Her Wave 海のそばで暮らす彼女の物語#32/Pepä Ivanoff


コスタリカを拠点に中南米を旅しながら、トロピカルな雰囲気溢れるグラフィックアートを壁にペイントするペパ・イヴァノフ。行きたいとこがあればどこにでも行く、そんなフットワークの軽さを持ち合わせエネルギッシュでチャーミングな彼女のライフストーリーをお届けします。
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生まれ育ちはオーストラリアのゴールドコースト。私が幼少期を過ごした’80年代、’90年代のゴールドコーストは、まさに映画『Endless Summer』で見るような夢のような場所だった。高校卒業後グラフィックデザインの学校に通い、デザイナーとしての初めての仕事はオーストラリアのサーフィン雑誌だった。旅、アート、サーフィンをベースにした人生をおくっていきたいと思い、23歳のときにカリフォルニアのサンディエゴに引っ越して8年間過ごした後、コスタリカに移住した。

移住を決めた理由は、これまでにも何度か旅行で訪れたことはあったけど、初めて来た時から何もかもが私の好みで、思い描いていた理想の生活がここで出来ると確信したから。波はもちろん、気候、自然、人の温かさ。私を幸せにしてくれるすべてが揃っている場所だと思ったわ。

コスタリカに住み始めて12年、今はここを拠点にしながら中南米や南米を旅しながら生活している。今はパナマのボカスデルトロ(Bocas del Toro)というところに滞在して、壁にグラフィックアートを描いている。

アーティストとして

両親は私がアーティストを目指すと言うと少し心配していて、「アートは趣味でやるべき」というネガティブな態度だった。そこで、アートの中で最も“仕事らしい”形態と思われるグラフィックデザインを学んで、アナログとデジタルの融合を目指した。

作品のインスピレーションは、旅をすることで得られることが多い。行く先々で見る植物、動物、自然、食べ物、建物、文化、出会う人々などに影響を受けている。トロピカルな場所へ行くことが多いから、私のアートは自然と明るい色や大きな植物、島にいる猿や鳥を描くことが多い。

パソコンとインターネットさえあればどこでも出来るこの仕事は天職だと思う。行きたいとこがあれば、仕事の依頼があれば、波がよければどこにでも飛んでいくわ。

パナマでの生活

私がいま住んでいるボカスデルトロはカリブ海に面した街で、小さな島々が集まった諸島。

島から島への移動手段はボートで、違うサーフスポットに行くのもボートを使って小さなアドベンチャーみたいな感じ。好きなサーフスポットはパウンチとタイガーテイルという場所。この場所は東側に面しているからサーフシーズンは10月から3月頃までで、今がベストシーズン。浅いリーフブレイクがレフト方向に割れるからグーフィーには最高の場所だと思う。透明度が高く、ウミガメや魚が泳いでいる中でするサーフィンは格別。

サーフィンとの出合い

家族の中にはサーフィンをする人が誰もいなくて、だけどゴールドコーストで育ったから周りの友達にはサーファーが多かった。幼い頃は海で泳いだりボディサーフィンをしていて、本格的にサーフィンを始めたのは19歳の頃。当時ゴールドコーストにいたサーファーはみんなかっこよく見えて、「楽しそう!」っていう単純な理由で始めた 笑。12年くらいショートボードに乗っていたんだけど、最近はロングボードにハマってるわ。お気に入りのボードは、8’8”のドナルド・タカヤマのノア・コンプと9’0”のクリステンソン・Cバケット。今年42歳になるから、サーフィンが生活の一部になってもう20年ほど。切っても切り離せない大きな存在。

今一番行きたいサーフスポットは?

セネガル! アフリカ大陸の最西端にあって、あまり知られてないけどサーフィンの楽園と呼ばれている。スウェルが入れば波も大きくなって完璧なチューブにもなる。アフリカの文化や人にも興味があるから、絶対行きたい場所。

夢ややりたいことを探している人々へのアドバイス

20代のうちに人生のすべてを計画しなきゃいけない、自分が何をしたいか分かっていなきゃいけない、なんて思わないで。20代、30代は何が自分を幸せにするか、どこに誰と居たいか見つける時間。旅をしながら新しいことにチャレンジして、自分の内面としっかり向き合ってほしい。自分がやりたいと思ったことは片っ端かから挑戦してみて、色々な経験を積んでほしいわ。

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