地球の守り方を知る旅へ。HOTEL WHYでゼロ・ウェイストについて考える


徳島県の山間の町、上勝町はリサイクル率80%を達成したエシカルマインドが根付いた町。

そこに佇むHOTEL WHYは、世界初のゼロ・ウェイストアクションホテル。

施設内にはホテルのほか、45種類に分別するゴミステーション、地域の人が不用品を循環できる“くるくるショップ”などがあり、ごみに対する意識や疑問を学びながら滞在できるのが魅力的。

ここからは、滞在して体験できる一日の流れをご紹介。

まずエントランスで出迎えてくれるのは、幻想的に光を透すシャンデリア。

使用済みのワインボトルなどのビンや不要になった食器でデザインされたインテリアは、上勝町の取り組みを象徴する存在。

子供はキッズスペースで遊べるのも嬉しいポイント。柔らかな色合いのブロックは、花王による“リサイクリエーション”の一環で制作されたもの。

子供にも自然にリサイクルに触れられる、豊かな空間。

チェックイン時には、ロスが出ないようにチェックアウトまでに使うハンドソープを自ら切り分けたり、必要な量のコーヒー豆や茶葉も計り分け。

「出来る限りゴミは出さないように」「必要なものを必要な量だけ」というゼロ・ウェイストのマインドをここから楽しむことができる。

シャンプー、コンディショナー、ボディソープはエコストアのアイテムがバスルームに用意されているが、歯ブラシなど使い捨てアメニティの提供はないのでパッキングを忘れずに!

アイコニックな赤いホテルの中は、上勝町産の材木が使用されたスタイリッシュなお部屋になっている。

自然が眺められる大きい窓も、町民から提供された窓枠や戸枠を再利用しており、心なしか自然の尊さがより感じる景色に見える。

客室タイプは”レイクサイド”と”マウンテンサイド”の2タイプ、全4部屋。

天井の高いメゾネットタイプで、4名まで一緒に泊まることができるから、家族旅行にもおすすめ。

宿泊した翌朝にゴミステーションで分別体験をするために、お部屋で出たゴミは6種類に分別。

プラスチックマークの有無、生ゴミ、再利用できる紙類、できない紙類などここで大まかに分けておくと、最後45種類に分別する際にとってもスムーズ。

ここまで学びの多い施設は他にないので、ゆっくりと過ごしていこう。

デジタルデトックスや、ウッドデッキでのヨガや瞑想を、少し歩いて道の駅に行ってみたり、夜は満天の星空を眺めたりとスローで人間らしい過ごし方を満喫してみて。

鳥のさえずりが目覚まし代わりになる清々しい朝も、上勝町の魅力。そんな日の朝ごはんは、上勝町内にあるブルワリー RISE & WIN Brewing Co.で作られるオリジナルメニューを楽しもう。

徳島名物フィッシュカツや、新鮮な野菜、上勝名産の柑橘”ゆこう”のアチャールを加えたマヨネーズなど、好みの具材をベーグルにサンド。

その他にもビールの醸造後に出た食材を再利用したナッツグラノーラやヨーグルト、ミネストローネスープがセットになった贅沢なメニューとなっている。

朝食を楽しみ、パッキングも終えたら名残惜しいがチェックアウトへ。

でも、その前に大切なのが、部屋のゴミをゴミステーションで分別すること。事前に分けた6種類のゴミバケットを手に、いざ45種類へ。

実際にゴミの分別を教えて貰うと、生ゴミはコンポストへ、紙パックは裏が白か銀か、プラスチックトレーも白か色付きか、使用済みティッシュやオムツなどの衛生的にリサイクルが難しいものは“どうしても燃やさなければならないもの”へ分けていく。

合っているのか不安になるかもしれないが、スタッフさんが優しく教えてくれるのでご安心を。

また、分別種類の多さだけでなく、新鮮だったのが分別のその先の表示。

分別用のコンテナには回収品目、1㎏あたりの処理費用やリサイクル先まで記載されている。

「処理するのにお金がこんなにかかるなら、なるべく使わないようにしよう」と思ったり、「リサイクルしてもらうためにゴミも綺麗に取っておこう」という意識が芽生えるのを感じる。

整然としたゴミステーションには、ホテル利用者だけではなく町民の方もちらほら。

上勝町にはゴミ収集車がないため、町民も仕事前などに車で持ち込み、分けながら捨てていくのだとか。

宿泊者が戸惑う中、地元の小学生がお爺さんと一緒に訪れ、すいすいと仕分けしていく姿に感激。

「それはリサイクルできるね」と自然に会話をする姿は、私たちが未来へ繋いでいく必要があるものだと考えさせられるものだった。

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