自然を愛する、あの人に聞く。心地よい暮らしを叶えるためのヒント | Vol.24 アーユルヴェーダ


24回目に取り上げるのは「アーユルヴェーダ」。ヨガ講師、フードクリエイターとして活躍する幸村亜美さんを紹介します。

授かった命に向き合うことでたどり着いた「アーユルヴェーダ」

私は二度、妊娠・出産経験があり、これを機に命の扱い方を再確認するようになりました。とは言え、妊娠中は悪阻や過敏な精神状態により些細なことで悲しくなったり、怒ったり、悩んだりと感情の振り幅に悩まされて。出産後は自分時間で物事が進まなかったり、授乳や育児で体力・気力・活力がどんどんすり減ったり、想像以上にバランスが崩れて自分を見失っていた気がします。
そんななかで導かれるようにして出会ったのが、命の扱い方を個人のライフベースで紐解いていく伝統医療のアーユルヴェーダでした。

アーユルヴェーダは朝起きてから就寝までの「一日の過ごし方」を一つひとつ丁寧且つシンプルに紐解いていくのですが、世界中のどこを検索しても出てこない、これまでもこれからも「たった1人の私」をサンプルとして解いていくもの。なので、膨大な量の情報も必要ないですし、ベストセラーになっているような参考書も必要ないんです。「自分」そのものにすべての情報が詰まっていて、すべての答えが記されているのです。

私自身はライフベースで自分を見直していくことにより、身体の動きや瞑想だけでは解消しきれなかった悩みがするするとほどけ、心の奥底から生きる喜びや幸せを惹き起こせるようになりました。

「体内の清掃」で五感の働きを適切に

アーユルヴェーダのなかでもまず大切になるのが、体内の清掃。

排水管に何かが詰まっていたら水が流れないのと同じように、身体に未消化物が溜まっていたり、汚れが溜まっていたら、いくら良いものを食べても不燃物となってしまいます。

私たちの身体のあらゆる器官を清潔かつ滞りのないように事前準備をしておくと、五感が適切に働くようになり、微量の甘みでも深い甘みを感じることができます。

まずは舌磨き、歯磨き、オイルプリング、ぬるま湯と塩で鼻うがいはマストで、食事の最初に白湯を飲み、内臓をしっかり洗いながしてから食前菜(生姜、レモン、岩塩 or 自然海塩)で胃酸を出して消化の促進を促します。口腔ケアはもちろんですが、雑菌の役割を果たしてくれる胃酸も大事な役割を担っているのです。また、アーユルヴェーダは消化力をはかることを大前提としているので、お通じが出ていない場合やなんとなく胃が重く感じるときなどは、規則的な時間でなかったとしても無理に食事を摂る必要はありません(あくまでも個人ベースで、当てはまらない方もいます)。

生命エネルギーをいただく「食事」

身体の器官を整えたうえで意識したいのが、食事。シンプルな意味でとでとらえると「食事=命をいただく行為」です。私たちの身体は、他の何かの命から養われています。

例えばご飯。これはイネという植物の種実から、汁物に入っているワカメは海藻から、お肉・お魚料理も当然、動物や魚介の命から成り立っています。そして、作物を育てている方や漁業や畜産業に携わる方、様々な人や何かの命(生命エネルギー)が姿カタチを変えながら届くのです。

こうして目の前の食事がどこから生まれて、どこを辿って、目の前に存在するのか……。その軌跡を辿るように想像すると、生きとし生けるものすべてに感謝せずにはいられなくなります。

「食べる」という行為に関わらず、誰かと一緒に過ごす時間であったり、いただく言葉であったり、触れ合うことだったり、他のものと繋がることもまた命をいただいていることに変わりはありません。そう思うと食事に限らず、どのような繋がりも大切にしたいと思えるようになりました。

自分領域でSDGsを実践してみることが地球のために

私は、身に起こる環境変動と自然環境と付き合うことは、本質的に共通する部分があると思っています。

自然環境で考えると、不燃物を燃やしたり埋め立てたりすることで温室効果ガスとなり、地球温暖化の一因となります。同じように、いくら体に良いとされているスーパーフードでも食べ過ぎると消化力が及ばず、不燃物(消化できない老廃物)になってしまいます。のちに吹き出物であったり、病気のもとになりかねないのです。

自然環境の摂理は、常に私たちの命そのものから無限に汲み取ることができます。SDGsの「地球上の誰一人取り残さない」という普遍的理念を地球規模ではなく、まずは自分領域で実践していくことによって、理屈で考えなくても自然と芽生える気持ちがあるかもしれません。

数年前から我が家ではクリンスイという会社のガラス浄水器を使用しています。機械ではなくカートリッジのみなので、電気は不使用ですし、3ヶ月サイクルで交換ができるのでゴミが出るのは3ヶ月に一度。そういった身の回りへの意識はごく自然にうつり変わっていったものです。皆さんもまずは、環境負荷を自身の身体で体現することから始めてみましょう。
なかでも「未消化物(不燃物)を残さない」ように、排泄サイクルと適切な量をはかりながらの食生活は特におすすめです。慣れてくると一食・一日の食事量の塩梅に慣れてきますし、まさにフードロスにも繋がります。自身に向かう姿勢や行為は結果的には地球のためにもなるのではないかと思っています。

「息心地のよさ」が心地よさに

私にとっての心地よさは「息心地のよさ」を感じるとき。心地よさって、物理的なものを通して感じることが多いですが、言葉にならないような感覚的なことも大切にしていて。

誰とどこにいようが、環境や状況に不必要に支配されず、自分が自分自身にくつろげているような感覚。息心地が良いときって生き心地が良いから、生命力も満タンで幸福度が高い気がするんです。

そして心地よいに近づくためには、相反する「心地悪さ」を知っておくことも大切だと思っています。例えば、風邪を引くと鼻がつまりますが、そうすると息苦しくなり、ベットで横になっても寝心地が悪く、なかなかリラックスできませんよね。それが風邪が回復すると、ただただ鼻からスーッと息をすることがこれほどまでに心地よいものだったのかと、改めて知ることになります。

何かの映画や小説を例えても同じで、単調な物語よりも病気の回復期のように苦境な場面も出てくる抑揚のある物語の最後こそ、湧き上がる感動がぐんっと上がります。あえて違和感を感じることを選択してみたり置き換えてみると、自分の心地よいが一層クリアになるかもしれません。

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