1. HOME
  2. LIFESTYLE
  3. サーフィンと“焚き火”料理を楽しむ「人気シェフ・サラ」のロードトリップに密着
LIFESTYLE

サーフィンと“焚き火”料理を楽しむ「人気シェフ・サラ」のロードトリップに密着

LIFESTYLE

オーストラリア最南端に位置する離島、タスマニア。大自然の中でサーフィンを楽しんでは火を囲み、釣りや狩をしながら大家族とワイルドな幼少期を過ごした少女がいた。やがて彼女はオープンファイヤーを自由自在に操り、人々のお腹を満たすプロとなった。



クルマを停めたところが今日のキャンプ地。後部を開けばキッチンが飛び出し、屋根のポップアップを押し上げるとベットが出現


誰もいないたったひとりの海。波と繋がり、互いを理解するように遊ぶ混み合ったビーチでは得ることができない感覚

–{ライフスタイルからLifeを創出}–
「タスマニアでサーフィンをするのって、そんなにお手軽じゃないの。人里離れたポイントも多いし、海上がりにカフェやショップに行くのも一苦労。だから結局食料品と料理器具を積み込んで出かけるような、軽いデイトリップになっちゃうの」
海上がりにビーチで焚き火をし、その火を囲みながらみんなでランチを作る。サラにとっては、日常の何気ないスタイルが世間には新鮮に映ったのだろう。
「旅をしながらサーフィンして、色んな人に会い、インスピレーションをレシピに落とし込んではみんなと食を囲む。これが私の日々であり仕事かな。最高よね」
アウトドアやサーフブランドなど多くの企業からサポートを受け、ブランド向けにレシピを作成する。さらにデモクッキングやワークショップを開催したり、タスマニア観光協会向けにコンテンツを作ったりと多忙な日々をおくっている。そして年、自身のインスタグラムの延長でアドベンチャーの様子をまとめたクッキングブックまで出版した。
「クックブックの撮影中もクルマを脇道に停め、ガスボンベをコンロに繋いでささっとランチを作ったりしたの。そんな様子も撮影したから、普段のありのままの私を収めた本に仕上がったわ。毎日がキャンプとピクニックのようなものだったからね!」
来年にはキッズ向けのアドベンチャー・クックブックも出版される予定だというから、今から楽しみだ。

–{大自然の中での料理}–

大自然の中での料理、そしてできたメニューをみんなで囲むことが大好きなサラ。料理をしているときの表情は終始笑顔だった


アワビとマッシュルームのバター炒め。食材集めからすでに冒険が始まっている。遊ぶことも、美味しいものを作り出すことにも全力


火を見つめているだけで感情が浄化される。オープンエアーでオープンファイヤーは、この上ない贅沢なヒーリング空間を作り出す

–{ハリエットとエイプリル}–
サーフポイントの駐車場に停まった黒塗りのエレガントな四駆。ログ、ミッドレングス、ショートボードが無造作にルーフラックに縛られている。クルマの背後にはガスボンベ、車体のサイドには砂浜や沼地にハマったときに使用するプレートやシャベルが装着されている。屋根はポップアップルーフ仕様で、さっと開いてどこでもテントになるというガチガチのオフロードキャンプ車。これには通り掛かる人の目を完全に奪っていた。大きなオフロードタイヤを装着した車体から降りてきたのは、予想を裏切る女性だった。カントリースタイルのリネンドレスに、足元はブッシュの中もガシガシ歩ける本気ながらもお洒落なワークブーツ、たくさんのアドベンチャーを経験したと思われる使い込まれたフェルトハットから三つ編みのおさげがのぞいている。クルマに続き、降りてきたドライバーで2度度肝を抜かれた。これがサラ、そして愛車のランドローバー・ディフェンダーだ。彼女は愛車に“ハリエット”と名前をつけていた。クルマの話となるとまるで親友のことのようになり、アドベンチャーの相棒として100%の信頼を寄せていることが伝わった。
「ハリエットって、なんだか気の強いエレガントな女の子って雰囲気がしない?」
実はサラは16歳のときから’69年式のワーゲン・ビートルを所有しており、空冷のエンジン音や体全体で感じる振動など、クラッシクカーならではの楽しさを知っていた。
「見ての通り、私はクルマが大好き。ハリエットに出会ったときも一目惚れだったの」。このハリエットでロードトリップを満喫し、オフロード以外の目的地へはビートルに乗り換えるという。“エイプリル”と名付けたビートルのボンネットの中も、もちろんキッチン仕様に。キャンプはディフェンダーでピクニックはビートル。用途によって使い分け、毎日を思いっきり楽しんでいる。クルマとサーフィンと旅と食。昔から好きなことが今のライフスタイルをつくりあげ、それが現在のニーズとぴたりと符合する。パンデミック以降、外で自由に過ごせることのありがたさを、再認識した人も多いと思う。地元の素材を頂くことや、ミニマムな方法で料理をするという基本的なルーツを見つめ直し、疲れきるまで自然と遊び、母なる大地の膝に腰掛けその恵みを頂く。シンプルな欲求に戻ることができれば、足るを知る原点に戻れるはずだ。


エイプリルと名付けられたビートルのボンネットの中は、しっかりとキッチンがセットアップされている。シェフならではのアイデア


ドラマチックに移り変わる空を眺めながら薪をくべる。大空の下で作った料理には、自然からのエレメントが注ぎ込まれている