僕らが“サーフィンの美しさ”を感じるとき | OUR “SURF BEAUTY” MOMENT 後半

「あなたにとって“サーフィンの美しさ”とは?」そんなシンプルだけど深い質問に、サーフィンと海に魅了された人生を送る14 人のサーファーたちが答えてくれた。彼らの目に映り、体験し、心と身体に刻み込まれている感覚を自身の言葉で語ってもらう企画第2回。彼らの感性に触れて。


LEPIDOS DESIGNER
MARIKO SOYA

サーフィンをまっすぐに愛するキモチ
「サーフィンの影響で体型の変化もあるし、心の変化もあるけれど、サーフィンに出会ってしまったからには、それは避けて通れないこと。サーフィンへのまっすぐな愛を深めていくしかない。いくら肩や腕の筋肉がムキムキになっても、すぐそこに良い波が来ていたら、気にせず笑顔でパドルする。『ムキムキしててやだわーっ』なんて笑いながら波を追いかけるなんて、最高にチャーミングで美しい姿だなあと、わたしは思う」


PRO SURFER
MELE SAILI

サーフィンを通じて支え合う女性たちの姿
「数年前、マリブのファーストポイントで開催されたあるウィメンズロングボードコンテストに招待された時のこと。ヒートの直前に、参加者のひとりに一本の電話が入った。彼女の親友が亡くなったという悲しい知らせだった。それを聞いた私たちは、4人でパドルアウトして、皆で1本のオープニングウェイブに乗り、その女性と亡くなってしまった友人に捧げたの。愛に包まれていたこの波は、私の心にずっと残っている」©Roly Gomez


PRO SURFER / BONS CASA DE VERANO OWNER
YUKO SHIMAJIRI

いつも海にいるからこそ出会える景色
「サーフィンをしていないと出会えない景色がある。夏のスコールが止み、晴れた瞬間に海にかかる虹。これは幸せな事が起こる前触れ。雪が降る寒い日には海から湯気が立つことも。なんて幻想的な光景。サンライズとサンセットの時間にはうっすら暗い中にツルンとしたオイリーな水面に太陽が焼けている。そんな切ない海も大好き。雨の海、雪の海、早朝の海、夕方の海、サーファーだからこそ出会える美しい瞬間」


PHOTOGRAPHER
PEDRO GOMES

波の持つアディクティブなエネルギー
「サーフィンの美しさは自然との対話、触れ合い。日ごとに変わる自然のコンディションと向き合い、自分自身と海のバランスを探ることがすべてである。波から生まれるエネルギーは言葉で説明するのが難しいけれど、一度体験するとその欲が尽きることはない。僕の場合、若い頃にボディボーダーやボディサーファーとしてその感覚を味わった後、水中フォトグラファーという職業に身を置き、今もなおそれを体験し続ける生活をしている。完全に虜だね」©Pedro Gomes


PRO SURFER / YR OWNER
YUTA SEZUTSU

それは、生きることと等しい美しさ
「波に乗った時に感じる得体の知れない爽快感は、サーファーが波に生かされている瞬間とその感情。心から人に優しくされたとき、誰かにもそうしてあげたいと思うでしょう? 気持ちよく波に乗れたときは、誰かにもそれを教えてあげたいでしょう? そんな素晴らしい瞬間と感情を、独り占めにするのか、シェアするのか。いずれにせよ今日もどこかでウネリは誰かを乗せている。美しい。まさに生きることと等しい美しさだ」


ACTRESS
NICOLE ISHIDA

海は自然と力が抜けるようになる場所
「海に行くと解放される。最近サーフィンを始めて、はじめは楽しさよりも板の上に立つことに集中していたけれど、一度ふと力が抜けたときに、波や自然と一緒にゆっくり時間が過ぎていくのを感じてとても心地よかった。その瞬間、“パーンッ”と気持ちが軽くなったのを覚えている。海に近い人や海が好きな人は芯を持ち、よく笑い、そして自分の時間を持っている。その“自然に力が抜ける感覚”を、サーフィンを通してもっと感じていきたい」©MACHIO

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