自然を愛する、あの人に聞く。心地よい暮らしを叶えるためのヒント | Vol.23 発酵食


23回目に取り上げるのは「発酵食」。モデル、発酵食・腸活アドバイザーとして活躍する平島多佳子さんを紹介します。

マインドフルな要素が詰まった発酵食

幼い頃から祖父が漬物やキムチを手作りしていたので、自家製の発酵食品を味わうということが生活の一部になっていました。社会人になり、実家を出て発酵食から離れていた時期もあったのですが、その間に体調を崩したことで腸活に目覚めることに。腸内環境・腸内細菌の学びを深めていきました。

そこから腸活を通じて、私たちは菌や微生物に生かされていると実感するようになり、幼い頃よく食べていた発酵食品や和食へと食を戻すようになって。ただ、幼い頃に祖父が作ってくれた発酵食品の味を再現しようとしてもなかなか思うように味が決まらず、何かを足そうとすればするほど懐かしい味とはかけ離れていったんです。

そこで気づいたのが、その人が持つ常在菌や作っている場所、そしてエネルギーによって発酵食品の味は変わるということ。祖父には祖父の菌(味)があり、私には私の菌(味)がある(まさに、お母さんが作ってくれるおにぎりの味、というのもそういうことなのかな、と)。そんな発酵食の魅力にどんどんハマっていきました。

発酵食品から気づかされることは本当にたくさんあって。日々発酵と向き合うことで、自分と向き合ってるなぁと感じます。特に糠漬けは私の体調のバロメーターであり、マインドフルネス的な要素が詰まっているもの。今では生活には欠かせないものの一つになっています。

すでにあるものを無駄なく使い切る発酵食で、サスティナブルな暮らしへ

さらに、発酵食品はサスティナブルな暮らしに通じるところもあると思っています。“自然環境”と大きな括りで捉えてしまうと自分の小ささに何をしても効果がないのでは? と思うこともありますが、発酵食品は日々、お家でご飯を作ったときに出る野菜の皮や余ったもの、少し傷んでしまったものからでも作ることができます。

新しく何かを購入したり、生み出したりすることも必要ですが、もう既にあるものを無駄なく使い切ること、手に届く世界でできることを考えることも、自然環境を守るためには大切なことだと思っています。

発酵食品に触れていると、予想外の発見や気づきがたくさんあります。菌たちの働きは、直接的には見えないので答えがすぐにわからないというのも発酵食品の面白いところ。インターネットが当たり前になっている現代において、情報を得ることは簡単ですが、本来は「見えないもの」のなかにもヒントがたくさんあるはず。

そんなことを感じながら発酵食品に触れ合っていると、「昔の人たちは本当に素晴らしい文化を生み出してくださったな」と感動します。先人の方が残してくれた文化を少しずつ取り入れながら試行錯誤する日常が私にとって心地よく、楽しい毎日につながっています。もちろん自然に触れることも大好き。休日にキャンプへ行ったり、温泉へ行ったりすることも心地よい暮らしには欠かせません。

自分に合った発酵食品を食卓に

日本では昔から発酵食品が活用されてきたこともあり、今でも日常で何気なく使われていることが多いですよね。手作りの発酵食品には旬の素材を使用したものもたくさんあるので、季節を巡りながら手作りの発酵食品を作るのがおすすめ。自分の食卓に使うものの味の変化も楽しめると思います。

まずは自分の腸内細菌を知ることが大切。それによって自分のための腸活ができるようになります! 今は腸内環境を調べるキットが手軽に手に入るようになりましたよね。世間で良いと言われているものが自分にとって本当に良いものかどうかはわからないので、腸内細菌を調べてみたり、ご自身の感覚に従ってみたりしながら、上手に発酵食を日常に取り入れてみてください!

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