プロサーファーの現在地 vol.1/東京・自由が丘にオープンしたサーフブティック『ROAMERS & SEEKERS』を大解剖!

湘南生まれでずっとサーフィンが身近だったプロサーファーの武藤龍寿さんと、東京を拠点に活躍していた小高恵子プロ。武藤さんは最近東京にサーフブティック、そして湘南にサーフクラブをオープンし、独自の視点でサーフィンの魅力を伝えている。一方小高さんは30代でサーフィンに出合うとその魅了にどっぷりハマり、現在もコンテストの第一線で活躍している。互いに信頼を寄せる2人に、サーフィンに対する想いとこれからのヴィジョンを3回にわたってインタビュー。vol.1となる今回は、こだわりのサーフブティック『ROAMERS & SEEKERS』を大解剖します!


ROAMERS & SEEKERS/放浪者と探究者」
そんな名前のサーフブティックが昨年末、東京・自由が丘にオープンした。波は常に移ろい、変化していく。それはファッションでも同じこと。時には自分の人生も。
オーナーはプロサーファーの武藤龍寿さん。
湘南で生まれ育った彼は幼少期の頃から海とサーフィンに親しんできた。当たり前に上手いサーファーを見て、プロという世界も身近だった。「でも、コンテストは苦手なんですよね」彼はそう言って笑う。

ある時、彼は思い立ってカリフォルニアへ旅に出た。
数ヶ月間、クルマで寝泊まりする日々。場所はカーディフで、ジョエル・チューダーやロブ・マチャドのホームタウン。海の目の前にクルマを停めて寝て、朝目覚めて、美しい波を見る。それはサーフィンの純粋な喜び。彼が求めるサーフィンは、そんな形だったのかもしれない。

「ショップでは自分が本当に欲しいと思うものだけをセレクトしています」
武藤さんの個性を感じる、こじんまりとした素敵なお店。海外の雰囲気を纏った店内にはジョエル・チューダー、息子のジョシュ・チューダーなどのパーソナルボードがラインナップ。もちろんジョエルが展開する「THC Surfboards」の種類も豊富。
なかでも一押しは、彼自信も愛用するカリフォルニアのシェイパー「マイケル・タカヤマ」だ。その名前を聞いてピンときた人もいるかもしれないが、そう、ドナルド・タカヤマの甥っ子で、強い関心を持って自からアプローチした。

「良かったらお茶を飲みませんか?」
淹れてくれたのはホーリーバジル。アーユルヴェーダには欠かせない薬草で、心と体を癒す効果が。お店で扱っているのは群馬県の尾瀬で作られている天然のもので、優しい香りに心身ともにリラックスできる。
カリフォルニアで見つけたセンスのいい石鹸や、タイダイ染めが魅力のフィラデルフィアの「Riverside Tool & Dye」、感度の高いロングボーダーの間で話題のNY発の動画『LOGRAP』のアイテムなど、オリジナリティ溢れる品揃えで最先端のサーフカルチャーを伝えている。ちなみに湘南にオープンしたサーフクラブ「R & S SURFCLUB」では、湘南で唯一『LOGRAP』の最新作の上映会を行う予定だ。

「ボロボロのウェットスーツを着てサーフィンをするライアン・バーチのハングリーさに影響を受けました。僕もノーズが壊れたボードに乗って、しつこく海に入っていました。確か10代後半の頃だったと思いますが、自分の感性と似ているなと思って好きになりました」
プロサーファーならもっと発信力があるはず。彼がプロの道を選んだのはそんな理由。時に激しく、そして自由に。自分らしく生きる彼の想いは、多くの人たちにカリフォルニアの魅力やサーフカルチャーを伝えること。プロとしてコンテストで戦うことに強いこだわりはない。

「次世代に携わりたいし、その環境作りにも関わりたい。自分がカリフォルニアで見た世界を伝えていきたい。それがお店を始めた理由かもしれません」
オープン当初からサーフボードのサブスクを取り入れており、レッスンを受ける人に好きなボードを選んでもらい、ボードの特徴を伝えながらさまざまなアドバイスをしている。サーフィンを純粋に楽しんでくれるのが嬉しいのだ。

あ、かわいいボードケース! ふと手にした「MATOFU」は、ファッションが大好きな日本人サーファーのハンドメイド。
最近はスケートボードをリサイクルした「ODAYACO」のワックスリムーバーも取り扱い始めた。すべて自分の感性と足で見つけた逸品ものばかりだ。

「このボードは女性におすすめです!」見せてくれたのは「THC Surfboards」のメサイヤ。ドナルド・タカヤマの名作「モデルT」の原型となったテンプレートを用いたボードは、サンディエゴブルーを使ったブルーメサイヤというモデルが有名だが、こちらは女性らしいカラーリングが特徴の一本。メサイヤの意味は救世主。つまり万能で、ノーズライダー向きのデザインながらターンも自由。固定概念を覆えすボードなのだそう。

サーフィンって本当に素晴らしいですよね。笑顔でそう話し始めたのはパートナーの小高恵子さん。彼女もまたプロサーファーだ。この話の続きはvol.2で。

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