連載コラム「Endless Waves」#11_旅の続き 1

フォトグラファー、コラムニスト、モデル、コーディネーター、翻訳・通訳など、様々な分野で精力的に活動する深田美佑の連載コラム。第11回目のタイトルは「旅の続き 1」。


今回の旅の最初の目的、フランスで友人の結婚式に参加し1年2ヶ月ぶりにバルセロナへ戻ってきた。

私が住んでいた1年半ははちょうどコロナ禍にあたり、お店は夜中の12時までしかオープンしていなかったり、門限があったりして完全に自由なバルセロナを経験したのは、引っ越した2020年1月末からコロナの規制が始まった3月14日までの1ヶ月ちょっとだった。

1年以上ぶりに戻ってきたバルセロナはすっかり自由が戻ってきて、バーも夜中の3時まで開いている。

2年前の3月、本当であればカナリア諸島へサーフトリップへ行くはずだった。チケットも買い、泊まるところもだいたいあてを見つけていたのだけれど、コロナの影響で飛行機はキャンセルに。こちらのLCCではお金が戻ってくることはない。しかし、フライトクレジットとして200ユーロ近くがキャンセルのために戻ってきた。

そのフライトクレジットの期限が来年2023年の3月までということもあり、今回はバルセロナから飛行機で1時間弱のバレアレス諸島に位置する島、メノルカへ4泊5日の旅をすることにした。

当初の予定では、バルセロナで出会ったチリ人の友人、ナチャとの2人旅だったのだけれど、旅の2日前からコロナになったらしく、急遽一人旅となった。

シーズン真っ只中の島の宿代は高め。どうせレンタカーをするし初の車中泊旅にすることにした。

1日目の夜、島で知り合った日本人の女性あやさんから、島で一番早く陽が昇る場所を教えてもらい、その駐車場で車中泊することにした。助手席のシートを倒して寝ようと試みたけれどどうも腰が痛い。でもそうこうしているうちに、満点の星に見守られながら眠りに落ちていた。翌朝、朝陽に起こされた。そのままカフェにコーヒーを飲みに行って、行きたいビーチを地図で探す。なんて自由だ。

翌日、あやさんから毎週金曜日に友達と集まっているというディナーに呼んでもらった。20人ほどが一つのテーブルを囲む。初めて島に来た私をみんな快く迎えてくれて、とても楽しい時間を過ごした。さあ今晩はどこに車を泊めて寝ようかなんて考えていると、ディナーに来ていたダニエルが「夏の間友達の家を自由に使えるんだけど、部屋が一つ空いているからよかったらそこで寝ていいよ」と言ってくれた。

車中泊するつもり気でいた私に、思いもよらないラッキーなことがおきた。

今までいろんな旅をしてきたけれど、宿の当てがない旅なんて19歳以来のことだった。中学からの友達と初めてカリフォルニアへ行ったとき、友達は1週間滞在し私はもう1週間滞在する予定だった。彼女が帰った後の宿は取っていなかった。ビーチで誰か泊めてくれる人を探そうと思っていたのだ。そのときはベニスで友達になった、アフリカ人移民の子の家に泊めてもらった。

メノルカでの思いがけない出会いと周りの人の優しさに10年以上も前の自分の旅の記憶が蘇り、旅の原点について考えさせられた。宿も何も予定しない、いつもよりさらに行きあたりばったりな旅は、私をまた新しい次元へ連れて行ってくれたと感じる。

旅はまだまだ続く。

※写真は初日の車中泊後、明るくなって目にした景色

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