
カリフォルニア州ベンチュラの丘の上にある瀟酒なサーフシャック。海に面したウッドデッキから日々スウェルをチェックできるこの家は、サーファーにとってこの上ない理想の住処だ。
その家は道からは見えない。住宅の間の狭い小径を進み、その先の緑に覆われた長い階段を登り切ると、かわいい平屋の一軒家に辿り着く。白く塗られたうろこ張りの外壁にミントグリーンのフロントドアが良いアクセントになっている。階段から続く緑が家の周りにも繁り、春から夏にかけては赤やオレンジの花々が彩りを添える。外壁のボードラックにはロングボードが置かれていて、サーフシャックの趣たっぷりだ。この家に暮らすのはベンチュラを拠点に活躍するアーティストのアリソン・クナス。
「住みはじめて2年になる。ベンチュラに来る前はもう少し内陸のわりと広い家に住んでいたの。この家はそこの4分の1以下。最初は収納が足りないんじゃないかと心配だったけど、バックヤードからアクセスできるランドリールームを兼ねたストレージ・スペースがあるし、キッチンのキャビネットの小さな引き出しに細々したものをしまえるから、問題なかったわ。すべてが手が届くところにあって快適。私にはこのコンパクトさがあっていると思う。何よりも立地が素晴らしいの」
ここベンチュラはカジュアルでリラックスした空気が漂うサーフタウン。北側に丘、南側に海と、街と自然が近いのが魅力だ。アリソンの家は街の北側の丘の中腹にあり、南に張り出したウッドデッキからは、ベンチュラ・ピアと有名なサーフスポットのCストリート、その遥か沖に浮かぶチャンネル・アイランドが一望できる。スウェルが入ると肉眼で確認できるから、サーファーにとっては理想の住処といえそう。家の裏にいくつか住宅が建ってはいるものの、それ以外は山へと続く手付かずの土地が広がっていて、ときおり野生動物も顔をだす。バックヤードに鹿がいたこともあったというから、なかなかワイルドな環境だ。
家のなかはリビングとダイニングとキッチンのひとつづきの空間と奥にバスルームとベッドルームがあるシンプルな間取り。壁も天井も梁もすべてが白く、家具も必要最低限のものだけ。ミニマリストのインテリアだ。他にアート制作のためのスタジオを借りているので、自宅はプライベートな設えに徹している。
「家ではたいていカウチに座って過ごすことが多い。本を読んだり電話をしたり、外に目をやり海を眺めたり。持っている家具の多くはセカンドハンドのヴィンテージ。新品で買ったものはごくわずかなの」
彼女はクレイグリスト(地元の個人間売買を主に扱うクラシファイド広告サイト)でお気に入りの家具を見つけては手に入れている。また、中身がわからずにコンテナごと買う
ストレージ・コンテナ・オークションで手に入れた家具もある。リビングのオレンジのカウチもコンテナのなかにあったもの。一緒に入っていた帽子にジンジャーと名前が書かれていたことから、彼女はこのカウチをジンジャーと呼んでいる。カウチの前にある木製ベンチもリパーパスでテーブルとして使用、マガジンラックのように三角形の足の部分に本が収まるのが気に入っている。
「ラグはモロッコで買ったもの。ダイニングにあるのはヴィンテージのジャーマン・ビアガーデンのテーブル。これもフリーマーケットで買ったの。新品のものよりもこうした家具には個性があるから好き」
家具以外に目を引くのは、色味のきれいなグラスが並ぶキッチンの飾り棚と、リビングルームとベッドルームの梁に載せたサーフボード、そして自身が描いたアースカラーを基調とする淡い色合いのアート。それらはヴィンテージの家具同様、白を基調としたミニマルな空間によく馴染んでいる。サーフボードの色にもこだわりがあり、いつもアーストーンをオーダーするが、その通りにならないこともしばしばだとか。
「グレー・グリーンのボードはベッドルームにぴったり。リビングのボードはもっとダークなイエローにしたかったんだけど、違う色になっちゃった。でもこのイエローもきれいだからいいわ。サーフボードの色って本当にミステリーよね」
ボードのカラーをインテリアの差し色にして遊ぶ。色選びの感性が豊かなアーティスト・サーファーらしいリビング・スペースの演出だ。
この日はロサンゼルスから遊びに来る友人とCストリートでサーフィンする約束だった。波を気にしながら支度を整え、アリソンはボードを抱えて階段を足早に降りていった。この海との距離感が羨ましい。












窓辺に配した個性豊かなサボテンたちが、キッチンに表情を与える。オーガナイズされたキッチンの好例だ
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