自然を愛する、あの人に聞く。心地よい暮らしを叶えるためのヒント | Vol.19 ヴィーガンフード


19回目に取り上げるのは「ヴィーガンフード」。ヴィーガンフードクリエイターとして活躍するiinaさんを紹介します。

ヴィーガンフードを楽しむことが自然と環境に良いことに

私は小さい頃から動物性の食材が苦手で、野菜とがんもどきが大好きでした。とは言え「ヴィーガン」の認知はなく、その言葉を知ったのは10代後半。当時都内でも数店舗しかなかったヴィーガンフードのカフェを訪れたときでした。ただ、そのときに食べたものは正直、全然おいしくなくて(笑)。その後、ヴィーガンコスメに触れたときに、動物を食べないだけでなく、原材料でも利用されていないか、食だけではなく衣食住すべてにおいて動物たちが犠牲になっていないかなど、ヴィーガン本来の意味を知ったのです。そこから、体調を崩したことをきっかけにマクロビオティックを学ぶようになりました。

健康に良いとか、CO2がどうとかは置いておいて……、ヴィーガンの良いところは洗い物が楽なところ! 野菜や豆の調理は、脂や臭いがまな板やキッチンに付くことがなく、少量の洗剤でささっと汚れを落とせます。私は自然環境のためにヴィーガン料理をやっているわけではないのですが、結果それが環境に良いことになっているのであればそれは嬉しいな、と思っています。

料理する際には、無農薬のお野菜やオーガニックの食材を使用することも。そこに価値を持って購入することが、結果自然環境に良い選択となると考え、「選ぶ」ということも大事にしています。また、私は野菜の皮はほとんど剥かないので、生ゴミもほとんど出ることがない、というのも自然とエシカルな暮らしに繋がっていると思います。

まずは「調味料」から変えてみる

野菜やフルーツは色とりどりで美しく、季節のものの香りを楽しむことができるので、食への喜びが増すというのもヴィーガンの魅力のひとつ。

ヴィーガンフードが気になるという方は、まずは試してみるのがおすすめ。今はたくさん市販品も出ていますし、都内ではヴィーガンカフェも増えています。そうでない一般のお店にもヴィーガンフードが用意されていることがありますので、まずは買ってみたり、食べに行ってみたりしてください。

とは言え、私はクリエイターなので「作る楽しさ」も伝えたいと思っていて。ヴィーガンフードを日常の暮らしに取り入れてみたいという人は、まず冷蔵庫にある調味料をナチュラルなものに変えてください。なんとかの素、タレ、レトルト食品などは、動物性のものが含まれていることがほとんど。料理は食材選びの前に、調味料が必ず必要になるもの。その調味料をまずは変えてみることが大事です。

料理も、選択もバランスが大事

私が「心地よい暮らし」を送るために大事にしていることは、無理をしないこと。環境のことや身体のことを一番に考えすぎると、「オーガニックじゃなきゃ」、「無添加じゃなきゃ」と自分を追い込んでしまいがちですが、それでは疲れや負担が溜まっていく一方。本当の意味での「心地よさ」には繋がりません。サステイナブルに続けていくためには、無理のない範囲で行動する。そのなかでもより良い選択をし、こっちの方が自分に合っているな、というものを見つけながら、ときには自然に触れ合うことも大事だと思っています。新鮮なお野菜を買って調理することも、一つの自然との触れ合い。環境にも、自分にも、少しずつ優しく。料理も選択もバランスが大事ではないでしょうか。

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