竹富島に暮らすように滞在する、「星のや竹富島」でのサスティナブルな旅

▶︎連載「SUSTAINABLE TRIP」とは……
ローカルのように遊び、文化を体験し、そしてその土地に還元する旅。リゾート開発といえば土地を切り開いたり、住民の住処を奪ったりと悪いイメージが付きまとうが、サスティナブルなリゾート地やホテル、施設、観光地はたくさん存在する。これからは旅先に選んだ土地、大好きな場所に恩返しができるような旅の仕方をしてみない?

沖縄・石垣島から乗船し約10分。エメラルドブルーの海を船で進んでいくと、珊瑚礁が隆起してできた周囲9.2kmの小さな島が現れる。竹富島だ。

人口360人のこの島は、一致協力を意味する「ウツグミ」の精神により、集落の姿や伝統文化が守られている。

集落には琉球赤瓦の家々が立ち並び、手積みの石垣「グック」に囲まれた小路にはサンゴの白い砂が敷きつめられ、デイゴの花やブーゲンビリアが咲き乱れる。町を歩けば水牛車とすれ違い、ともなく三線の音が聞こえてくる……。

長い歴史に育まれた人々の暮らしの中に、上質な伝統文化が色づく特別な場所だ。

その中にあるひとつの集落が「星のや竹富島」。ここでは沖縄の伝統建築を踏襲した48棟の家々が連なっている。宿泊者はここで島の文化や伝統を学び、地産地消の料理を食べ、暮らすように滞在するのがここでの旅のスタイルだ。

宿泊するのは竹富島の伝統建築を踏襲した木造平屋造りの家。庭には真っ白なサンゴの砂が敷き詰められ、赤瓦の屋根からは家によって違う表情のシーサーが。南側に設置された大きな窓からは心地よい南風が入り、「風の間」と名付けられたリビングに吹き抜ける設計だ。

集落内には滞在中いつでも利用できる「ゆんたくラウンジ」という共有スペースも。

ここでは島文化を取り入れたワークショップが行われたり、島のおやつが星のや流にアレンジされ振る舞われる「島のひととき」や、島で親しまれる素材を使ったシロップと泡盛を組み合わせたカクテルが味わえる「宵のひととき」など、島時間を感じられる催しが1日を通して開催されている。

ゆんたくラウンジ以外でも、竹富島の文化に触れられるアクティビティは盛りだくさん。

「三線を奏でる」1組(1〜2名)¥9.680 ※15:45〜16:30

例えばこちらは客室で地元の方に教わる三線のプライベートレッスン。演者に直接教えてもらえるのだが、地元の方との会話やコミュニケーションも楽しみながら、島らしい音色を奏でられるように。ゆったりとした島時間を過ごすにはピッタリのアクティビティだ。

「織り遊び」1名¥1.210 ※毎週火曜、木曜、土曜、日曜日 10:30〜、11:30〜 

竹富島伝統の織り機で、草木染めの糸を使った織りの体験も。島の植物で染めた糸を使って、しおりなどの小物を織り上げる。好きな色を選んで自分好みの作品を作り、思い出とともに持ち帰ることができるのだ。

「夕暮れプライベートサバニ」1名¥12,100 ※日没を挟んだ約2時間

夕暮れには伝統の木造船「サバニ」に乗って海へ漕ぎそう。帆を張った舟は、風とエーク(櫂)で漕ぐ力だけで進む。夕日に染まる美しい空と海を見ながら、穏やかな島の自然を全身で感じられるアクティビティだ。

このように島民から島の文化を学び体験することは、歴史や伝統の普及や雇用の増加、次世代への継承にもつながってくる。

このほかにも季節に合ったワークショップや、地元のイベントなど、時季によってさまざまな文化が体験できる。訪れる際は事前にチェックしてから予約しよう。

食事は豊かな沖縄の素材との出会いから生まれたフレンチ、「琉球ヌーヴェル」を提供する。

美しい海をはじめとする自然に囲まれた沖縄は、珍しい魚介類や野菜、果物、豚や牛、ヤギなどの肉、島特有のハーブやスパイスなど、南の島らしい食材の宝庫。

「琉球ヌーヴェル」は、沖縄ならではの上質な素材を、新たな発想とフランス料理の技法を用いて、驚きの味わいを引き出すオリジナルの料理コンセプト。ここでしか食べられない料理がラインナップする。

ちなみにこのように島民との協力によって運営されている星のや竹富島は、島の文化を体験してもらう以外にもさまざまな試みを行なっている。

例えば、竹富島はこれまで農業継承者不在の課題を抱えていたそう。昔から育てられてきた竹富島ならではの作物をこれからも残していくために、星野リゾートは島の“おじい”とともに作物の栽培を開始。

神様への供物として欠かせなかった粟も、島内では栽培者がほとんどいなかったにもかかわらず、栽培を開始した翌年には島内で育てた粟を奉納することができた。今では島民からも収穫を期待してもらえるほどの質と量を提供できるようになったのだとか。

文化や伝統を紡ぐ体験地産地消の料理を味わい、その土地を全身で体感し、学び、伝えていく。必然的に地元にも還元できるのだから、これからはこのような旅の仕方をしていきたい。

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