
子供の頃から憧れていたサーフィンを始め、2年という早さでWSLのコンテストに出場したタイ出身のサーファー、ブンジャラク・プロムチャレオン(ニックネーム:デュー)。現在はスコットランドを拠点に、壮大な自然の中でサーフィンを楽しむ彼女のライフストーリーをお届けします。
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生まれ育ちはタイで、今はスコットランドの大学で経済の勉強をしている。サーフィンを本格的に始めたのは、パンデミックが始まった2020年頃から。小さい頃からサーフィンには憧れてたけど、海の近くに住んでいなかったからやる機会がなくて。以前バンコクに住んでいたときは都市でも出来るサーフィンに近いスポーツ、フローライディング(人工的に作られた波の上で小さなボードに乗り、技を繰り広げるスポーツ)をしていた。パンデミックがきっかけでサーフィンが出来るプーケット(カオラック)に引っ越すことに決めて、それから毎日海に入り始めた。自分が思った以上にハマって、まだサーフィン歴は2年ほどだけど今ではサーフィンなしの生活は考えられない。
イギリス・コーンウォールで行われたWSL(World Surf League)のQS(Qualify Series)から返ってきたばかり。たった2年でRip Curl他、いくつかのブランドからスポンサードされているけれど、それについてはどう思っている?
信じられないくらい嬉しくて、もっと上達したいというモチベーションに繋がった。バリやフィリピンなど他の東南アジア諸国に比べると、タイのサーフィンはまだ発展途中。だけどここ数年盛り上がり始めていて、スタイリッシュなサーファーや若手サーファーが注目されるようになってきたの。自分で言うのも何だけど、私はサーフィンにのめり込んでから習得するまでにあまり時間がかからなかった。それは以前やっていたフローライディングで横乗りスポーツに慣れていたからだと思う。私のライディングの写真や動画を見た企業が声をかけてくれて、スポンサー契約につながった。まだ21歳で将来見込みがあると思ってもらえたのかも。どんな理由でも、今まで経済的には行けなかった場所に遠征に行ったり、他の国のサーファーと出会える機会を与えてくれて、心から感謝している。
初めてのコンペティションはどうだった?
ヒートは勝ち残れなかったけど、初めての経験ばかりで学ぶことがたくさんあった。今は結果を受け止めて次のチャンスに向けて練習中。スコットランドの波はショートボード向きで、あまりロングボードに乗る機会がなかった。だからロングボードのフローを取り戻すまでに時間がかかったわ。試合に出て自分のサーフィンにスコアをつけられたり、競争心を持ってサーフィンするのが苦手な人もいるけど、私は性格上それが合っていることにも気付いた。ただ、負けた時に落ち込みすぎないように気をつけないと。

どんなサーファーを目指している?
特定のボードだけじゃなくて、どんな波にも対応できるオールラウンダーなサーファーになりたい。だから今はロングもショートにも挑戦している。


スコットランドのサーフシーンについて教えて。
タイで生まれ育った私からすると、スコットランドは年中真冬。4/5mmのフード付きウェットスーツに7mmのブーツを履いてサーフィンをしている。だからバリやタイなどトロピカルな場所でビキニでサーフィンすると、一気に体重が軽くなった感覚になる(笑)。波は基本的に大きくて、ショートボード向き。海から見る景色が壮大で、その美しさにはいつも圧倒されるわ。

サーフィンはあなたの人生にどんな影響を与えてくれた?
サーフィンに出会って、私の人生は180度変わった。母なる自然に感謝すること、自分の可能性を信じることを教えてくれた。特に異国に引っ越して新たな地でサーフィンをし始めてからはコミュティやサーファー仲間の存在に救われた。イギリスに試合に行った時も、地元のシェイパーがボードを使わせてくれたり、SNSを通して繋がった人と一緒にサーフィンしたり。サーフィンは私の人生を豊かにしてくれたわ。
最後に、あなたの夢は何?
WSLの試合にもっと出場することはもちろん、タイ代表のサーファーとして自国のサーフィン文化を育てたい。多くの人がタイでサーフィン出来ることを知らないしこれからどんどん成長していく時期だと思う。波はワールドクラスではないかもしれないけど、タイの文化や食、ローカルの人々の温かさも含めてぜひみんなに訪れてほしい。

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