世界を旅するフォトグラファー「Nachos」が、カメラと出合いプロになるまで

ひとは、生きているとあらゆる環境変化や予期せぬ事態に遭遇する。そんなとき、味方してくれるのは、他の誰でもなくあなた自身だ。振り回されず、自分らしく生きていこう。ここで紹介するのは、自分らしさを表現できることと出逢えた女性たち。彼女たちは自分の思いを素直に出せるものに打ち込んでいる。そこに他人の目や評価は関係ない。あなたも、あなた自身の心が本当に求めるもの出逢えますように。


レンズを向けたら世界はもっと広がった

“Beautiful Adventure”をテーマに、ボードとカメラを片手に世界を旅するフォトグラファー。海、旅、女性にフォーカスしたストーリーのある写真を撮り続ける。

20歳:ボディボードを始める
36歳:カメラをスタート
39歳:表参道で初の個展開催
40歳:ZINE「SEA FLOWERS」制作

“ナチョス”というメキシカンフードのようなニックネームが可愛いフォトグラファー、直子さんの強みはフットワークの軽さにある。もともと旅のために仕事をするような生活で、安い航空券を見つけては海外へ。英語が得意でなくてもコミュニティに入り込み、友達を作る。そうやって旅をしているうちにいつしか写真に興味を持った。

「旅先で海外のフォトグラファーにどんなカメラを使っているのか聞き回って、バイトしたり親にお金を借りて機材を一気に揃えました。知識もない、カメラの機能もわからない状態だったから最初はとても苦戦。趣味の延長みたいなものだったけど、写真を欲しがる人たちが現れて、対価を支払ってくれるように。仕事にできたら幸せだなと思い始めました」。

今ではブランドのルック撮影を任され、雑誌にトリップコラムを寄稿するまでに。インスタグラムのおかげもあり、旅先で見知らぬ人に声をかけられることも。以前よりも出会いが増え、世界が広がった。だが反面、失敗も数えきれないほど。肝心な時にメモリーカードを忘れたり、カレント(潮の流れ)に流されて岸に戻れなかったことも……。そんな失敗談も笑って話してくれた。

「すべては経験。乗り越えるたびに必ずパワーアップすると思って前に進んでいます」。徐々に自分のカラーを出し始め、トリップに行くたびに成長して帰ってくる彼女の今後も楽しみだ。


「私はサーフィンフォトグラファーとは名乗りたくないんです。サーフィンは物語の一部で、その背後にある女性たちの生き方やライフスタイルを伝えたい」。そのためサーフショットの定番である連写は行わず、一呼吸おいて、考えて撮るようにしているという。海外に行けない今年は、ZINEの制作に没頭中。特にアジアのサーフシーンにフォーカスする予定だそう。

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