憧れのハワイが「日常」の美しい4人の女性たち|女性写真家タネイ・ロイの感性がとらえたその姿とは?

美しいオアフ島ノースショアを“ホーム”と呼ぶ4 人のクリエイティブな女性たち。ハワイの波音と自然にインスパイアされて生きる美しい彼女たちのあるがままの日常を、女性写真家タネイ・ロイの感性がとらえる。



The girls who call “The North Shore” Home and their daily lives.

ハワイ・オアフ島。高層のコンドミニアムが立ち並ぶサウス、そこはまさにハワイの観光の中心地として栄えてきた。その反対側に位置するノースショア。サウスとは対照的に昔ながらの民家や原風景が残り、スローなアイランドタイムが流れている。そんな長閑なノースショアも冬を迎えると大きなスウェルが入り、“ザ・セブンマイル・ミラクル”と称される11キロにも及ぶサーフエリアが姿を表す。世界中のサーフメディアは最初のウィンタースウェルが届くとトップニュースを打ち出し、ノースショアのシーズン幕開けを知らせる。毎年コンテストも行われ、世界中からトッププロが集結。地元で育った有名なサーファーたちの名前もずらりと並び、エリア全体がサーフカルチャーそのものに昇華する。

うねりと共に人が押し寄せ、うねりと共に人が去るこの地を“ホーム”と呼ぶ4人の女性たちがいる。ため息が出るような美しいロケーション、常にサーフィンのメッカとして君臨するノースショアを目の前に生活を送る彼女たちの“いつもの”1日は、私たちにとって少し非日常的で、どこか夢のような世界だった。波の上ではしゃぐように踊り、山のように押し寄せるスウェルに体を揺らし、故郷に里帰りするようにイルカやエイと泳ぐ。ときには幻想的なサンセットに見惚れ、熱帯雨林のジャングルに心と体を委ね、色とりどりのトロピカルフラワーで着飾る。オアフ島からの贈り物が彼女たちの五感を常に刺激する。そしてサーフシーズンがオンになれば多くのメディア関係者やサーファーたちが最先端の情報と共にノースに集まり、情報交換を始める。世界中どこを探してもノースショアのような場所はない。モダンとメローなアイランドライフが入り混じったノースショア。そこで暮らす彼女たちの日常を切り取る。

今回の撮影を担当したのは、ノースショア出身の女性フォトグラファー、タネイ・ロイ。カリフォルニアのアート系サーフマガジンでフォトグラファー兼エディターとして経験を積み、最近ファミリーホームのあるノースへ戻ってきた。ここ数年でぐんぐんと頭角を現し始めている注目の女性フォトグラファーだ。そして被写体となってくれたのはローレン・フローレンス、ロージー・ジャファーズ、シェイエン・カナニ、そしてマヒナ・フローレンスの4人。

サーフィンに詳しい人なら、“フローレンス”と聞いてピンときた人もいるかもしれないが、ローレンは世界チャンピオンでカリスマサーファー、ジョン・ジョン・フローレンスの奥様。元々はオーストラリア出身のモデルだが、ジョンとの交際をきっかけにノースショアへ移住した。モデルらしい顔立ちとスタイルとは裏腹に、性格はとにかく明るくて気さく。飾らない人柄は誰からも愛されるキャラクターで、すっかりノースショアに馴染んでいる。ここ最近はジョンと始めたオーガニックファームで過ごすことが多い彼女。普段あまりメディアに出ない彼らのプライベートストーリーを語ってもらった。

ノースショアを代表するプロロングボーダーのロージー・ジャファーズ。ププケア出身の根っからのローカルサーファーガール。スムースなライディングスタイルは、海の中でも一際目立つ存在。クロスステップでノーズまでいき、軽々とハングテンを決める姿はまさにダンサーで、ボードの上で踊っているかのようだ。コンテストサーファーとしてではなく、敢えてフリーサーファーとしての道を歩んだ彼女。パートナーでフォトグラファーのケオキと暮らすサーフシャックへ招待してくれ、プロになるまでの道のりを語ってくれた。

シェイエン&コーラル・カナ二親子は生粋のハワイアン。娘のコーラルちゃんは、海から回収したプラスチックゴミで作ったチューブ(トンネル型の波)で撮影した写真が有名になったので、ハワイ好きや環境問題に関心がある人は目にしたことがあるかもしれない。母のシェイエンは自然保護活動や伝統文化を伝えるアクティベスト、そして海をこよなく愛するウォーターウーメン。環境や自然との関わり方を、コーラルちゃんにしっかりと教えている。今回は彼女たちの特別な場所、そしてトラディショナルなハワイアンレイの制作現場を見せてもらった。

そして最後はマヒナ。昨年の11月にジョンの弟でビッグウェーバーのネイザン・フローレンスと結婚したばかり。父はハワイ初のブラジリアン柔術世界チャンピオンのカイ・ガルシア。「わたしにとってフィットネスは、なくてはならないもの」というマヒナは、その名の通りフィットネスモデルとして活躍中。アクティブでストイックなところは父譲りかもしれない。モデル仕事が多忙な中、今年、自身でデザインしたサステイナブル・スイムウエアブランドをローンチした。忙しい毎日を乗り切るための健康の秘訣と、夢を追って頑張る女性たちにメッセージをくれた。


4人をドキュメントしたフォトグラファー、タネイ・ロイの世界

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