インテリアの色と素材にこだわったフランス・オセゴーのビーチハウス

「家族みんながリラックスして過ごせる家」。それを叶えるために工夫したのが、インテリアの色と素材。そこにローカルアートのポップさも加わり、オセゴーらしい家が誕生した。


ガレージの門を開け、道を渡り砂丘を越えるとそこはオセゴーのビーチ。2階に上がればゴールドやベージュ、光の加減によっては白く輝く砂丘が視界いっぱいに広がる。サーフスポットの近くでありながらプライベートが守られたサーファーにとって理想的な場所に、カロリーヌ&ジュリアン家族は越してきた。しかし5人で暮らすには少し手狭なサイズだったので思い切って建て替えることにし、カロリーヌがこだわりを詰めた家が完成した。

「テーマはオセゴーの風土、環境と調和するビーチハウス」

外壁を濃いグレーでしつらえているため外から見ると無機質な印象もあるが、中に入ると雰囲気は一転。壁の大部分にOSB(環境に優しく、DIYにも使いやすい木製の合板)が使われ、リビング、ダイニング、テラスまで繋がる広い空間はナチュラルで明るい。家具は基本ウッドで統一し、ラタンのイスやテーブルがリゾートテイストをプラスしている。

「オセゴーは建築条例が厳しいから、制限が多い中で建築家と相談しながら家を建てた。外壁は塩害対策を考えてのグレー。海の近くに住めるのは最高だけど、それだけじゃない(笑)。でも私はモノクロが好き。黒や近い色をインテリアに取り入れるから、結果的に家全体の統一感、個性にもなった。ポジティブに捉えるのは割と得意よ!」

スケートボードはカリフォルニアトリップの思い出
「チープに見える」という理由で反対されたOSB木材だが、カロリーヌは高品質の素材をイタリアで発見。本棚や階段など家全体で2トン分を大胆に使用した。本棚には家族の趣味である外国旅行のガイド本が並ぶ
植物の存在感にも引けを取らないイラストは大好きなローカルアーティストBoul Rostan作

色遣いにこだわるフランス人らしく、カロリーヌはインテリアに使用するカラーを3つに絞った。大好きな白と黒に、木のベージュ。そして、アクセントに少しだけ黄色も使用した。

「黄色はオセゴーの砂の色だしね。でも色を限定した一番の理由は、壁や棚にOSBを使ったから。木材の破片で形成されるOSBは1枚1枚に模様がある。そのバランスを計算して他の色の使用は控えたの。OSBを使用することに建築家たちは眉をひそめたけど、環境にいいし譲れなかった」

カラー以外にインテリアにもこだわっている点がある。それはアートやオブジェはできるだけローカルのものを選ぶこと。例えば白壁に黒一色で描かれたイラストは、Boul Rostanの作品。リビングと2階の息子たちの部屋の壁に描かれたアートが、気分を落ち着かせてくれる。ダイニングに飾られたキュートなサーフガールのアートはEncres Marineの作品。階段近くにはChipiron Surfboardsがディスプレイされ、その上にはジュリアンのガン(ビッグウェーブ用のサーフボード)が飾られている。まるで父と息子の絆を表しているようだ。

オセゴーのシンボル、松の実形のランプシェードがダイニングを明るく照らす。貝殻のポットマットはこの夏のバカンス先、タヒチのお土産
部屋の仕切りにカーテンを使用してより広く見せる

「長男のボードはまだ未使用だけど彼は今11歳。近いうちに壁から外されるだろうね。わたしのガンは冬のビッグウエーブ用で、ここから南に1時間ほど行ったバスク地方のリーフで使用している。年に数回しか使わないからボードは新品のようにキレイで、出番がないときはワックスを落としてインテリアの一部として飾ることにした。ガンは長いから置き場に困るという実情も解消できるし、一石二鳥だよ」とジュリアン。

サーフィン好きなジュリアンと海好きなカロリーヌ。2人はオセゴーでハンバーガー屋さんを始め、いま大ブームとなっているクラフトビールも流行る前から手がけていた。地域に根ざした仕事をする中で多くのローカルと知り合い、お互いに協力し合ってビジネスをしている。

南国のテラスをイメージ。テーブルと椅子は地元の社会福祉メーカーに依頼。丈夫な仕上がりに満足
調味料は全てル・パルフェの瓶に入れ替え、美しい陳列に
メキシコの思い出はスクリーンの隣に。愛着ある古い物が家全体に個性と味を出す

「家で1人のときは、2階のヨガルームにいることが多い。砂丘を眺めながら身体を動かしたり、瞑想している。家族がいるときはキッチンにいるのが好き。料理をしながら子供たちがプールで遊んでいる姿を見るのはこの上ない幸せ。家にいるときは最大限にリラックスする分、外ではバリバリ働いているわ(笑)」

この家を建てたことで、インテリアを含めた家づくりに新たな情熱を見出した2人は、数年前から貸別荘業にも進出。ローカルとなった今、ビジターにオセゴーを楽しんでもらおうと精力的な毎日を送っている。その原動力はこのビーチハウスで培われたものだ。

延床面積230平米の大きな家に広い庭。空の広がりを感じられる気持ちのいい空間。リビングの上に来客用の寝室とシャワーを来年増築予定
オセゴー周辺では自宅に屋外サウナを設置するのがブームでカロリーナ家も例にもれず。サウナとプールを往復して「整える」のが日課
リゾート先で気に入ったプール×ウッドデッキを自宅に再現。プールは石造りにし足裏の感触にもこだわった
ビーチのそばに住みながらミニ砂浜をユーモアで設置。家は遊びの場でもあることを表現。ブランコはジュリアンのDIY
無機質だったサーフボード用ストレージに、バスケットゴールを装着し付加価値を付けた。気づけば子供たちはプールかこの周りで遊ぶように

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