自然を愛する、あの人に聞く。心地よい暮らしを叶えるためのヒント | Vol.28 アロマヨガメディテーション


28回目に取り上げるのは「アロマヨガメディテーション」。アロマセラピーとヨガ、瞑想の3つを組み合わせた「アロマヨガメディテーション」を手がける揖斐純子さんを紹介します。

ヨガとアロマの世界に魅せられて

ヨガに出合ったのは2006年、アロマセラピーに出合ったのは2009年。
20代の私は、10代から続いていた心身の不調から抜け出せずにいました。当時は自分ではない何かになろうとしたり、どこか別の世界へ行ってみたいという想いから無理して背伸びをしていたり、毎日とても息苦しく生活していました。心も体もボロボロで、とにかく不健康だったんです。

そんななか、2006年に初めて受けたヨガクラスはそれまで溜まっていた不調を全て流し去ってくれるほどの癒しとパワーがあり、クラス後に全身がリセットされた感覚は今でも忘れられません。それ以降ヨガの虜になり、継続的に練習を続けています。

アロマセラピーはヨガとの出合いから数年後ですが、その当時は会社員として激務をこなし、毎日全力疾走していました。
ある休日、ふらりと立ち寄ったお店で嗅いだ植物の香りに魅了され、アロマセラピーに興味を持ち始めたのがきっかけです。何千年も芳香原料として使用されているフランキンセンス(乳香)の話を聞きながら、1滴のオイルを嗅いだ瞬間、心の奥底まで揺さぶられる感動がありました。
どっぷり魅了されてしまい、2011年に会社を辞めて英国ロンドンへ留学する決断をしました。1年のつもりでしたが結果的に4年間の滞在となり、素晴らしい先生方に多く出会えたことで学びがどんどん深まっていったように思います。
私の瞑想の師匠はアロマセラピーの師でもあり、ひとつ学んだことがまたさらに次の学びへ繋がっていく幸運にも恵まれました。

アロマセラピーもヨガも出会った先生方が本当に素晴らしい方達で、「彼らのような生き方をしたい!」という憧れのようなものが強くあったように思います。ヨガのアーサナやアロマセラピーの香りそのものの素晴らしさに加えて、この世界で生きる人々に魅せられ、自分自身の生き方を変えたいと思ったのが原点です。

日常のアクセルを緩めるためのスイッチとしてアロマを活用

私たちは日々何かを成し遂げることに追われています。
毎日の小さなTo doから中長期的な人生設計に至るまで、「今」を変えて「未来」をより良くしようと努力します。ヨガスタジオに来ても「さぁ、がんばろう!」という意識はなかなか変えられず、みなさんどうしてもヨガを頑張ってしまいがち。だからこそ、日常のアクセルを緩めるためのスイッチとして香り(アロマ)を活用しています。

クラスの始めには必ずお客様に試香紙をお配りし、目を閉じて香りを味わって頂く時間を設けています。香りは0.5秒もかからず、瞬時に脳へダイレクトに働きかけると言われています。その瞬間、身体の内側では大きな変化が起きているんです。
香りは鼻腔を通り電気信号となって脳に届きますが、その届く先は本能や情動を司る部分から自律神経系を司る部分まで及びます。だからこそ「何となくだるい」「やる気が出ない」「気分が落ち込む」といった病気ではない心身の不調に寄り添い、本来あるべき状態に導くツールとして、香りは圧倒的な効果を発揮してくれるんです。

また、“目を閉じる”時間を設けることも、日常において大事なことだと感じています。目を閉じることで自分と繋がり、そして自分を忘れ、自分を忘れることで世界と繋がる。
破壊的な行動のほとんどは、自分の存在に固執すぎることで起こります。自分自身の存在を手放した瞬間に、家族への愛、自然への愛、他人への慈しみの心が生まれてくると強く感じています。それが自然環境を意識した行動にも繋がってくるのではないかな、と。

良いことも悪いことも受け止めることが、自分にとっての「心地よい暮らし」に

現在娘が2歳のイヤイヤ期真っ盛りで、1日が嵐のような日々を送っています。自分のごはんは5分もかけられず急いで食べるような日々(笑)。いわゆる“丁寧な暮らし”からは程遠い暮らしぶりなのですが、それでも幸せだなと感じます。
「心地よい暮らし」とは自分とっての幸せを少しでも噛み締めることのできる、“何かがある”生活のことなんじゃないかなと思います。

人生はいろんなことが起こります。耐え難い悲しみ、抑えられない怒り、これ以上ないほど嬉しいと感じる喜び、湧き上がる愛情。色んな局面で湧き起こるさまざまな感情こそが、幸せをつくってくれていると感じます。

良いことも悪いこともマルっと受け留めて一生懸命生きるということが、最終的には自分自身の心地よさをつくっていくと感じています。そのためのツールとして、アロマやヨガ、メディテーションが私自身を強くサポートしてくれているんです。

日常のなかに気軽にアロマを取り入れて

アロマは、もはや知らない人はいないほど認知度も人気も高くなっていますが、いざ精油の入った小瓶を手にしたら、どうしていいか分からないという声もよく頂きます。

そんな方に一番のおすすめは、バスルームでの活用です。シャワーを浴びる前に、浴室の床に精油を数滴垂らしてシャワーを出すと、バスルームのなかに一気に香りが広がります。たまに浴槽に精油を入れる方もいますが、精油は水に溶けないため表面に浮いてしまいます。種類によっては肌あれの原因になるので、香りを楽しみたい方は、ぜひ浴室の床で試してください。
朝シャワーを浴びるときには、目を覚まして集中力をあげてくれるローズマリーや気持ちをポジティブにしてくれるオレンジスイート、1日の終わりの疲れた夜にはラベンダーやプティグレインなど、時間帯やその時の気分に合わせて香りを選ぶのもとても心地いいですよ。

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