
イギリス南西部に位置する小さな海辺の街、コーンウォール。大西洋のスウェルを求めヨーロッパから多くのサーファーが集まるイギリス・サーフィンの中心地。そんな人々をカメラに収めるサーフフォトグラファー、ベラ・ローズ・バンスのライフストーリーをお届けします。
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あなたのことについて教えて
生まれ育ちはイギリス南西部のSomerset(サマセット)という場所。海から2時間半ほど離れた場所で、いつも海の近くに住むことに憧れていた。母が海辺の街、Cornwall(コーンウォール)出身だったからそこには良く訪れていて、大学進学を機に引っ越すことに決めた。最初は海洋生物学に興味があったんだけど私はそこまでスマートじゃなくて(笑)、代わりにフォトグラフィーを学ぶことに。今となっては良い決断だったと思う。小さい頃からカメラには興味があって、インスタントカメラで写真を撮っていた。兄弟が5人いるんだけど、クリエイティブなことに興味があるのは私だけで、数学や科学ではとれないような成績をフォトグラフィの分野では取っていた。
4年前に大学を卒業して現在26歳。数年前からサーフィンフォトグラファーとして活動していて、今はフリーランスで生計を立てられるよう奮闘しているところ。
サーフィンとの出合いは
13歳の時に親友のお父さんにサーフィンを教えてもらった。それからは年に2回サーフィンをするくらいだったけど、コーンウォールに引っ越してからは出来るだけ海に入るようにした。大学を卒業してからは自由な時間もたくさんあって、完全にサーフィンの虜になったわ。ゆったりとフローするようにロングボードで波に乗るのが好き。
サーフィンフォトの好きなところは
海の中でカメラを持っていると、想像以上に多くの人に出会うことができる。旅を通していろんな人に出会えるのと同じで、すでに海、サーフィンという共通の好きなことを通して出会うから、簡単に仲良くなれて話もあう。「あなたが波に乗っている写真があるんだけど見ない?」というと、NOという人はまずいない。そこから友達になって、輪が広がり海に行けば誰かしら知り合いがいる。そこが一番好きなことかな。あとは、みんなが心の底から楽しんでいる瞬間を写真に収めることにすごく喜びを感じるし、レンズ越しに見ている私まで楽しくなる。
コーンウォールのサーフシーンを教えて
コーンウォールはイギリスで数少ないサーフスポットの一つ。このエリアには約15のサーフスポットがあって、夏は穏やかで小さい波がブレイクするロングボード向きの波。冬に向けてサイズアップして、クオリティも良くなっていく。条件が揃えば、10フィートくらいになることもあって、チューブにもなるショートボード向けの波。逆に春、夏はサーフィンを始めたい人や初心者にはピッタリね。
冬の海水温はとても低くて、5ミリのラバーのフルスーツはマスト! 寒さに弱い人はブーツやグローブ、フードがあった方がいいわ。去年の冬水中で撮影をしていた時はウェットスーツを2枚重ねで着ていたんだけど、それでも凍えるほど寒かった。



これまで水中で撮影している時に、何か大きなアクシデントはあった?
アクシデントって言うほど大したことではないけど、去年の2月にスリランカで水中撮影していたときのこと。そのときカメラをホールドするストラップを持っていなくて、ただ手でカメラを持っていたの。1人のサーファーがチューブに入ってそれを撮ろうとした時、波にカメラを持っていかれて一人でパニック状態に。旅に持ってきていたカメラはその1つだけで、それを失ってしまったと思ったから。ラッキーなことにチューブの中を1回転して、カメラは私の目の前に戻ってきたの! その後すぐにストラップを買って、それからは欠かさず持っていくようにしている。

海、自然との関わりを言葉にするなら?
完全に“今”ここにいることができる場所。私は子供の頃、メンタルヘルスや不安、鬱の経験があったから海にいることがセラピーだった。多くの人はジムに行って運動したり、友達とパブでお酒を飲むことでそれを解消する人もいるけど、私にとっては海がその役割を果たしていた。だから海に行かないとボーイフレンドとの口喧嘩も多くなるし、不機嫌になるわ(笑)。
これからの夢や目標を教えて
波が大きい日にいいショットを撮るのが大きな夢。そしてプロのサーフィンフォトグラファーとして旅をしながらブランドの撮影をしたり、写真を提供して生活できれば嬉しいな。

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