自然を愛する、あの人に聞く。心地よい暮らしを叶えるためのヒント | Vol.20 マクラメ


20回目に取り上げるのは「マクラメ」。ウェーブマクラメアーティストとして活躍する三輪麗さんを紹介します。

飾るだけで自然のなかにいるような開放的な感覚に

「マクラメ」とは特別な道具は使わず、すべて手作業で紐や糸を編み込み、結ぶことで模様が生まれる技法のこと。アラビアから世界に広がり、日本でも古くからマクラメ編みが用いられていたと言われています。現在では、天然石やビーズを使ったアクセサリーや、タペストリーなどのインテリア、バッグなどにも幅広く使われています。

そんなマクラメに私が出合ったのは、玄関にあうカーテンを探していたとき。ふと目にとまり、「ほしい」よりも「作ってみたい」 と思い、マクラメ作りを始めました。 天然素材のコットンロープに触れ、流木の自然の風合いを見ながら編んでいる時間は、瞑想しているかのような心地良い癒しの時間になりました。そうして出来上がったタペストリーをお部屋に飾ってみると、まるで自然のなかにいるような開放的な気分に。不思議と心が満たされた気持ちになったんです。

マクラメは壁の高い位置に飾るので、自然と目線も気分も上がりますし、小さなお子さまやペットがいても海を感じるインテリアを実現することができるのは嬉しいポイントです。来客時にも「なんだかこの居心地と雰囲気が好き」と言ってもらえるようになり、ますます我が家が好きになりました。より良い家、より幸せな自分にさせてくれる、”魔法のアイテム”だと思っています。

海や自然、子どもたちのためにやさしい選択を

流木拾いや、マクラメとほぼ同時期にサーフィンを始めたことによって海に行く機会が増え、海を守りたいという気持ちも強く持つようになりました。大人も子どもも全力で遊ばせてくれて、童心にかえらせてくれて、心も身体も浄化させてくれる、そしてたくさんのパワーをくれる偉大な海を守りたい──。

そんなことを考えながら、マクラメロープを探しているうちに”児童労働のない、人にも環境にもやさしいフェアトレードのオーガニックコットンロープ”を販売しているStella sea fibersさんに出合いました。 それまでは恥ずかしながら 「なんとなくオーガニックって良さそう」くらいにしか思ったことがありませんでしたが、マクラメロープのおかげでモノの背景を知ろうという関心が生まれました。

普段何気なく使い、捨てていたものが海へ流れ着くことにも気が付き、大好きな海を感じられるアイテムを生み出す作家として「海に流れ着く前に減らそう」という意識になりました。
誰かの犠牲の上にある快楽よりも、ちょっとでもやさしい選択をしたほうが、自分の心にもやさしい気持ちが生まれると思うんです。小さな取り組みですが、少しの意識で変えられることがたくさんあることにも気付かされました。 私が手がけるショップ『SEALI』を通して、海や自然・子どもたちの未来のために、やさしい選択をするきっかけを与えられたらいいなと思っています。

楽しみながら地球のことを考える

『SEALI』では脱プラ梱包やペーパーレス化だけではなく、ブランドタグにお花の咲くシードペーパーを採用しています。ゴミを減らしながら緑花や、やさしい心を育てられる素敵なアイテムなんです。 染めて作る 「グラデーションウェーブタペストリー」の染料にも有害指定化学物質の含まないものを使用し、 受注期間を設けることで排水量を減らすことに成功しています。

また、日常生活では「排水溝の下は海」という意識で、海へ行く際に必需品となる日焼け止めや毎日使う洗剤を海にやさしい成分のものに切り替え、マツエクもやめました。さらに、地産地消を意識し、買いもの時には地域の食材を選ぶように心がけ、”おつ
とめ品”は必ずチェックしています。CO2排出量の削減・食品ロスの削減・そしてお財布にもやさしい(笑)!
お得に買えた分を、ちょっと高い身体にやさしい調味料に使ったりと、日々の生活のなかに工夫を入れつつ楽しんでいます。

暮らしのなかに「好き」を取り入れ、満たされた自分に

私にとっての 「心地良い暮らし」は、お気に入りや自分の好き! が身近にある暮らしです。 好きなモノを選び、自分だけのリラックス空間に迎え入れることで心が満たされ、そんな満たされた自分がまた好きになれると思っています。モノ選びがきっかけでエコやサステイナブルに関心が向いても、とらわれすぎて窮屈になってしまっては意味がないですよね。完璧ではなくても、 少しの工夫や意識ができたら、それで充分。できることを続けていきたいです。

『SEALI』のアイテムから、海や自然を想うきっかけが生まれたら、と思っています。そして、毎日頑張るあなたに「なんだかこの空間好きだな」と思ってもらえたら嬉しいですね。いつでも寄り添ってくれる海のような癒しを与えることができる、そんなアイテムをこれからも作っていきたいと思っています。

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