僕らが“サーフィンの美しさ”を感じるとき | OUR “SURF BEAUTY” MOMENT 前半

「あなたにとって“サーフィンの美しさ”とは?」そんなシンプルだけど深い質問に、サーフィンと海に魅了された人生を送る14 人のサーファーたちが答えてくれた。彼らの目に映り、体験し、心と身体に刻み込まれている感覚を自身の言葉で述べてもらう企画第一回。彼らの感性に触れて。


PRO SURFER
SHIGEAKI SHITO

女性の優雅なライディングスタイル
「サーフィンをしている姿、ライディングスタイルに美しさを感じる。特に女性の場合、フィッシュやミッドレングスのシングルフィン、ロングボードを選べば、リラックスして優雅に乗っているだけで女性らしく、かっこよく映るもの。優しいラインどりと、流れるようなサーフィンがより美しさを強調するのだと思う。カシア・ミドーやベリンダ・バグスのしなやかなライディングが理想的」©Jason Hsu


PRO SURFER
NATSUMI TAOKA

パワーを与えてくれる自然に囲まれて
「サーフィンは自然と深く関わっているスポーツ。そこには普段の生活では見ることのできない美しい景色が広がっている。私は朝イチにサーフィンをして、海の中から日の出を見るのが好き。早起きして海に行くことが、いい1日のスタートになる気がするから。サーフィンをしている時には嫌なことや悩みをすべて忘れられて、太陽、海、空などの自然からたくさんのパワーをもらえる」


PRO SURFER
CJ NELSON

マヤの魂が与えたパーフェクトウェイブ
「メキシコのある浜辺にいたとき、急にストームが発生しサーファーが全員海から上がった。しばらく友人と浜で様子を伺っていると、雷雨と共にポイントの上空で吹き荒れていた谷からの風が突然オフショアに変わりパーフェクトな波がブレイクし始めたんだ。この土地の山々は古代マヤの埋葬場所になっていて魂が往来していると聞いていた。僕らは雷が鳴り響く中、2人きりでサーフィンを楽しんだ。不気味で電撃的な時間だが美しかった」


PRO SURFER / PAVILION SURF OWNER
KAORI MAYAGUCHI

身体に刻まれる海からの刻印
「自分の身体に刻まれる海からの刻印は愛おしく美しい。日に焼けた肌、潮焼けした髪、色素が薄くなった目、波乗りしていれば自然についてくる筋肉。海に夢中になっている女性はその目を見れば分かるし、そういう人たちはいくつになっても美しい。歳が増すごとに美しさに厚みもでてくる。また海と繋がる時間が増えることで、人や物事に対して「美しい」と感じる心が成長していく。海と接することで「美」を感じるバロメーターが上がる」


PRO SURFER
KASSIA MEADOR

水に反射した光と触れ合う時間
「サーフィンで得られる感覚は、そのすべてがスピリチュアル。水が作り出す波のエネルギーに乗る機会、そしてリアルタイムに“クリエイション”を感じる機会でもある。特にサンセットは海を感じられる美しい時間帯。その黄金の光は、崩れた波の水のしぶきに反射し、動きの中にある純粋な美しさを感じることができる。これはサーファーだけじゃない。サーフィンをしない人だって、ゴールデンタイムに海にいれば感じられるもの」


PHOTOGRAPHER
YASUMA MIURA

サーファーの心と身体、すべてが美しい
「サーフィンを始めると、朝早く起き、体を動かすのでよく食べ、疲れてよく寝るようになる。太刀打ちできない自然の力に直面すれば自分の小ささを痛感し、負けない身体を作るためのトレーニングをしたり食事を考えたりする。たくさん旅をして人や素晴らしい景色と出会うことも。自然から得たものが心と身体に宿る僕はそんなサーファー自体を美しく魅力的に感じ、彼らにレンズを向け続けてしまう」


ARTIST
LIZZY

サーフィンは人生そのものを表している
「サーフィンをしている最中は他のことを考える必要がなく、ただセットを待って、ベストなポジションがどこなのかを探っていればいいだけ。私たち自身も自然の生物として、大きな輪に組み込まれていることを静かに感じる。ただし、海の中で受身のムードでいるといい波を逃したり、大きなセットにやられてしまうことがあって、ときには能動的な動きが必要。サーフィンの美しさは、人生そのものを表しているところだと思う」

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