妊娠10ヶ月まで海に潜り、ボートの上で出産|妊娠7ヶ月のキミ・ワーナーが、韓国チェジュ島に惹かれたわけ

ハワイの大自然の中で妊娠、出産した女性たちの子育てストーリーを3回に渡って掲載。今回は昨日投稿したキミ・ワーナーのサイドストーリーを紹介。素晴らしい映像と共にお楽しみください。


フリーダイバー、スペアフィッシャーとして幼い頃から海に寄り添った生活をしてきたキミ・ワーナー。妊娠中もダイビングを続けていたキミは、7ヶ月になった頃、念願だった韓国・チェジュ島の海女さんの元を訪ねる。韓国の海女さんは妊娠後期まで海に潜り、自分の仕事をこなす。そんな彼女たちの姿がキミに勇気と誇りを与えた。このキミのチェジュ島へのトリップは、2020年にドキュメンタリーフィルム『Lessons from Jeju』として公開。ここではそのバックグラウンドをインタビュー。


昔から、いつかヘニョ(韓国語で“海女さん”)に会いたいと思っていた。15年くらいになるかな。私の夢のひとつだったの。妊娠してからは自分の直感を信じてダイビングをしていたけど、赤ちゃんにとってよくない、危ない、とか色々周りに言われて、いちいち影響を受けていたの。そんな時、昔から憧れていたヘニョたちが自分の中で心の支えになっていて、彼女たちのことを毎日リサーチするようになった。ほとんどのヘニョたちが妊娠10ヶ月頃まで海に潜って、時にはボートの上で出産するなんてこともあったみたい。ヘニョたちの名言をたくさん読んで、それをスマホの中に保存して、不安になった時は見返していた。妊娠中にダイビングをする女性として勇気をもらってたの。だからもし彼女たちに本当に会いに行くなら、今よりベストなタイミングはないんじゃないかって思い始めた。

そんな時、ちょうどディレクターのニコル・ゴームリーから連絡があって、何か撮りたいストーリーはあるか聞かれたの。その年、2019年はいろんな撮影のオファーがあったけど、妊娠中だったから旅はしないでハワイでゆっくりしようと全部断っていた。でも、ニコルには唯一「韓国のチェジュ島に、ヘニョに会いに行きたい」って言ってみたの。そしたら彼女が私のスポンサー、パタゴニアと話してくれることに。パタゴニアは「良いアイデアだけど大丈夫? 赤ちゃんが生まれた後でもいいよ」って心配してくれた。でも私は絶対に今、妊娠中に会いに行くのがいちばん良いタイミングだって確信していたわ。

チェジュ島では、ヘニョの女性たちのオーシャンスピリットに囲まれて素晴らしい経験ができた。ヘニョの中にはご高齢の方も多くいたの。陸では動きがおばあちゃんだけど、海に入った瞬間、まるで海の生き物みたいに自由に元気に動くのよ! 彼女たちの大きな笑顔、女性同士の強い絆に感動したわ。彼女たちは私に女性として、そして妊婦として、自分を誇りに思う気持ちを与えてくれた。

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