スペシャルコラム「Endless Waves」#16_なんでもやってみる

フォトグラファー、コラムニスト、モデル、コーディネーター、翻訳・通訳など、様々な分野で精力的に活動する深田美佑の連載コラム。第16回目のタイトルは「なんでもやってみる」。


最近こんな本を読んでいる。

小田実の「何でも見てやろう」。

友達のインスタに載っていてタイトルに一目惚れしたので、早速オンラインで購入した。

この写真を撮ったのはインドネシア・ロンボク島のクタにある丘の上。当時、私は特に予定もないまま東南アジアを旅していた。ギリメノ島にいた私は、中学校時代の友人を訪ねるために、行ったことのないロンボク島を訪れたのだった。

私は一人っ子で、中学までに2度引越しをして、学校も小・中と違ったので1人で過ごす時間が多かった。友達といえば隣の家の庭にほったらかしにされている犬とか、自然。

小さい時からとりあえずやってみる環境にいたので、大人になってからも細かいことはあまり考えず、とりあえず何でもやってみることにしていた。

この何でもやってみるスタンスに本格的にスイッチが入ったのは、この写真を撮る数ヶ月前にインドネシアで受けたヴィパッサナー瞑想だった。その時、その人が抱えている問題や課題によって感じ方は色々違うのだろうけど、私の場合、ダンスの夢敗れてアメリカから日本に帰ってきて、何をしたいかわからなくて途方に暮れていたときだった。10日間の瞑想で自分とは何かという問いにひたすら向き合い無言で過ごした結果、何をしていても私は私なんだという気づきをもらった。日本に帰ってきてから今まで以上に、とりあえず何でもやりたいことはやってみて、しっくりこなかったらやめるというスタンスに切り替わっていた。

というわけで、5ヶ月間の旅の3ヶ月目にヨガを教えがてら住んでいたロンボク島の隣の小さな島ギリメノ島にいた私は、中学時代の友達を訪ねてロンボク島に行ったのである。

とりあえず何でもやってみるというスタンスでいると、自分の実体験を元に情報が脳に詰め込まれていく。嘘偽りのない自分だけのもの。人から聞いた話で動いていると、自分の体験とずれが生じる。

最近初めてスワローテールのボードに乗る機会があった。

いつもシングルフィンに乗っているのだが、スワローテールにシングルフィンというセットアップは初めてだった。

少しの体重移動だけで簡単に動くのにフィンがスポッと抜けることはなく、シングルフィンならではの気持ちよいターンが出来る。新しい波の上での感覚だった。乗ったことのないボードに挑戦するのは勇気がいる。乗り方は分かるのか、そして乗れるのかという不安。

そんな不安を吹っ飛ぶように、とても乗りやすくて楽しかった。

未知の世界に足を踏み入れて、それが自分の想像以上に楽しいと自信につながる。もしうまくいかなかったとしても、それはそれでいい。

小田実の本はまだ読み始めたばかりだけれど、今から何十年も前の時代に私と同じ感覚の人間がいたのかと思うと、少しホッとした。これを読んでくれているみなさんも興味を持ったことは素直に、あまり頭で考えすぎず色々ととりあえずやってみてほしいと思う。

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