Her Wave 海のそばで暮らす彼女の物語#25/Lien Uten


サーフトリップで訪れたスリランカ・アルガンベイ。そこで出合った波、自然、住み心地に魅了され、移住を決めたリエン・ウテン。近年多くのサーファーの間で人気のデスティネーションとなっているインド洋に浮かぶ美しい国・スリランカで暮らす彼女のライフストーリーをお届けします。
Instagram

@surf.stories – Inna Rabotyagina

あなたのことについて教えて

生まれ育ちはベルギー、大学ではエンジニアの勉強をしていたんだけど在学中も旅に出たい、サーフィンができる場所に住みたいという気持ちが抑えられず、卒業後に彼と旅に出ることを決めた。最初はインドへ行きそこでビジネスを始めることに。その後オンラインで仕事をしながら、サーフタウンを中心にずっと旅を続けていた。サーフトリップで訪れたスリランカにいた時にパンデミックになり、サーフィンが続けられるスリランカの東海岸アルガンベイにそのままステイすることにしたの。そこでの生活が思った以上に心地良くてあっという間に2年が経ち、家を建て、犬を飼い始めた。29歳になった今、私のホームはスリランカよ。

スリランカでの生活はどう?

言葉では表せないくらい気に入っているわ。海も混んでいないし、自然が美しく人々もみんな優しい。移住者もたくさんいて小さなコミュニティもいくつかある。乾季・雨季によって西海岸、東海岸のサーフィンのコンディションが違うから、半年ごとに移動している。1年中、どこかしらでサーフィンのベストシーズンがある最高な場所だと思う。
スリランカは宗教色が強い国で、いくら暑くても肌を露出した服は着れないし、サーフィンをするのも外国人だけ。ここに来る前に住んでいたインドに文化や歴史は似ているから、慣れるまでそんなに時間はかからなかった。以前まではローカルの女性がサーフィンすることなんて考えられなかった。女性は家で家事をし、子供の面倒を見るのが一般的だと考えられているから。数年前にアルガンベイで初の女性のサーフクラブが発足した時は大きなニュースになったわ。それでも現地の女性サーファーをラインナップで見かけるのは数えるほど、ビキニを着ることもあまり受け入れられていないみたい。将来、より多くの女性が自分のやりたいことを自由に出来る文化になるよう心から願っている。

スリランカのサーフシーンを教えて

私が住んでいるアルガンベイのメインスポットは、良い波に乗れば1分くらいロングライド出来るパーフェクトな波! 7月から9月がベストシーズンで、観光客が戻ってきた今は海の中も忙しくなってきた。美しいライトのポイントブレイク、リーフ、そして街から少し離れたところではバレルもあって、あらゆるタイプのサーファーに対応している。
サーフカルチャーも発達していて、ビーチにはサーフスクールやレンタルボードショップがあって、誰でも気軽に始められる環境があるわ。

@surf.stories – Inna Rabotyagina
@a_greener_hue – Matt Berridge

サーフィンとの出合いは?

初めてサーフィンをしたのは14歳の時、スペインのサーフキャンプで。すぐにハマって18歳の時にはサーフキャンプで仕事をしながら年に3〜4ヶ月ほどスペインやフランス、主にヨーロッパでサーフィンをしていた。スリランカに移住する前は、オーストラリアでヴァンに住みながら毎日サーフィンをしていて、そこで一気に上達した気がする。
最近のお気に入りのボードは9’4”のRoss Conceptのロングボード。スウェルがある日はDHDのツインのショートボードにも乗っている。どんなコンディションでもサーフィンが出来るようになるのが目標。

現在29歳のリエン、サーフィンを始めてもう15年だけど、サーフィンとの向き合い方に何か変化はあった?

数年前までは、チャンスがあれば必ずサーフィンをしないと気が済まなかった。とにかくサーフィンが出来れば他のことはどうでもよくなるくらい完全にサーフィン中毒だったわ(笑)。スリランカに移住して、常に波がある環境で生活し始めて、良いコンディションの日を選んだり、自分の身体と相談したり、「サーフィンをしない日」を作ることが出来るようになったのが一番かな。もちろんサーフィンは今でも大好きだけど、20代前半の頃とは少し違った向き合い方をしていると思う。海の中でもよい意味でアグレッシブさが抜けて、より自然と調和したサーフィンを楽しめるようになった。

@surf.stories – Inna Rabotyagina

今後の夢や目標は?

20代は世界中を旅して、行く先々で仕事をしたりデジタルノマドとして生活してきた。これからはスリランカで地に足をつけて生活しながら、仕事もプライベートも少し落ち着いた生活が出来るようになったらいいなと思っている。

▲上に戻る

SHARE