
未来をつくる毎日の食事は、身体や心を健やかにしてくれるだけでなく、地球にもやさしいもの選びたい。そこで、HONEY編集部が、今気になるオーガニックフードの裏側にまで迫る連載をスタート。生産者さんたちの商品へのこだわり、想いまでをお届け。それぞれのフードに秘められたストーリーを知って、日々の暮らしをもっと豊かなものに。
「You are what your eat(食はあなたの身体と心の健康そのもの)」。大地に寄り添ったオーガニックフードを毎日に取り入れて。
第5回は、素材本来の味わいが楽しめる、EVANGENEOのデーツ「7DATES」をピックアップ。
本来の姿、味わいを受け継ぐ

中東の地に根づく自生しているなつめやしの実「7DATES」を、日本で初めて商品として取り扱うEVANGENEO。そのデーツを扱うことになったのは、原産地で食べたデーツの味わいがきっかけだったのだそう。
「もともと、フードプランナーとして、講師やレシピ考案・開発、ケータリングなど様々な角度から食に関わっていたのですが、食の本質リテラシーが見えづらくなっていることに違和感を覚えはじめて……。そんなときに、出会ったのがデーツだったんです。日本国内に流通しているものと、現地の人々が”デーツ”と言い表すものが全然別物で。食本来の姿や味わい、そして世界中の無添加、鮮度ある食材、非加工である自然のおいしさをデーツを通じて改めて魅せられたんです。そんな私が受けた衝撃的な感動を、多くの人に伝えたいと思い、つくったのがこの商品でした」
と語ってくれたオーナーの中村さん。
400種類あるデーツの品種から、時間をかけて選び抜いたのが「7DATES」という品種だったのだそう。品種が決まっても大変だったのはそこから。
「輸送コストがかかっても、鮮度を守る大きな役割の生命線である”種”は現地で食べられているものと同じように、本来のおいしさを維持したままお届けすることが最大の目的。いろいろと試行錯誤し、生産者にお願いしてから2年と7カ月が経った2019年からようやく発売できるようになりました」
そんな7DATESが、他のデーツと大きく違うのはその味わい。ジューシーでしっとりとした食感に、深いコクのある黒糖やキャラメルのような風味。カリウム、マグネシウムも豊富で、むくみ予防やデトックスにも効果があるんだとか。
このデーツを食べることが、レバノンの人たちを支援することにもつながる。紀元前6千年頃から食べられている「7DATES」から、意味のあるおいしさを追求できるのもうれしい。
環境を配慮したエシカルなパッケージに込めた想い

さらに注目したいのがパッケージ。環境を配慮したエシカルな紙素材包装のパッケージに、一粒ずつキャンディー状に包まれたデーツ。そこにもこだわりがあると言う。
「パッケージに大量に入ったものではなく、必要な分だけを。一つ一つ紙に包まれたものを食べるという行為は手間がかかるからこそ、そこに費やす時間に意味と価値を見出してほしい、自分と向き合う時間をつくってほしいという意味を込めています」と話してくれた中村さん。
オーガニックに懸ける想いについても聞いてみたところ……
「オーガニックが何か特別なことだというより、ありのままを受け入れるというマインドが、オーガニックにつながるのではないのかな、と。すでにあるもの全てに、魅力というものが存在していると思うのですが、その魅力を生かし、”在るものからできるモノをいただく”ことが、自然のまま、ありのまま、結果オーガニックにつながるという気がします。特別なことをしない、自然に身を任せるという生き方が、食の選択にもつながってくる。だからこそ、加工していない自然のありままの姿、本質に目を向けてもらえるよう、このデーツを選んだという背景もあります」

そんな熱い想いが伝わってか、発売当初より有名シェフの方々から支持されてきたという7DATES。ミシュランレストランのスペシャリテ、グランドメニューとしても取り入れられているのだそう。
もちろん、自宅でも気軽に味わえる。粒粒とした食感がキャラメルのように楽しめるスムージーに、カカオと合わせたトリュフ、パウンドケーキ、サラダのアクセントとしても。さらに、種を取り除いて無糖のピーナッツバターや好みのナッツを挟むだけでもおいしく食べられるんだとか。ぜひ自分好みの味わい方を見つけたい。
食材本来の味わいをそのままに。自然の恵みをありのままいただく、暮らしのなかにちょっとした贅沢な時間をつくってみよう。