
今回の旅の最初の目的、フランスで友人の結婚式に参加し1年2ヶ月ぶりにバルセロナへ戻ってきた。
私が住んでいた1年半ははちょうどコロナ禍にあたり、お店は夜中の12時までしかオープンしていなかったり、門限があったりして完全に自由なバルセロナを経験したのは、引っ越した2020年1月末からコロナの規制が始まった3月14日までの1ヶ月ちょっとだった。
1年以上ぶりに戻ってきたバルセロナはすっかり自由が戻ってきて、バーも夜中の3時まで開いている。
2年前の3月、本当であればカナリア諸島へサーフトリップへ行くはずだった。
チケットも買い、泊まるところもだいたいあてを見つけていたのだけれど、コロナの影響で飛行機はキャンセルに。
こちらのLCCではお金が戻ってくることはない。
しかし、フライトクレジットとして200ユーロ近くがキャンセルのために戻ってきた。
そのフライトクレジットの期限が来年2023年の3月までということもあり、今回はバルセロナから飛行機で1時間弱のバレアレス諸島に位置する島、メノルカへ4泊5日の旅をすることにした。
当初の予定では、バルセロナで出会ったチリ人の友人、ナチャとの2人旅だったのだけれど、旅の2日前からコロナになったらしく、急遽一人旅となった。
シーズン真っ只中の島の宿代は高め。どうせレンタカーをするし初の車中泊旅にすることにした。
1日目の夜、島で知り合った日本人の女性あやさんから、島で一番早く陽が昇る場所を教えてもらい、その駐車場で車中泊することにした。
助手席のシートを倒して寝ようと試みたけれどどうも腰が痛い。でもそうこうしているうちに、満点の星に見守られながら眠りに落ちていた。
翌朝、朝陽に起こされた。そのままカフェにコーヒーを飲みに行って、行きたいビーチを地図で探す。なんて自由だ。
翌日、あやさんから毎週金曜日に友達と集まっているというディナーに呼んでもらった。
20人ほどが一つのテーブルを囲む。初めて島に来た私をみんな快く迎えてくれて、とても楽しい時間を過ごした。
さあ今晩はどこに車を泊めて寝ようかなんて考えていると、ディナーに来ていたダニエルが「夏の間友達の家を自由に使えるんだけど、部屋が一つ空いているからよかったらそこで寝ていいよ」と言ってくれた。
車中泊するつもり気でいた私に、思いもよらないラッキーなことがおきた。
今までいろんな旅をしてきたけれど、宿の当てがない旅なんて19歳以来のことだった。
中学からの友達と初めてカリフォルニアへ行ったとき、友達は1週間滞在し私はもう1週間滞在する予定だった。彼女が帰った後の宿は取っていなかった。
ビーチで誰か泊めてくれる人を探そうと思っていたのだ。そのときはベニスで友達になった、アフリカ人移民の子の家に泊めてもらった。
メノルカでの思いがけない出会いと周りの人の優しさに10年以上も前の自分の旅の記憶が蘇り、旅の原点について考えさせられた。
宿も何も予定しない、いつもよりさらに行きあたりばったりな旅は、私をまた新しい次元へ連れて行ってくれたと感じる。
旅はまだまだ続く。
※写真は初日の車中泊後、明るくなって目にした景色