EARTH AWESOME !「 Blessing from the Mother Earth」

海と大地、空と水、太陽と虹、宇宙と地球、そこに息づく表情豊かな生命たち。むきだしの地球とそのリズムに呼吸を合わせ、唯一無二の美しきこの星の鼓動と荘厳なる姿を撮り続けている自然写真家、高砂淳二さん。作品一つひとつを見つめていると、母なる地球にそっと抱きしめられるような、胸の奥から温かいものが込み上げてくる。


地球は美しい。青く透明に揺らぐ海の水や、水平線に夕陽が沈む時の空の色などを見ていると、まるでマジックにかかったように心が震える。また、大地から当たり前に生えている草花なども、よく見ると繊細で美しい色やデザインをしているのに驚く。相似形が小さな世界まで続くシダの葉などには、宇宙さえ感じられるから不思議だ。


見た目だけではない。木々から“召し上がれ”とばかりに出てくる甘いくだものや、脂を蓄えて沿岸を泳いでくれる魚たち。それから僕ら日本人のソウルフードであるお米を実らせてくれる稲などにも地球の愛情を感じる。この地球は、美しいだけでなく、いつも僕ら人間を食べさせ、喜ばせようとしてくれてもいる、温もりのある惑星なのだ。


普段スーパーで買い物をしながら暮らしていると、脂の乗ったカツオや、ツヤツヤのお米を食べても当たり前のことと思ってしまうし、お金を払って買ったのだから当然、とつい思ってしまう。でも地球からのそんな愛情をあらためて思い直してみると、いかに僕らは祝福され、生かしてもらっているかを感じることができる。

自然や生き物を撮影する時、愛情をもって向き合うことを意識することで、被写体との間に温かい繋がりのようなものを感じることがある。相手が生き物なら、好奇心を持っているかどうか、怖がっていないかどうかなどがなんとなく分かったり、こちらが緊張するのをやめて温かい気持ちをもつと相手も穏やかになってくれたりもする。また、大地を、愛情をもって愛でながら眺めることで、なお一層その優しさや輝きが増すのを感じたりもする。
そんな体験から、こちらの気持ちやあり方が被写体にそのまま映るのだ、ということを知った。そのことは写真だけにとどまらず、自分の周りに対する気持ちが自分を取り囲む環境を作っていくのでは、とも思うようになった。地球と、愛情や感謝をもって接することで、地球が美しく温かい惑星として輝き続けることに繋がるとしたら……。愛する家族に接するように地球に接すれば、いろんな事への解決策も見えてくるかもしれない。

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