
今まで見て見ぬふりをしてきたデリケートゾーンについての話。疑問や興味を持っていても、なかなか友人同士で語り合ったりする機会が少なかったかも。今日からは殻を打ち破り、積極的にトライしてオープンに話していこう。女性だから楽しめるインティメイトケアは、あなたに多くの幸せを運ぶ一つの手段。
膣まわりは、身体や心のバロメーター
幼いころの記憶を呼び起こしてみる。すると、デリケートゾーンに手を添えているだけで親に「そんなところ触らないの」と注意を受けたり、思春期には男女で部屋を分けられてひっそりと身体の仕組みや性についての授業を受けた……なんて経験をした人は多いかと思う。そう、いま思うと“アソコ”は恥ずかしく隠すべきところだという認識を無意識に育んできてしまっていたのだと気づく。それは仕組みが分かっていても、ケアする正しい知識を持っていなかったり、親から子供への伝え方が不安定だからかもしれない。「恥ずかしい」「卑猥」「グロテスク」なんてイメージは忘れて、自分自身が持っているもの、沸き上がる感情や興味へ自信を持って接してみて欲しい。だって、デリケートゾーンはあなたが持つサンクチュアリなのだから。
あなたのサンクチュアリについて向き合おうと思えたなら、伝えたいのは“いくつになっても女性としての輝きを保つ”ということ。「内側から湧き上がる感情に自信を持つ」。要はセクシュアルな欲求に素直になって欲しい。それは、食事や睡眠に続いて人間に備わっている本能だから。もし、そういった気持ちが湧き上がらないのであれば、身体や心や脳が疲れている、またはホルモンバランスが崩れているというサインかも。もしくは、潤い不足による性交痛への不安という可能性も考えられる。
エクスタシーや肌の触れ合いを楽しめれば、脳から幸福ホルモンが分泌される。そして、穏やかな気持ちやポジティブな思考、女っぷりも上がるはず。パートナーでもセルフでも、まずは興味を持って楽しむことから始めてみて。
デリケートゾーンをケアすることは、女性らしく輝き、豊かなライフスタイルを送る手助けになってくれる。まずはできることから、少しずつでも取り入れることで、内側からの変化を実感できるはず。
そもそも、ケアって本当に必要なの? と疑問が浮かんでいる人もいるかもしれない。そこで知っていて欲しいのは、女性の外陰部の皮膚は顔でいうとまぶたと同じくらいの薄さ。かつ、膣内の粘膜には皮膚を保護し潤いをストックするための角質層がないということ。だから、デリケートゾーン専用のソープで優しく洗いたいし、保湿をして清潔に整えたい。
ケアの必要性も理解したところで、もう一つ大切にして欲しい“膣の潤い”。本来であれば、常に程よい粘液で満たされ、病原体などの異物をブロックし、潤うことで弾力のある柔らかい肌質へと導いていくもの。これを叶えるには、粘液を生み出せる身体のサイクルを持つことがキーになる。たとえば、ダイエットなどで栄養が不足していては、トロンとした程よい粘度のある粘液ができず、膣内が萎縮し硬くなる。良質な潤いをキープするためにも、バランスのいい食事と、正しいケアで保湿することが必要なのだ。
ここからは今日からできる4stepsをご紹介!
01.自分の膣を知ろう
あなたがどんな膣を持っているか知っていますか? 形や色は人それぞれ顔が違うように様々。見るべきポイントは、腟のまわりを取り巻く大陰唇です。あまりにもたるんでシワシワしていたり、ハリがなければ乾きのサイン。しっかり保湿をしましょう。ふっくらして引き締まっていると、尿漏れの予防にもなります。色を気にされる方もいますが、多少赤黒いのは正常。もし、黒ずみが気になるなら、トイレでゴシゴシ拭いてないか見直して。
02.アイテム選び
さっそくケアを始めようと思っても、どんなものを選べばいいのか迷わないために、押さえておきたいことは“ナチュラルなもの”かどうか。そして、揃えておきたいものは、デリケートゾーン専用のソープと、化粧水的な役割のローションやクリーム、ふっくら柔らかく保つためのマッサージオイルなど。「え、こんなに?」と思う方も、フェイスケアに比べたら非常にシンプルなステップ。まずは少しずつ習慣として取り入れていこう。
03.ハッピーな老後ライフ
潤いを保ち、ホルモンバランスが整っていると長くセクシャルを楽しめるようになります。閉経後に欲求の高まりを感じる女性の割合も多く、マダムとして輝くためにも今からケアをしておきたい。また、骨盤底筋へも意識を向けることで、尿漏れや臓器へ負担がかかる子宮脱などのトラブル回避にもなります。ひいては、その先の介護にも繋がりが。アンダーヘアの処理をしておけば、おむつ生活でも清潔を保つことができるのです。
04.海外のケア事情
膣まわりのケアをする際に疑問に思うアンダーヘアについて。世界的に見れば、脇の毛を処理するのと同じレベルです。毛には守る役目があるといいますが、それは衣類が発達していない昔の話。現代では下着を身に着けて保護しているから大丈夫。毛がないことがエチケットという考えなのです。そういった文化が根付いているから、フランスではコンビニやスーパーなどでも、デリケートゾーン専用のケアアイテムが普通に並んでいます。