
いつも目の前に海があった。そのきれいな海を子供たちにつなげていきたい。音楽を通して海と向き合い、夢を見せてあげたい。未来につなげる活動を熱く語ってもらった。
HONEY(以下、HN):高校2年で結成して21年、14枚目となるアルバム「HANAMEI」を2月にリリースしたHY。沖縄の海が目の前にある環境で生まれ育ったそれぞれの、海とのつながりを教えてください。
新里英之(以下、H):実家から歩いて1分のところに海があったので、小さい時から遊び場は海でした。海の生き物を通して命の尊さを、またカニ漁師だった祖父について漁に行くことで、生き方を学びました。
仲宗根泉(以下、I):子供の頃よく家族で無人島に行き、本格的なキャンプをしました。衣食住の大切さはもちろん、ウミガメの産卵に立ち会うことで命の大切さを学びました。また友達と海で集まり、画用紙に自分のネガティブな部分を詩に綴って発表し、嫌な気持ちを水に流すこともやってました。
名嘉俊(以下、S):昔から家族写真のほとんどが海です。海で遊んで、そのままシャワーを浴びて、歯磨きして寝る。夕ごはんをお弁当にしてビーチに持っていき、ゴザをしいてワイワイ食べたり……。そんないつもの生活に海がありました。
許田信介(以下、SH):小学生の時に海で溺れかけて、それから海が大嫌いになりました(笑)。大人になってから何とか克服しようとメンバーとサーフィンに行き、それから海が大好きになりました。今では潮風がないと落ち着かないくらいです!
HN:いまだ大変な時期が続いていますが、アルバム制作に影響はありましたか?
I:時間ができたおかげで自分とも音楽とも向き合え、マイナスになりがちな気持ちをプラスに変え、それをアルバムに込めることができました。
H:より自由に音楽と向き合えたし、それぞれの個性が輝き、1曲1曲に思いを込めて作れました。脂が乗った自分たちを聴いてもらえると思います。
S:じっくり書き上げることができた分、すごく悩みもしましたけれど、本当に作ってよかったと思えるアルバムになりました。
SH:時間に余裕があったことでメンバー間のコミュニケーションも取りやすかったし、1曲に時間をかけることができたのがよかったです。
HN:たくさんあるHYの曲から、海辺で聴きたいおすすめの曲は?
S:日が暮れ、星が見え始めた頃に聴いてほしい『ココロホシゾラ』(最新アルバム収録)です!
H:海に行くと思いだす『BLUE』(アルバム『CHANCE』収録)。海を眺めながら「こうしてこの曲が生まれたんだな」って感じてもらえると思います。
I:夕暮れの海辺で仕上げた曲ですが『愛しあって許しあって』(アルバム『LIFE』収録)。もう会うことはないけど、元気にしてるかな? という愛のある歌です。
SH:『車に乗って』(最新アルバム収録)ですね。沖縄は車社会なのですが、どこを走っても似合う曲です。
HN:音楽活動と共にみなさんが大切にしている、EarthをHYで包んだ造語の「HeartY活動」について、活動のきっかけや思いを聞かせください。
S:釣りをしている時に魚が減ったと感じたり、先代から受け継いだきれいな海を未来につなげていきたいと思ったのがきっかけでした。環境破壊、地球温暖化とテーマが大きすぎて何からやっていいか分からなかったし、自分たちがやって変わるのかと悩みました。でも、小さなことが集まれば大きな力になり、すてきな未来が待っているはずだと考えたんです。
H:ビーチクリーンは目標を決め、子供たちやファンのみなさんと一緒にやることで楽しくできます。自分自身、マイクロプラスチック問題を学ぶきっかけにもなりました。ビーチクリーンの後、砂浜に絵や夢を描く„シーアート"も行っています。
SH:ボランティアのみなさんに「参加してよかった、ありがとう」と言われることが一番うれしいですね。海外から漂流したプラスチック製品を手にとって、自分たちのゴミもどこかの国に流れ着いているのか考えたり、気づきの場になりました。
I:きれいになったビーチで遊べることは、子供たちに„自然を大切にしようね"と言葉で言うよりも伝わりますね。拾った流木で作品も作っています!
HN:再々延期でついに今年12月開催(予定)となったライブイベント「SKY Fes」のことを教えてください。
S:この大変な状況下で中止にすることなく、やる! という絶対熱量が変わらないのは、子供たちに夢を発見する場を作りたいからです。出演者・来場者のみなさんと、世代を超えてつながることができたらと思っています。
H:小学生の時に参加した野外フェスの衝撃は、今でも覚えています。音楽の力でひとつになる瞬間を体験して、思い出に残る瞬間を作ってあげたいです。
I:夢を持つことの大切さ、叶えたいという強い思いがあれば実現できることを伝えたいと思います!
SH:前夜祭、当日2日間を通して、沖縄で一番大きい夢が生まれるフェスにしたいと思っています。

14枚目アルバム。花咲く・花笑うように、このアルバムを受け取った方が笑顔になるようにと想いを込めた作品
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