“HAWAIIAN LIGHT” Brooklyn Hawai’iが切りとるハワイの光

「この世界は愛に満ちている。その真実を見る人に思い出させることができればと願っている」


デジタルフォトグラフィと写真編集アプリ全盛の今、誰でも気軽に雰囲気のあるイメージを作ることができる。そんな時代においてプロフェッショナルのフォトグラファーでいることは簡単ではない。けれども、ここに並ぶ写真がプロの手によるものだということはひと目で伝わるだろう。海との深いつながりを感じさせる美しい瞬間の数々を捉えたのは、ブルックリン・ハワイ。名前が示す通り、彼女はハワイに生まれ、暮らしている。ブルックリンは幼いころにワイメアベイでベビーチューブをつけて両親と一緒に海に浮かんでいたことをよく覚えているという。

「父が働いている間にビーチで過ごした時間が私の子ども時代の思い出。父は40年以上も海が仕事場だった。ワイメアベイのライフガードとして長年活躍して、引退後はジェットスキーのオペレーターとして働いていたの」

生まれた頃からビーチカルチャーに根ざした生活を送っていたブルックリンは、その環境からおのずとサーフィンを楽しむように。そして、好奇心から11歳でフィルムカメラを手にした。するとたちまちお小遣いをフィルムに費やし、学校で友だちの様子をおもしろおかしく記録することに没頭。理解ある両親のサポートのもと、のびのびと才能を育んでいった。

「大学でアートを勉強しながら、フィルムの特性について多くを学んだわ。友だちと撮影するのが好きだったから、やがて彼女たちが行うビジネスの写真を自然と撮るようになっていった。そしてプロのフォトグラファーのアシスタントについて腕を磨いて、2010年に独立したのよ」

海がとくに透き通る夏の波がない日。私たちは貝殻や魚たちを探しながら、泳ぎまわって遊ぶ

今やビラボン・ウィメンズやリーフなどのサーフブランドをはじめ、メルセデス・ベンツ、アルマーニ・エクスチェンジ、フォーシーズンズ・リゾートなどあらゆるジャンルのトップブランドからのオファーが絶えないブルックリン。引く手あまたの彼女は、自身の作品のみならず、これら超一流のクライアントワークにおいてもフィルムでの撮影を好む。

「大切にしているのは、目で見たままに写すということ。画像の加工もあまりしない。人々の表情や生き方をありのままに捉えることが好きだから。そんな私にとって、その瞬間の見え方を操作しないフィルムでの撮影はベストな表現方法なの」

確かな知識に裏づけられた撮影のスキルを持つブルックリンはサーフィンの腕前も抜群だ。そう、彼女の写真にひときわ特別な輝きを与えているのは海との強いコネクション。海に囲まれた島、ハワイの大自然と海洋文化こそが自分の感性を磨き上げているとブルックリンは話す。

オアフ島ノースショアのムードに満ちた夕焼け
波がない夏場はトレーニングにいそしむ。ビーチランニングのあと、水中で岩を持って走るのが私たちの日常
ワイキキの波の小さな日を楽しむためにハワイ流の「おめかし」をしてサーフィン
海底にサンドバーが現れたら、私たちはきっとそこにいる
ビキニでの写真撮影の休憩中に食べる冷たいスイカは最高!

「海のエネルギーとつながることは、多くの人にとって一生のうちにそう何度も経験できることではないと思う。だからこそ、そのありがたみに感謝することで人生のあり方も変わっていく。多くのサーファーがそうであるようにね。サーフィンの文化、とくにハワイのサーフカルチャーが好きな理由は、人を思う気持ちが強いから。サーフィンはただただ楽しい。でもその根っこにはコミュニティとしてのつながりがあるの友だちや家族と自然のなかで過ごす時間が私の最高の楽しみよ」

そう話すブルックリンはフォトグラファーとして活躍する傍ら、夫のカイウイとオアフ島のノースショアでビジネスを営んでいる。それは、外海でサメと一緒に自由に泳ぐダイビングツアーだ。ハワイは世界有数の観光地であるため、島の文化をかえりみない開発の危機に常にさらされている。ハワイの伝統によると、サメはハワイアンたちにとって神格化された生き物であり、自分たちの祖先のひとつ。サメは危険だという先入観に挑戦すること、海の青さ、波打ち際の迫力など、ハワイという土地と文化にとってごく自然な存在であるシンプルなものを人々に見せることが、現在のハワイが抱える問題を解決する鍵になると彼女は考えている。

「本来のハワイの文化がどれだけ特別で、それらに敬意を示すことがどれだけ大切なのか、多くの人たちは気づいていないわ。私の世代、そしてその先の世代になっても土地や海を大切にし、この島に暮らす人や訪れる人たちがいつまでも楽しめるようにしたい」

ブルックリンの写真が放つ美しさの源は、ハワイの自然と文化への深い感謝。そして、楽園と呼べる南の島での日々の暮らしだ。

「私は今、生まれて半年と2歳になるふたりの息子にいちばんの愛情を注いでいる。家族、人とのつながり、信念、そして芸術が私の人生においてもっとも大切なもの。それらすべてのバランスがとれているとき、私は幸せな気持ちになれるの」

美しいポイントブレイクでのサーフィン。波と波との合間、ロングボードに寝そべりひと休み
ダイヤモンドヘッドを背景にワイキキでサーフィンをするのが私たちの夏のおきまり
友だちと美しい夕日の下で海に浮かぶ。一日を締めくくる最高の過ごし方

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