スペシャルコラム「Endless Waves」#13_旅の終わりは旅の始まり

フォトグラファー、コラムニスト、モデル、コーディネーター、翻訳・通訳など、様々な分野で精力的に活動する深田美佑の連載コラム。第13回目のタイトルは「旅の終わりは旅の始まり」。


1ヶ月と少しの旅を終えて日本に戻ってきた。

今回は5週間、毎週違う場所を旅していた。

ゆったり一息ついて自分の頭や感じることと向き合う時間はなく、毎日目の前に現れる新しい問題や、状況をすぐに判断してささっと乗りこなしていく、もはやサーフィンで波に乗るときと同じような感覚。

それが5週間毎日繰り返されていた。今の瞬間に集中することしか先に進む道がない感じ。そのおかげで日本に帰ってきたばかりというのに、感情と思い出が強く流れている。

旅とは面白いもので、旅が終わった途端、始終が走馬燈に流れながらも、もう次の旅のことを考えていて、“旅の終わりは旅の始まり”な気がする。

今回の旅を計画している時、大きな目的が1つあった。バルセロナの友達に預けていたサーフボードを受け取って、日本に持って帰ること。でもこの目的は日本を出発する前に叶わないことが判明。預けていた友達の家が空き巣の被害に遭い、ボードや友達のマウンテンバイクなど色々と盗まれてしまったのだ。残念だったけれど、兎にも角にもしょうがない。バルセロナでその友達と再会したとき、なくなったボードの代わりに自分でボードを削り始めたら一本作ってくれるという約束をしてくれた。5年後を楽しみにサーフィンの上達に力をいれるしかない! そしてまた旅の途中で友達と再会できることを楽しみに。

旅の終わりに再びバルセロナに戻ってきた時、たまたま友達になったスケーターの子が少し大きめのショートボードを貸してくれた。そのボードで空港近くのサーフポイントで2回もサーフィンをして、楽しい時間を過ごすことができた。なくなったといえば、9月頭にポルトガルへ行ったときのこと。セルフチェックインに慣れていなくてチェックインする荷物にタグを貼り損ね、機械でバーコードの読み込み手続きが終わるとすぐベルトコンベアが動き始め、タグのシールを貼れないまま流れていったスーツケース。空港職員にすぐに状況を説明すると荷物担当に電話をしてくれ、「下で見つけてタグを付けておくね」と言ってくれたものの、ポルトガルの空港で荷物は出てこず……。全て用意し準備万端だったのに、10日間不自由な期間を過ごした。タグを貼り損ねたこと、荷物がない現実にイライラしていたのだが、日本から合流した友人や現地で出会った人に沢山助けられ、ないものよりも周りの人のあたたかさと優しさを感じることができた。

終わりと始まりは紙一重のように、何かがなくなって何かを得ることも紙一重なんだな、と。そんなことを教えてくれた旅だった。旅の回想はまだまだ続きそう。

※写真はポルトガルで訪れたエリセイラ。

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