
美しき地球にあらためて心が躍り、だからこそこれからはもっともっと、地球と仲良く暮らしていきたい。私たちもなるべく自然の摂理に逆らわない、等身大なライフスタイルへと回帰していこうとするとき、まずは現代生活で失いかけていた「地球と私との繋がり」を、それでも本当はいつでも繋がっていることを思い出してみる。そんなにたくさんじゃなくていい、ただ本当にたいせつなことを一つひとつ確かめて、私らしく一歩一歩。地球の素顔に触れて、感謝して、寄り添うためのエッセンスを3回に分けて紹介。何か一つでも心に新しい想いが芽吹きますように。
自然の恵みを自然のままに、ありのままを享受しよう
「食べる」ことは地球と深くつながり合える時間。それをなんとなく「ながら」で済ませたり、単なる栄養補給で終えたり、「添加物の味」に慣れてしまえば自然本来の味覚も分からなくなる。今は旬も関係なく一年中、世界中からあらゆる食材が揃うけれど、旬には旬の理由があり、その土地土地で育つ作物にも意味がある。地産地消、旬産旬消、身土不二を思い出し、一物全体で食材は捨てるところなく丸ごと調理。そうして自然の恵みを自然なまま、素材の味や香り、食感、瑞々しさや生命力を感じながら、感謝していただくことを意識しよう。
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元気の源をたっぷりくれる土の中の微生物とも仲良く
コンクリートに囲まれた街で暮らすほど、私たちは土から離れ、土壌に暮らす菌たちに素手で触れることもめっきり減った。昨今の「過剰清潔社会」とともにアレルギーや免疫疾患、メンタルヘルス障害なども急増中だけれど、人は本来、土や菌から離れては健康に生きられない。土はただの粒々ではなく、微生物が何百万単位でワイワイ集まって、植物が元気に育つためのふかふかベッドを作る。同時に「土いじりは癒される」という声のごとく、免疫調整や幸せホルモンの分泌など、心身の健康にも大貢献。家庭菜園やガーデニング、日常的に土に触れよう。
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菌活やコンポストを通して「共生と循環」を体感しよう
微生物は土の中だけでなく、海にも空中にも身体の外にも内にもどこにでも。身体は6~7割の水と37兆個もの細胞、1,000兆個とも言われる微生物と共生して私が生きられる。宇宙は天の川銀河だけで約1,000兆もの星があるらしいけれど、今日を元気に生きられるのは、私の中に銀河の星々ほどの微生物も入れ替わり立ち替わり支えてくれるから……「あなたは一人じゃない」って本当だった! 体内微生物を元気にするために発酵食を食べたり作ったり。生ゴミを微生物が分解するコンポストを始めれば、自然の循環や微生物の底力も身近に感じられるはず。
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わたしと森里川海のつながりにもありがとう
動植物も鉱物も、水も環境も人間も……みんな生命の環の中に自分の居場所をもらって存在し、互いに繋がり支え合っている。たとえば水の繋がりをみても、山の源流から海へと流れゆき、太陽が地球の水を脈動させるように海から水が蒸発し、雲になりまた雨となって大地を潤す。その中で、私の毎日を支えてくれる水はどこから来てどこへ行くのか。私が出した排水はどこに届いてどこの海へ? そんな繋がりにも思いを馳せてみる。私たちはまわりの自然環境はもちろん、地球の裏側や他の動植物たちとも、一つも切り離しては生きられないのだから。
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わたしの不調を癒してくれる自然と自分の底力を信頼しよう
現代医学の進歩には感謝しつつも、とはいえ過剰な薬や消毒文化の危険性は、自然からはかけ離れたもの。不調はどれも身体からのSOS、または解毒作用。それを薬で抑え込むのは臭いものに蓋をしただけで、根本原因の治癒にはなっていない。私たちは本来、自分で調子を整える自然治癒力や免疫システムを持ち、薬に頼りすぎるより自分の底力を引き出して強くするほうが自然体。新鮮なオーガニックフードを食べたり、植物療法やホリスティック医療など自然の力も借りながら、やさしく病を癒す力になってくれる薬草や生き物たちにも感謝を返したい。
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自然を愛でるエッセンスを日常空間にも散りばめて
暮らしのなかに、自然の営みを感じられるエッセンスを添えてみる。たとえば切り花を飾るより、お気に入りの花や植物を鉢植えで育ててみたり。季節が巡るごとに枝葉が芽吹き、しばらくすると緑輝く隙間からそっと希望の蕾がふくらみはじめ、美しく花開いたと思ったら部屋中に広がる華やかな香りと彩り。命を全うしても後代へ栄養を残す、そんな自然の縮図を愛でる毎日に、心をときめかせて。住居空間も高層マンションは精神不安を招き、思考や身体感覚も鈍りやすいから、大地に近いお部屋で窓を開放して、自然の音やゆらぎを感じられる日常を。