先進的なエコシステムで自然と共創する「フィンドホーン」|世界のパーマカルチャー


スコットランドの伝統的な漁村であるフィンドホーンからほど近く、フィンドホーン湾とマレー湾に面したエコヴィレッジ「ザ・パーク」。

フィンドホーン財団が運営するこの村は、約20万㎡の敷地内にトレーラーハウスから中小住宅、大型の集合住宅などの住まいがあり、約200世帯300人前後の住人が暮らしている。

そのほかヴィレッジ内には、豊かな自然を生かしたキャンプ場や100室以上の客室がある宿泊施設、アートシアター、オフィスビル、ショップにカフェなど、多くの地元企業が参画している。

そんなザ・パークでは、先進的なエコな取り組みに世界中から注目が集まっている。まず、建物の多くはヴィレッジ内にある風力発電機やソーラーパネルによる電力を使用し、バイオマスエネルギーも導入する。

1989年に最初の風力発電機(75KW)がヴィレッジ内に設置され、2006年にはさらに3基の風力発電機(各225KW)を増設。それ以降の新しい建物は主にこれらの風力発電による電力を使用。

さらにすべての建物はリサイクル素材や、毒性がなく断熱性に優れた素材を使っている。そして廃水処理においても、「リビングマシン」と呼ばれる生物学的処理施設があり、集落の半分の廃水をここで処理している。

パークガーデンでは、切られて不要になった枝などを使ってバイオ炭を作るなど、庭から出た廃材を可能な限り再利用している。近隣エリアのための野菜を栽培する「カラーン・ガーデン」でも、家庭で出る生ごみを利用して堆肥を作っている。

ヴィレッジ内にはホットコンポストが設置されているので、住人は手軽に生ごみを入れられるのだ。また、カーシェアシステムや、不要になった服や靴などを持ち帰れるブティックもあり、住人間でうまくモノをシェアできる仕組みもできている。

このように常に進化を続けるエコヴィレッジは、その設備や仕組みを多くの大学や学校団体で教材として紹介されている。エコやサステイナビリティに関するさまざまなプロジェクトを提供し、大学生の実習訪問なども受け入れているのだとか。

そしてもうひとつの特徴として、ザ・パークはスピリチュアル・コミュニティという側面も持ち、定期的な瞑想やヨガクラス、それらにまつわる勉強会なども開催。

ヴィレッジに住む人々は瞑想など、自分の中の静かな声を聞く「インナー・リスニング」、「自然との共創」、すべての仕事や作業に愛を込めて行う「ラブ・イン・アクション」の3つを大事に暮らしている。

ザ・パークは、自分の周りのエコシステムをもっと良くしたいと願っている人々や、ほかのエコヴィレッジへのインスピレーションになれればと考える。

そして自分たちと同じ志を持つ人々とオンラインなどを通じて関わり合い、世の中の意識を変えるサポートの輪を大きくしていきたいという目標を持つ。

うまく循環していく仕組みができているこの村は、我々が目指すべき社会の縮図なのかもしれない。


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