
サーフボードをそこらに転がして、いつまでも水着のままでいたくなる家。窓にひろがる空、吹きぬける風に誘われて、いつも海を想う家。ハワイやカリフォルニアでのSurf Daysが日常になる。そんなビーチハウスの作り方を日本のサーファーズハウス建築の第一人者・一級建築士の岩切剣一郎さんにお聞きしました。
1.白を基調に木のぬくもりをプラスする

「白は空間を明るく輝かせ、清潔感と開放的な広がりを与えてくれます。そこにあたたかな木の質感が加わると、ほっとする心地よさも生まれて、ほどよくリラックスしたビーチハウスができあがる。
真っ白な壁は窓いっぱいに広がる青空や陽光、揺れる木々とコントラストをなし、室内ではどんなアート&インテリアにも調和するなど、全体の色彩を美しく引き立ててくれる役割もあります」。
2.外構はゆとりを持たせてエレガントに

「じつは外構のデザインこそ家を素敵に見せる大事なポイント。パーキングからステップ&エントランス、アウトドアシャワー、そして建物と少しずつ奥にセットバックさせた造りにすると、道路側に圧迫感が出ず、ゆとりあるエレガントな佇まいになります。
そして植栽や外壁も、設計の段階から建物に合わせてデザインすること。外壁はフラワーブロックをアクセントにすると洗練と抜け感が出るのでオススメ。植栽はロックガーデンにして、パームツリーやサボテン、アガベ、多肉植物などをバランスよく植えるとリゾート感が出ます」
3.最高にお気に入りの空間を作る




「好きなものを置いて、好きなものを飾り、最高にお気に入りの空間を作りましょう!
サーフィンが好きなら、いちばん使いやすいところにサーフボードラックとアウトドアシャワーを造り付けたり、お気に入りのサーフボードを室内にディスプレイしたり。
プールやサウナ、趣味を楽しむアトリエやガレージがあってもいいですね」。人生も家もつまりは自由。個性やスタイルを大切に、好きなものに囲まれて、自分らしくいられる空間を。
4.リビングと外の一体感を出す

「リビングと外、たとえばカバードポーチやデッキを一体感が出るようにつなげると開放感がぐっと増します。そして住んでいる人はリビングから気軽にさっと外に出られて、太陽を浴びたり、空を眺めたり、花の香りをかいだり、より自然を感じながら暮らせるように。
開口部の大きさや床のつながり、陽射しをほどよく避ける屋根などの設計を工夫することで、窓を全開にしても周りが気にならず、気持ちよくくつろげます。
海上がりには濡れたまま一息つけるスペースにもなるアウトドアリビング、ビーチハウスにはマストです」
5.自然の光と風を採り込む


「リビングやベッドルームにはハイサイドライト(高窓)をつけて、カーテンをしていても部屋の中には太陽の陽射しが入ってくるように。
玄関ホールや階段にも、吹き抜けやピクチャーウインドウ、ライティングウィンドウを配して家中に自然の光をたっぷり採り込みます。
ハイサイドライトは部屋の中から天空が見えるのもポイント。リモコンで開閉できるタイプにすると風も抜け、シーリングファンを回せばエアコンレスでも快適です」。
6.タイルや照明でニュアンスを



「水まわりはタイルで遊び心を。タイルには様々な素材や色、形、柄、デザインがあるので、その組み合わせや貼り方次第でモダンにもカジュアルにもラグジュアリーにも仕上がり、インテリアのアクセントになります。
また水栓や洗面ボウル、ミラー、ペーパーホルダーなどにもひとつひとつこだわるとよりセンスフルな空間に。ドアノブや照明にゴールドカラーを採り入れて、上品なスパイスとするのも大人のビーチハウスにはオススメです」。
照明をブラケットランプやフロアランプなど、間接照明にするのも雰囲気アップのポイントとのこと。
白を基調としたシンプルなプロポーション、自然との共生というコンセプトを持ち、太陽と風と緑に愛されるべくデザインされたその家々は、まるで海外のリゾートアコモデーションのよう。
そしてサーフボードガレージやプール、サウナなど、それぞれのオーナーのライフスタイルに応じたオプション&カスタマイズには夢と遊び心が満載だ。
「そう、家も人生と同じで自由に楽しんでいいんです。好きなものに囲まれた、自分らしい空間で幸せに暮らしましょう。海が好きなら海の近くに住む。オーシャンフレンドリーなデザインやインテリア、動線を考える。そうすれば理想のビーチハウスに自然と近づいていくはずです」。
今回、掲載したビーチハウスはすべて昨日発表したHONEY HOUSEプロジェクトを手がける「The Holiday LIVIN’」で岩切氏がプロデュースしたもの。HONEY HOUSEでもこんな風に、思い描く理想のビーチハウスを叶える手伝いができたらうれしい。
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