Her Wave 海のそばで暮らす彼女の物語#37/Cate Brown


冷酷な天候、急峻な山々、深いフィヨルド……。顔が凍るほどの冷水でサーフィンをする女性たちをサポートするサーフコミュニティ「Three Degree Seas」を運営するケイト・ブラウンも、アメリカ北部の極寒の海で育った。フォトグラファーとして活躍しながら夢を生きる彼女の物語をお届けします。
公式サイトInstagram

©︎ Chelsea Mandes

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生まれ育ちはアメリカ北東部のロード・アイランド州。今はフォトグラファーとして海のそばで暮らす人々のアウトドアライフや海のファインアートを撮影している。
以前はヨットで航海する人々を中心に撮影していたけれど、今はサーフィンや水中撮影がメイン。2022年の6月に「Threee Degree Seas」というコミュニティを立ち上げて、その活動にも力を入れているわ。

実はサーフボードにはもう何年も乗っていなくて、カメラを持って泳ぎながら撮影したり、海にいる人々と会話する方が好きなことに気づいたの。

フォトグラファーとしてのキャリア

幼い頃から写真には興味があって、13歳のときに母が古いキャノンのフィルムカメラの使い方を教えてくれたんだけど、それがとても気に入って、それから高校ではできる限り写真の授業を受け、大学でも写真の勉強をすることにした。
大学卒業後、誰もが自分の選んだ道で活躍できる訳じゃないけど、私は家族やサポートネットワークに恵まれ、ビジネスを一から構築し、成長させることができた。
2017年にウォーターハウジングを手に入れたんだけど、ラインナップに出て撮影するにはそれから2年ほどかかったわ。初めは海の中に知り合いもほとんどいなくて、港の水中に潜ってハウジング操る練習をしてた。でも泳ぎには自信があったから勇気を出してラインナップに出るとみんな温かく迎えてくれて、そこから私のウォーター・フォトグラファーとしてのキャリアが始まった。

水の中は全てが常に動いていて、サーファーを上手く撮影するにはとても時間がかかったわ。泳ぎながら一瞬一瞬変化する光や波の動きに合わせ、そこに予測不能な動きをするサーファーを追いかけて常に良いポジションをキープする。最初は苦労したけど、今はそれも楽しみながら撮影できるようになった気がする。

©︎ Rita Goldfarb
©︎ Cate Brown
©︎ Cate Brown
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©︎ Rita Goldfarb
©︎ Rita Goldfarb
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Threee Degree Seasについて

ロードアイランドはとても小さな州で、サーフスポットもそれほど多くなく、海にいるサーファーガールたちはみんな顔見知り。友達の一人が、冷たい海の中でも楽しくサーフィンをする「Cold Water Culture」というウェブサイトを立ち上げて、情報を発信し始めたの。
多くの人が想像するサーフィンって、トロピカルな場所でビキニを着て、日焼けした人たちが波に乗っている姿だと思うんだけど、私たちは真冬で雪が降る中、水温が一桁でもお互いを励ましながらサーフィンしている。顔が凍りそうな冷たさの中で輝く女性サーファーの笑顔は美しく、彼女たちの力強さは想像できないほど。

©︎ Cate Brown

だけど男性用の6mmウェットスーツは簡単に見つけられるのに、女性用の冬用のサーフギアはそう簡単には見つけられない。世界中の寒い地域でサーフィンをしている女性サーファーの賛同を得て、このコミュニティはどんどん広がっていった。

私自身も暖かい南国より水が冷たい場所にサーフトリップに行くのが好きで、ノルウェーやアイスランドでサーフィンをするのが夢。
アイスバスをやったことがある人なら分かると思うんだけど、冷水に入ると余計なことを考えられなくなる。精神が統一されるというか、すごくありのままの自分になれる感じ。あとはサーファーが少なくて、暖かい海にいるクラゲやサメ、虫が少ないのも好きな理由(笑)。

海、自然との関係を言葉にするなら?

海にいると全ての感情を感じることが出来る。大荒れの海を眺めていると謙虚さや自然の偉大さを教わるし、その後の穏やかなファンウェーブを見ると、そのコントラストにまた美しさを感じる。海で過ごす時間は、私の人生で欠かせない。

何か新しいことを始めたい人へのアドバイスを

何かを始めるのに理由はいらない。やりたいと思ったその瞬間を大事にして、結果を恐れないで始めてみるのが一番だと思う。
私は水中撮影を始めるのに知り合いもいなかったし、教えてくれる人も周りにいなかった。だけどもう少し早く始めていたら、今はもっと成長できていたかもしれないって思ってる。結果よりもその過程を大事にして、失敗を恐れず興味があることにどんどんチャレンジして欲しいわ。

©︎ Chelsea Mandes

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