
6回に渡って特集する「Food Retreat」企画。2回目の今回は、前回に引き続きアーユルヴェーダを紹介。春のエネルギーバランスを整えてくれるレシピを4品紹介していきます。
AYURVEDA
消化力をアップして不要なものをデトックス
「ドーシャ」の3種類のエネルギーをどれくらい持って生まれてくるかで人の体質は異なるが、さまざまな要因でそのバランスが日々変化していくというのは前述のとおり。ドーシャはサンスクリット語で「体質」「病素」と訳され、バランスが崩れると病気のもとになる可能性があるので、意識してケアしていこう。
ドーシャは命あるもの全てが持っているため、私たちを取り巻く環境にもドーシャが存在し、季節ごとに増えやすいドーシャがあるということも知っておきたい。冬から春はカパが増えるので、大気からの影響を受けて人の体もカパを増やしやすくなる。ドーシャはそれぞれ、ヴァータは「移動、伝達」、ピッタは「消化・変換」、カパは「維持・固定」の力をもつと言われ、カパが増えすぎると人の体は余計な脂肪や水分をため込みやすくなる。それにより鈍重感や停滞感が生まれ、痒みやアレルギー症状、呼吸器の乱れなどが現れやすいと言われている。だから春は花粉症や蕁麻疹、喉の風邪をひきがちに。太りやすくなったり、お通じが緩慢になったりもしやすい。
アーユルヴェーダでは増えやすいドーシャの原因を断つことで自然と不調を治すことができるとしているので、春はできるだけこのカパ的な「余計な重み」を解消できるよう予防することが大切。味方になってくれるのはデトックスを助ける「苦味」や、ぼんやりした身体に程よい刺激を与える「辛味」。旬の山菜やハーブ類、スパイスならフェヌグリークや胡椒をとって。逆に白砂糖を使った甘いものや、生クリームやアイスなど重たく冷たい油脂分は避けるようにしよう。
余計な脂肪をためにくくしてくれる
非加熱のはちみつレモンとコリアンダー漬け
材料(作りやすい量)
無農薬レモン 2個
非加熱のはちみつ 250g
コリアンダーシード 小さじ1
作り方
1.レモンを薄くスライスする。
2.煮沸消毒した瓶にレモンとはちみつ、コリアンダーシードを交互に入れて漬ける。
3.最低でも半日漬けてレモン汁でシロップ状態にする。
4.コップにシロップを15cc入れ、水300cc程度で割る。
※加熱してしまうと意味がないので、必ず常温の水を使って。

カパが増大している今の時期、甘いものは避けたほうがいいけれど、疲れたときなどはやっぱり欲しくなる……。そんなときは、唯一採ってもOKな甘味、非加熱のはちみつを使ったドリンクを。脂肪除去の効果もあると言われているので、ダイエットにも最適。体の熱を冷ましてくれるコリアンダーシードを合わせて、爽やかな飲み口に。
蕪が胃腸を休め、長胡椒がむくみを解消
もち麦と蕪の優しい白いスープ
材料(2人分)
もち麦 10g
蕪 1/2個
ギー 小さじ1
岩塩 小さじ1/2
長胡椒粗挽き 少々
作り方
1.皮をむいてスライスした蕪と、もち麦を水とともに鍋に入れて、弱火にかける。
2.蕪に透明感が出たらハンドブレンダーで撹拌し、 岩塩とギーで味付けをする。粗挽きの長胡椒をパラパラとかけて仕上げる。
キャベツの食物繊維が胃腸の働きを助ける
キャベツのくたくた煮
材料(作りやすい量)
紫キャベツ 1/8個(普通のキャベツでも可)
ジュニパーベリー 小さじ1/2
ディル 小さじ1(クミンシードなどでも可)
ココナッツオイル 大さじ1
ココナッツファイン 20g
岩塩 小さじ1
水 適量
作り方
1.紫キャベツは千切りにし、軽く塩をしてもみこみ、30分以上置いてしんなりさせる。
2.フライパンにココナッツオイルをしいてあたため、軽くつぶしたジュニパーベリー、ディルシードを加えて香りをたてる。
3.軽く水気を切った1を加えて、オイルを和えるようにして炒め、ココナッツファインを加えて混ぜる。水をひと回しかけて蒸し焼きにする。
4.岩塩で味付けをする。
大豆でカパを鎮静、よもぎの苦味でデトックス
大豆ミートとよもぎのドライカレー
材料(2人分)
大豆ミート(ミンチタイプ)30g
玉ねぎ 1/8個
セロリ 1/4本
にんじん 30g
水 30cc
ギー 小さじ2
〈よもぎペースト〉
乾燥よもぎ 5g
ココナッツファイン 8g
クミン 2g
フェンネル 3g
〈パウダースパイス〉
ターメリック 2g
コリアンダー 4g
カイエンペッパー 耳かき一杯くらい
岩塩 小さじ1
作り方
1.お湯(分量外)をボウルに入れた大豆ミートにそそぎ、ふやけるまで置く(★)。
2.玉ねぎは薄くスライス、ニンニクと生姜はみじん切り、ニンジンとセロリは5mmのダイスカットにする。
3.よもぎペーストを作る。ココナッツファインを鍋でから炒りにし、きつね色になるまでローストする。ボウルにローストココナッツ、よもぎ、クミンとフェンネルを加えて、水を60ccほどそそぎふやかす。しばらく放置してからミルで撹拌する。
4.フライパンにギーを熱し、ニンニクと生姜を加えて香りがたったら、 玉ねぎと人参、セロリを加えてしんなりするまで中火で炒める(※)。
5.★をざるにあげて水気を切り※に加えて軽く炒め、混ざり合ったら弱火にし、パウダースパイスと岩塩を加える。
6.さらに、よもぎペーストを加えてざっと混ぜ、水30ccを加えて野菜に火が通るまで炒め煮する。

ドライカレーにはキャベツ煮のほか、青菜の和え物という意味のスリランカのサラダ「サンボル」、ガスを抜き体を温める長ネギのアジョワン炒め、旬の野菜をたっぷりのオイルで蒸し焼きにした温野菜サラダ、スパイス卵、消化に軽い古米とカパケアに良いハトムギご飯を添えて。食前に食べると消化促進になる基本のアーユルヴェーダフード、生姜もひとかけ。リラックスできるスープは気疲れしたときにも。
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