疲れた心を助けてくれる、マインドセットの心掛けとは?

ウェルビーイングと幸せな暮らし Vol.02

前回は、“自分自身を豊かにするウェルビーイングの大切さとセルフチェック”についてお話ししました(前回の記事はこちら)

そもそも、ウェルビーングは1946年にWHOが新しい健康の概念として提唱したもので、「人間が単に身体的に、また精神的に良好な状態のみならず、社会的に良好で満足できる状態にあること」を意味するものです。提唱され始めた1946年というのは第二次世界大戦が終結した翌年のことで、6年間にわたるイギリス、フランス、ソ連、アメリカ、中華民国などの連合国陣営と、日本、ドイツ、イタリアなどの日独伊三国同盟を中心とする枢軸国陣営との間の戦いで多くの犠牲者が生まれた年でした。その状況を鑑みて、WHOがウェルビーイングという概念を生み出したのです。

実は今から76年も前に発案された考え方で、前を向いて歩んでいきたい、そのために欠かせないものはなんだろう?と考えられたものなのだと知ると、人としての本質に基づいた考え方なのだと実感できますよね。

ここにきて新たにウェルビーングに各国が注目しているのは、“コロナ”という世界規模のパンデミックが影響しています。コロナ感染による身体的負担や後遺症だけでなく、その脅威やロックダウン下で味わった孤独や不安により、多くの人々が受けたダメージがあまりにも大きかったからです。

2014年のイギリスの国民保健サービスでは精神的ウェルビーイングの獲得方法として、下記の5つのポイントがピックアップされています。

01.地域や家族と繋がりを持つこと。

02.身体的運動を行うこと。(自分が楽しめ生活の一部になるようなことからでもおすすめ)

03.スキルを得ようと学ぶこと。(料理、楽器、自転車修理などからでもOK)

04.他の者に与えること。言葉や笑顔のような小さなものから。

05.今この瞬間に注目すること(マインドフルネスを大切に)

このポイントの根底にある重要なこと、それは私たち個人個人の“マインドセット”だと思います。マインドセットはいつも“ポジティブ”に“前向きに”セットするよう心がけること。ただ、その心がけを意識するだけでいいんです。

たとえば、自分の目の前のグラスに水が注がれたとき……「なんだ、半分しか注いでくれないのか」と不満を感じるのか? それとも「冷たいお水をありがとう!飲みたかった!」と喜びを感じられるのか? このリアクションは自然で唐突なものです。

ネガティブな要素を含んだリアクションになるのか、それともポジティブなところに目を向けたリアクションになるのか。そのベースは普段自分自身が心掛けるマインドセットにあるのです。 ポジティブなマインドセットを持てば、私たちは前向きな気持ちで地域や家族と繋がりを持ったり、他の人に言葉や笑顔を与えることができるパワーを持っているんだと自信を持ってください。

そして、疲れた心を癒すために、心のモヤモヤを深呼吸に乗せて遠くへ飛ばすイメージをして、今日の良かったところ一つを思い出してみてください。いいところへ目を向けることが習慣づけば、日常でどんなシーンでもマインドセットができるようになるはずだから。

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