
フランス・ブルターニュ地方の美しい半島キブロンで生まれ育ち、今もそこで暮らすDothy.Hさん。穏やかで心地良い海のディープブルーが彼女の作品のキーカラー。月や太陽、海や貝殻などをまるで神話の登場人物のように捉え擬人化し、絶えず動きを止めない波のごとくラインで描く。感じるまま、作品の海にどっぷり浸かって。

-まず、あなた自身のことを教えてください。
海、フィーリング、そして出会う人々からインスパイアを受けているフランス人アーティスト。2015年からは私のアートブランドで、小さなクリエイティブスタジオ「Mersea People」のクリエイターとして活動しています。テキスタイル、磁器、紙、大きなキャンバスなど、様々な素材を使ってアートのバリエーションを表現しています。

-作品について教えてください。
芸術は私の心。それも“大きな深い青色の心”なんです。家族は誰も絵を描かないので、絵は天からの授かりものだと思っています。
私にとって絵は、話したり書いたりするのと同じように、常にコミュニケーションの手段でした。いつも伝えたいことがたくさんあったので、いたるところに絵を描いていた感じです。とても繊細な子供だった私にとって、自分の感情が最初のインスピレーションソースでした。小さい頃から感情を表現する方法を見つけたいと強く感じていたんです。そんなある日、父がギリシャ神話や彫刻、イラストを見せてくれたんですが、私は完全に魅了され、この芸術の叙情的、詩的、物語的な側面に自分自身を重ね合わせ、自分のアートの方向性を決めるきっかけにもなりました。それから私は、感情、悲しみ、他者との関係、海に抱かれた自分の人生をテーマに描くようになったんです。


-なぜ青をテーマカラーに?
“青”は私の血管の中を流れているようなもの。私はブルターニュ地方にある美しい半島のキブロンと、そのすぐ前にある島フアトの間で育ったので、子供の頃から海が生活の一部でした。叔父たちは全員漁師で、彼らもずっとこの島に住んでいます。海を尊敬し、海から学び、海をミューズとして活用することを教わってきたんです。
私の人生は“海の青”に囲まれています。ここの海は穏やかなターコイズブルーのときもあれば、荒々しく濃いディープブルーのときもある。色合いの変化と感情のメタファー(隠喩)に夢中になりました。私のムードや伝えたいことを表現するために、“完璧な青”を探し求めているんです。
-ブラシやペンの流れるようなラインも、波の動きを連想させますね。
先に伝えたように私の芸術は心そのもので、感情がインスピレーションの大部分を占めるんです。私にとって感情は波のように常に動いているもの。ブラシやペンは、心の延長線上にあります。

-キブロンでの生活は、自身や作品にどんなインスピレーションを与えていますか?
大自然、雰囲気、人々、家族……この場所には何か特別なものがあります。サーフィンも私の人生の大部分を占めていて、メンタルヘルスや心の平穏を保ってくれるものであり、私のすべてなんです。
-サーフボードやジュエリーに描く絵についても教えてください。
私は新しいこと、新しい素材、新しい媒体に挑戦するのが好きなんです。磁器のジュエリーを作り始めたのは、ラッキーチャーム、つまり愛に満ちたメダルのような装飾品を誰かのために作りたいと思ったから。磁器はとても壊れやすく、ある意味強い感情のようなものだなと思って、興味深くて採用することに。この小さなメダルを購入してくれた人の目を見るのが大好き。


-どこでサーフィンを始めましたか? 今はどこでサーフィンをしていますか?
始めたのはキブロンでした。でも当時はたまにやる程度って感じで。オーストラリアのゴールドコーストでロードトリップをしたときに本格的にハマり、それ以来ずっと続けています。サーフィンは私にとって真のメディテーションのようなもの。サーフィンをしているときだけは、他のことは何も考えません。だから今は1年中、外の気温が0度のときだって、コンディションが良ければいつでもサーフィンを楽しんでます。生きてることを実感できるし、創造力を養うことができるから。

-最近制作したお気に入りのアートとその理由を教えてください。
キブロンのスタジオで描いた「Big Wave」(写真下)です。ある月曜日の朝、その日は磁器のメダルを作るのに忙しかったのに、突然何か大きなものを描きたくなって。これを壁に描き始めたんです。

-作品は海外でも販売されていますか? 日本にいる私たちが購入できる方法があれば教えてください。
今はまだですけど、そのうちできるように取り組んでいます。アートで旅をして、各国でエキシビジョンができればいいと思ってます。日本でも私を受け入れてくれるクールな場所があれば、ぜひ参加したいですね!
-次にやりたいことなどはありますか?
私は自分のアートライフに対して迷信深いところがあって、成功しないんじゃないかって恐怖心をいつも持っているから、自分のプロジェクトについて話すことはあまりないんです。でも、いつも新しいことやプロジェクトに取り組んでますよ。インスタグラムから私の新しいアドベンチャーを見てもらえれば嬉しいです。


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