギュッと詰め込まれている。住まい、レストラン、ワーキングスペースに加え、ショップ、ヨガスタジオ、美容や医療クリニック、ヘアサロンまで揃うまさに小さなヴィレッジのようなスポット。旅行者のために作られていないから、ゆったりと地元のコミュニティの良さが感じられるのがいいところ。細部に至るまですべてが心地良くオーガナイズされている。

Living
“less is more”をコンセプトとして掲げた居住スペース。サーフボードのロッカーや電動自転車、カーシェアリング、コンポストシステム、プールなど様々なサービスが利用できる特典付き

Cafe
地元の食材を使用したプラントベースのVagabondや南アメリカのメニューをバイロンの食卓に運ぶBarrioなど。コーヒーをグラブしたりバーで1杯できるカフェ&レストランも

Shop
アップサイクルの食器、コージーなホームグッズ、ヘルシーなスイムウエアなど、バイロンらしいナチュラルなブランドのショップが並ぶ。地元のものづくりを大切にしたラインナップ

Chill
日曜ともなれば、各々が自由にマットを敷いたりクッションを持参したりして芝生の上でのんびり過ごす。いかにもバイロンらしい光景。海以外にチルできる場所があるのは嬉しい

Work
フリーランサーやスタートアップビジネスなど、オフィスを持たない人にとって嬉しいワーキングスペース。34のミーティングルームと12のデスクが用意されている。外で仕事もOK

Event
人気のフリマ、季節ごとの行事など定期的に行うイベントから、ライフバランスを見直すワークショップ、女性のビジネスに関するトークセッションなどクリエイティブな催し物も

Beauty
個々の肌に合わせて行う医療に近いスキンサロンや、ヘンプなどを使用して治療を行うプラントベースのクリニックに加え、ジム、ヨガスタジオなどヘルス&ビューティ部門も大充実

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