連載コラム「Endless Waves」#12_旅の続き 2

フォトグラファー、コラムニスト、モデル、コーディネーター、翻訳・通訳など、様々な分野で精力的に活動する深田美佑の連載コラム。第12回目のタイトルは「旅の続き 2」。


ヨーロッパに来てから1ヶ月が過ぎた。

たった1ヶ月なのにもっと長くいるかのように感じる。

今週の火曜日に10日間のポルトガルへの旅から戻ってきた。日本のサーファー、「モト」こと斎藤久元のドキュメンタリーを撮影するための旅だった。旅にはハプニングがつきものだとはよく言うし、経験からもわかっていたけれど、今回の旅はハプニングが多過ぎてここに書ききれそうもない。まずは何よりこの旅での経験を自分の中で処理する時間が必要だ。

なので、最近ハマっている水中写真について書こうと思う。

水中カメラは6年前くらいに手に入れサーフィン写真を撮ったこともあるのだけれど、撮影していると自分もサーフィンをしたくなるのでしばらく離れていた。また撮ろうと思ったのは素潜りの練習をし始めてからのこと。魚や水中に入り込む太陽の光がとても輝いていて、写真に収めたいと思ったのだった。先日行ったメノルカ島では毎日のようにビーチや入江探しをして、1日に最低2箇所違う海に潜っていた。この一枚はその時に撮った写真。スペインの海でよく見かける魚なのだが、この日は大量に集まっていてその群れを邪魔しないように潜りながら撮影した。

私が使っているカメラはフィルムで、ファインダーからの景色は絞りを変えても変わらない。なので被写体との距離を計算して、ピントが合うかどうかを予測しながらの撮影が必要。久しぶりにこのカメラを手に取ったので感覚を忘れていて少し難しかったけれど、現像からあがってきた写真が自分の予想通りの距離でピントが合っているととても嬉しい。これは何だか初めて写真を撮り始めた時の感覚に似ている。

「楽しい」という感覚。楽しくないと何事も続かない。そしてそれが楽しくなくなる時に必要なのは、どれだけそれが好きかということ。楽しさが消えて嫌になりそうになった時も、好きであれば続けられる気がする。

素潜りはまだ全然思うようにはいかないけれど、この非現実的な水中の世界が私を魅了してやまない。陸での写真は移動すれば誰でも撮れるけれど、水中の写真は潜らないと撮ることができない。そして私自身にとっても水中はまだまだ未知の世界なので、好奇心と共に新鮮で、この世界をどう自分なりに捉えることができるのかワクワクするのだ。私と水中の写真の旅はまだまだ続く。

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