
スペイン・マヨルカ島の自然に囲まれながらアート制作をするイラストレーター/クリエイターのRaul Casadoさん。シンプルながら強い意志を持ったラインで描かれるサーフィンライフ。サーフィンの楽しさ、夢、旅のノスタルジーなど見る人によって感じ方は様々で、部屋に飾ればポップなアクセントに。お気に入りの1枚を見つけてみて。

-まず、あなた自身のことを教えてください。
地中海に浮かぶ小さな島、スペインのマヨルカ島生まれ。幼い頃から、海への情熱と芸術への情熱を等しく感じていました。昔通っていた水泳教室が僕と海を結びつけ、サーフィンのような新しい楽しみを発見するきっかけになって、それからずっと虜です。ここマヨルカの波はちょっと変わってるんだけど、自然との直接的な触れ合いを提供してくれる場所なんです。

-作品について教えてください。手書きにも、デジタルにも見えますが。
いつも手で描いたものをスキャンして、デジタル処理で着色して、それを出発点としてペインティングを制作しています。デジタルがあらゆる分野を網羅している今、“手を汚して”作業することで、より作品との結びつきが強くなると思うんです。

-イラストレーター・クリエイターとしてのキャリアはどのようにスタートしたのでしょう。
小さい頃から絵を描くことや想像力を膨らませることが好きだったので、イラストレーションやグラフィックデザインの勉強を始めました。広告代理店やデザインスタジオ、フリーランスの仕事を通じて常に勉強している感じです。
-イラストを見ているとクルマ好きが伝わってくるんですが、サーフィンライフにおすすめのクルマがあれば教えてください。
サーファーにとってクルマは単なる乗り物じゃなくて、家でもあり、ライフスタイルでもあって、望む波を探しに行くためのタイムマシーンみたいなもの。
ひとつのクルマを選ぶのはなかなか難しいけど、しいて言うならキャンパーヴァンはサーフィンのある生活とその自由さを象徴しているような感じがしますね。サーフィンする場所を選ぶことができて、夜は波の音を聞きながら星空を眺める、遊牧民のような生活……これ以上望むものはないんじゃないかな。

-普段はどこでサーフィンをしていますか? お気に入りのスポットはありますか?
家の前のスポット、ソン・セラ・デ・マリナは、マヨルカの北部にあるエリアで、北からの強い風で波が立ちます。だけど残念ながらマヨルカ島は波がある日が少ないので、定期的なトリップが必要なんです。スペインには、バスク、カンタブリア、アストゥリアス、カナリア諸島、それにお隣のポルトガルなど、サーフィンに最適なエリアがすぐ近くにあるので助かっています。インドネシアやモルディブを旅したこともあるけど、どの場所も楽しかったですね。サーフィンは波だけでなく、人、場所、自然も重要な要素です。それが合わさって完璧なスポットになると思っています。

-マヨルカ島での生活は、あなた自身やアートにどんなインスピレーションを与えていますか?
マヨルカでは海の目の前に住んでいます。毎朝、朝陽を眺めながらコーヒーを飲むのが日課で、すごく幸せを感じています。自然に囲まれた、過密な環境とは無縁の生活。それが僕の人生観を形成し、もちろん作品にも影響しています。“Less is more”のシンプルな生活、アウトライン化、単純化、線がいかに多くを語ることができるか、など。僕がまず鉛筆の線で道を示し、あとは各人がそれぞれの人生と経験で印をつけていく。僕は僕自身の世界を表現しているけど、同じものを見ている人も感じ方はそれぞれ違う。それが何であるかではなく、どう見るかが重要なんです。
-最近制作したお気に入りのアートとその理由を教えてください。
ひとつひとつのイラストが、ある瞬間、あるアイデア、僕にとって魅力的だった写真、または僕の注意を引いたものを表しているので、ひとつのイラストを選ぶのは難しいですね。でも例えば「Summer Edition」(写真下)のように、いくつかのコンセプトが一緒になった、考えさせられるイラストが好きです。ある日サーフスポットをチェックしていたときに、波のあるこの夏の日がとてもスペシャルに感じて、その時の暑さと喉の渇きが重なり合ってこの作品にたどり着きました。

-作品は海外でも販売されていますか? 日本にいる私たちが購入できる方法があれば教えてください。
はい、世界中で販売しています。タスマニアからカリフォルニアまで、どこにでも最速でプリントを届けられます。僕のWebサイトでイラストを見ることができるし、インスタグラムかメールで連絡いただいても大丈夫です。日本ではサーフクラブCasa9が、イラストやバッグ、シルクスクリーンなどを販売してくれています。
-次の展示の予定や、やりたいことなどはありますか?
7月にポルトガルのエリセイラで開催された「ポルトガル・サーフ・フィルム・フェスティバル」で作品を展示することができて、とても満足しています。今後の挑戦としては、インドネシア、ハワイ、カリフォルニア、そしてもちろん日本にも旅をしたい。インスピレーションを得て、絵を描いたりサーフィンをするために旅ができたらと思ってます。

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