
ハワイのママたちはとってもエネルギッシュ。妊娠中もサーフィンやダイビングを積極的に楽しみ、子供が生まれたらまたすぐに海に戻っていく。ハワイの大自然の中で妊娠、出産を経験したワヒネと彼女の海辺の子育てストーリーを3回に渡って紹介。2回目の今回は、フリーダイバー、スピアフィッシャーのキミ・ワーナーをピックアップ。


海に潜っているときが一番、お腹の赤ちゃんとの繋がりを感じられた
パタゴニアのアンバサダーとしても活動する、生粋のウォーターウーマン、キミ・ワーナー。ハワイでの自給自足に近い暮らしの中で培ったスピアフィッシングの技術は、世界大会で優勝するほどの腕前。そんなキミの1歳の息子、バディも生後間もない時から海で泳ぐのが大好きなウォーターベビー。子育て真っ最中のキミのナチュラルな生活を追った。
――ダイビンク&スピアフィッシングはいつごろ始めたの?
私はハイクという小さな町の、小さな家で育ったの。あまり裕福じゃない環境だったんだけど、両親は自然に寄り添いながらシンプルに生活するのが上手だった。私がダイビングやスピアフィッシングをスタートしたのも、パパがご飯を海に獲りに行くのについて行ってたのがきっかけ。5歳からやり始めたわ。自然からいただいた物をみんなで美味しく調理する、素晴らしい環境で育つことができたと思う。
――昔と比べて海の変化を感じる?
5歳の頃から考えると、一番変わったのはサンゴの色ね。サンゴの色がなくなって死んでいくということは、その周りにいる魚の環境、数ももちろん減っていってるわ。
――妊娠中、海辺や海中にいることはどんな効果をもたらしたと思う?
私の周りでは、妊娠中フリーダイビングをしている女性がいなかったから大丈夫か少し心配だった。でも海に入ると、いつもすぐに『今海の中にいるのは私にとって良いことだ』って確信することができたの。私は人生のほとんどをダイビングしながら生きてきたから、海に入ることは一番ナチュラルだし、これ以上ヘルシーなことはないって思えた。もちろん海の中ではいつもより息を止められないから深いところまで行けないけど、海の中にいるということ自体がすごく正しいことのように思えて、ピースフルに感じることができたの。それに、妊娠中一番赤ちゃんとの繋がりを感じられたのも海の中だった。『バディ、ママはこれから潜るわよ、2人でリラックしようね。ママは息を止めるけどあなたは息をしていて大丈夫よ』なんて心の中で会話したりしながら一緒に海に潜っていたの。
――妊娠中、心配なことはあった?
もちろんたくさん、全てのことに対してよ(笑)。私が妊娠で一番学んだことは、母になると心配をするのが付き物だということ。妊娠する前の私はリスクを顧みないタイプの人間だったわ。いろんなことに対してあんまり心配するような性格じゃなかったの。でも妊娠して母親になるってわかってからそれが180度変わった。これから私のするすべてのことがお腹の中にいるこの小さな生命に影響してしまう、私の全責任なんだという気づきから、自分を取り巻くあらゆることに対して心配するように変わったの。それと同時に、母親になると信じないといけないことも学んだ。毎日信頼をしながら心配するということを繰り返してたわ。自分の身体、自分の直感。 今までこんなに自分の心の中を掘り下げてみたことがなかったから、すごく新鮮な感覚。人生のすべてのことに対して、私に、そして私の赤ちゃんにいい影響をもたらすかどうかを考えながら、直感も大切にして生きるようになったの。ダイビングやアクティビティだけじゃなく、毎日何をしたいか、どんな人たちに囲まれたいか、どんな言葉を口から話すか、耳から受け取るか、自分にいいものだけを選択する。妊娠中は今まで生きてきた中で一番神聖で、ヘルシーで、美しい時間だったわ。
――ハワイの生活は、子育てや家族にとってどんな影響がある?
ハワイは海がすぐ側にあるから、息子を自然の中で育てられる。素晴らしい環境だと思うわ。家の中だけで小さなわんぱくの赤ちゃんにお楽しみいただくのは大変よ(笑)。磯や砂で遊んだりする姿はとても楽しそうだし、ハワイは天気に恵まれているから、彼の心にもとても良い影響を与えていると思うわ。
――育て方について、夫婦で決めていることがあれば教えて。
2人で決めたのは、できる限り息子をアドベンチャーやトリップに一緒に連れて行くこと。去年はアラスカに行ったんだけど、サーモンを釣りに行くボートにもダイビングに行くボートにも一緒に乗せたの。もちろん息子が生まれる前と全く同じ生活ではないけど、生まれてからも自分たちのパッションは諦めないようにしている。彼にもそうやって生きて欲しいから、私たちの姿を見ながら育ってくれればと思ってるわ。





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