
郊外にある広大な畑と、都内の児童養護施設にある畑で野菜作りをするのは、モデルやブランドディレクターとして活躍する佐田真由美さん。どうして畑作りを始めたのか、その理由と楽しさを聞いた。

「郊外にあるこの畑で野菜作りを始めたのはもう15年くらい前ですね。義父の畑なのですが、種の品種からこだわり本格的にやっている畑で。それを少しずつ手伝うようになったのがきっかけです。
ここ最近では、友人から畑作業をしたいとリクエストをもらうこともあり、一緒に来ることも増えました。その友人が自分の子を連れてくることも。自分だけではなく、お子さんにも土に触れる機会を持って欲しいと思っている人も多いみたいです。」
野菜を育てる喜びのひとつは、老若男女関係なくともに楽しめる点にあると佐田さんは言う。
「子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、年齢に関係なく同じことに挑戦できるのは野菜作りならではですよね。みんなで一緒に土を掘ったら野菜が出てくる。大きい綺麗なじゃがいもをみんなで探し当てたり、まるで宝探しみたいに楽しめるんです」

子供たちと一緒に野菜作りを行うことで、自分も子供も学べることが多いという。
「野菜は時間をかけてひとつのものに手をかけてあげれば、そにきちんと答えてくれる。しっかりとした土壌を作って、種や苗を植えて、栄養がいき渡っているかケアしてあげて……。
そうすれば頑張った分その愛情が伝わるのか、しっかりおいしい野菜ができあがるんですよね。子供たちと一緒に育てた野菜を収穫して、採れたてをみんなでその場でかぶりつく。
野菜のおいしさや、作る大変さも学ぶことができて、そしてそれを家族みんなで共有できるのもうれしいですね」

また、佐田さんは都内にある児童養護施設の農園でも畑を作り、野菜栽培を行っている。その理由について、彼女はこう答えた。
「そこは元々私がお手伝いに伺っていた施設なのですが、農薬をまったく使用しない『完全自然農法』を知る機会があり、空いているスペースで畑ができたらいいな、と思ったことがきっかけです。
子供たちに土いじりを強要するのではなく、大人が楽しそうに野菜作りをしているのを見て、自然と興味を持ってもらえるんじゃないかなって。それで児童養護施設のスタッフのみなさんと畑づくりを始めたんです。
まずは土作りから始め、種をまき、野菜ができ、収穫して食べる。当たり前のことではあるんですが『食』というどんな時代も、誰にとっても必要不可欠なものの根本にあるのが畑だと思うんです。
だからこれからの未来を担う子供たちに少しでも興味を持って貰えたらうれしいですし、大人になったときにその知識や経験が武器になるんじゃないかとも思っています。」
佐田さんにとって『農』とは家族との共通の楽しみでもあり、子供の未来にもつながる選択肢でもあるのだ。

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