きちんと知っておきたい紫外線&UVケアのキホン

太陽を浴びてパワーチャージしながらも、ヘルシーな美肌を保つために紫外線による肌への影響はなるべくおさえたい。なんとなく日やけ止めは塗っていても、実はよく知らない人も多いUVケアのこと。日やけのしくみを理解することで、必要な紫外線対策が明確に。日々のケアにより前向きになれるはず。


01.注意すべきはシワの要因となるUV-A(A波)とシミやそばかすの原因になるUV-B(B波)

「地表に届く紫外線にはUV-A(A波・紫外線の約95%を占める)とUV-B(B波)が存在します。波長の長いUV-Aは、表皮を通過して真皮まで到達。皮膚のハリと弾力を支えるコラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。再生は促されるものの、ダメージを受ける回数が多いと、将来的にシワやたるみが起こりやすくなります。波長が短く、エネルギーの強いUV-Bは、真皮に到達せず表皮にダメージを与えます。紫外線を浴びると活性酸素が発生して肌が炎症状態に→基底層にあるメラニンを作る細胞に信号が送られ、メラニン(黒い色素)が生成される→そのメラニンが紫外線を吸収し、ダメージから細胞を守るという仕組み。生成されたメラニンを含む細胞は通常ターンオーバーや代謝によって排出されますが、過剰につくられて一定量以上表皮にたまることでシミを引き起こします」

02.最短4分、太陽を浴びると肌への日やけダメージが始まるといわれている

「10分程度紫外線を浴びると、活性酸素が発生してメラニンの生成がはじまります。最短4分でメラニンを作る細胞に指令が届くともいわれているので、洗濯物を干す、郵便物を取るだけというときも要注意です。曇りや雨の日も基本的に変わりません」

03.キレイに日やけしたい派も最低限のUVケアはマスト!

「エネルギーの強いUV-Bを過度に浴びると、「サンバーン」と呼ばれるやけど状態に。UV-Bの影響をなるべく受けずに、黒い色素であるメラニンを増やすことが、ヘルシーな小麦肌をめざす場合に大切です。皮がむけてしまうのを防ぐためにも、SPF15の日やけ止めを使うなど最低限の対策をし、肌がほてってきたらすぐに冷却をする必要があります」

04.肌に負担がかからないよう、 1日でやかずに少しずつやくのがGood

「やけど状態に陥るのを防ぐためには、一気にやくのではなく、日を分けて少しずつやいていくのがポイント。1日の中で最も紫外線量が多い、10時~14時を避けるとベターです」

05.ほてり=炎症のサイン。 05太陽を浴びたらしっかり冷却&保湿を

「日差しを浴び続けた後のほてっている状態=肌の内部で炎症が起きているサイン。肌がダメージを受けているので、即クーリングを行う必要が。また、紫外線を浴びることで肌の水分が蒸発してしまうので、保水と保湿もしっかり行ってください」

06.日やけ止めに表記されている SPFはUV-Bを防ぐ指数、PAはUV-Aを防ぐ指数

-SPFとは?
「Sun Protection Factorの略で、シミやそばかすの原因となるUV-Bへの防止効果を表します。日本では50+が最大で、数値が大きいほど炎症が起きにくいとされていますが、SPF30より上はあくまでも目安。UV-Bを浴びて肌が赤くなるまでに何分かかるかによって、区分されています」

-PAとは?
「Protection Grade of UVAの略で、シミやたるみの要因となるUV-Aを防ぐ効果のこと。ブロックする力の強さによって、+~++++の4段階に分かれます。波長の長いUV-Aは窓ガラスを通り抜けてしまうので、自宅で過ごす日も、PA++以上の日やけ止めを塗っておくと安心です」

07.クリーム、ミルク、ジェルなどテクスチャーによって効果に差はありません。好みで選んでOK。

08.日やけ止めはムラなく塗り、2.3 時間おきに重ね塗りが出来るとなおいい
「ある程度の量を塗布しないと表示されているSPFの効果は得られません。重ね塗りをすることで、より高い日やけ防止効果が期待できます。これからの時期、汗や皮脂によって落ちやすくなってしまうので、可能なら2.3時間おきに塗り直して」

09.太陽を浴びる前と後の保湿が実は重要! 肌が乾いた状態だと紫外線の影響を受けやすくなります
「日差しを浴びるときは、健康な肌状態であることも大切。外からの刺激を体の内部に及ぼさないために肌表面にある皮脂膜がバリア機能のひとつとして働いていますが、乾燥により皮脂膜が薄くなった状態だと、バリア機能が低下して、外部刺激である紫外線の影響を受けやすくなるという理論です。皮脂膜に油分が行き届いていることが第一。乳液やクリームを使ってしっかりと保湿するのを心がけて。とくに乾燥が気にならなければ、肌がヘルシーな状態なので、いつもの乳液やクリームでOK」

 10.日やけ止めの上にUV下地やファンデーションを重ねておけばより安心
「UV効果のある下地やファンデーションを上から使うのも手。覚えておいてほしいのは、SPF効果のある化粧品を重ねたからといって、その効果は倍にならないということ。SPF50の日やけ止めとSPF50の下地を合わせても、100にはなりません。物理的にガードの膜が厚くなるので、紫外線を徹底的にブロックしたいという人にはオススメ。肌への影響を最小限にするために、抗酸化力の高いビタミンCをサプリなどで摂るのもいいと思います」

11.抗酸化作用の高い南国のフルーツをたくさん食べてよりヘルシーな美肌へ
「抗酸化作用の高い食事を心がけるのもUVケアのひとつ。なかでも、南国のフルーツがイメージしやすいと思います。強い日差しから自分たちを守らなければならない南国のフルーツには、紫外線を浴びて酸化してしまった細胞に働く物質が豊富。レモンやオレンジには、紫外線の吸収をよくするといわれるソラレンという成分が入っていますが、何百個とかなりの量を摂った場合の話なので、気にせず朝から食べても大丈夫です。そのほか、ブドウやトマト、アスタキサンチンの豊富なサーモンもオススメです」


教えてくれたのは…
ウォブクリニック中目黒総院長髙瀨聡子先生
最先端医療を用いた、高いレベルの施術で人気の美容皮膚科医。わかりやすい解説も話題で、雑誌やテレビの美容企画でもひっぱりだこ。

HONEY vol32より

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