エシカルライフ特集に込めた想い| HONEY編集長コラム

12月7日に最新号が発売されました。タイトルは「Ethical Life/足るを知る美学」。最近よく聞く“エシカル”を、マインド、考え方、実生活での取り入れ方法、さらに環境に配慮したファッションや動物との関わり方まで、分かりやすく説明しています。まだという方は、ぜひ読んでみてください。

さて、一年を締めくくりには少し早いですが、今年は新型ウィルスによりかつて経験したことがない日々を過ごし、それは未だ現在進行形です。コロナ危機という言葉が生まれ、ロックダウン、移動の制限、経済活動の停止など、世界は完全に変わりました。ただ誤解を恐れず言うと、この変化は悪いことばかりではありませんでした。そのひとつが、地球環境の改善です。中国ではPM2.5などの有害物質の濃度が下がり、インド北部からヒマラヤ山脈が数十年ぶりに見え、イタリア・ベネチアの濁った運河の水は透き通り、底が見えたそうです。私の住む湘南の海も空も、心なしかきれいになった気がします。そう、人はやる気になれば出来ることを証明したのです。コロナは確かに危機ですが、さらに危機的状態にあるのが地球です。なぜ地球危機や環境危機という言葉が、もっと前に出てこないのか? 世界と比較すると、日本人の関心度はまだまだ低い気がします。気候変動や大気汚染、海洋汚染、森林減少とさまざまな問題がありますが、待ったなしのフェーズに入っているのが温暖化。産業革命前の温度から1.5度以内に抑えなければホットハウス・アース状態になり、人類は住めなくなると科学者は口を揃えて言います。私は根っからの文系のため、物理や化学のことは分かりませんが、2030年までに二酸化炭素の排出量を半減しなければ、取り返しのつかない状態になるということは理解できます。では、私たちは何をすべきで、何をしてはいけないのか? その一助になればと思い、今回の「Ethical Life」をつくりました。インタビューさせて頂いた社団法人「エシカル協会」代表理事の末吉里花さんは教えてくれました。
「すべてパーフェクトにできなくてもいいのです。大切なのは正しさよりも心。地球や動物、人に優しく在りたいというその気持ちがあれば、完璧じゃなくても大丈夫です」。
“Progress over Perfection(完璧を目指すより前進しう)”。ありのままの自分を大切にし、動物や海の仲間たちと地球を分かちあいながら、素敵なビーチライフを過ごしましょう。どうかエシカルなこころが、おおきく広がりますように。

HONEY編集長 林芳史

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