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サステイナビリティと日常生活の中で向き合うための「3つのシンプルな問い」とは? Vol.1

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サステイナブルやエシカルというワードをよく目にする今だからこそ、情報に右往左往するのではなく、自ら考え、自ら選択することこそ大切なのではないだろうか。自分自身を捉え直し、私らしさを大切にしながら、共にサステイナブルな世の中に向けて歩んでいきたい。

地球と私たちのいま


環境問題や社会問題に対して、何か行動を起こしたいと思っている人は少なくないだろう。
しかし、具体的にどのような行動に繋げたら良いか悩むことも多いのではないだろうか。
近年深刻化する気候危機により、台風や森林火災といった自然災害をはじめ、
私たちに身近な形で問題が生じている。
実際に、私たち人間の活動によって気温が上昇しているという見解もある中で様々なリスクも上がり、
状況を改善することが難しくなる段階に近づいている。
そうした問題に対する取り組みを加速させていくためには、
社会・経済システムを変えるフェーズにあると同時に、
私たち一人ひとりのライフスタイルにも変化が求められているのだ。
環境問題や社会問題を知ることは、サステイナブルな選択をするうえでも必要だ。
しかし、問題を知れば知るほど、どのような行動を起こせば良いか分からなくなることもある。
社会に変化が求められる中で、私たちは日々どのようなライフスタイルを目指せば良いのだろうか。
今まで当たり前だと思っていたことが変化し、疑問にすら感じていなかったことが問題として顕在化する時代。
そんなタイミングだからこそ、私らしさや心地良さを感じることを大切に、
サステイナブルな選択をしていきたい。


–{サステイナビリティとの付き合い方}–
サステイナビリティとの付き合い方


「日常生活の中でサステイナビリティと向き合うために、まずはシンプルな問いを持つことから始めてみよう」。そう提案してくれたのは、一般社団法人日本サステイナビリティ推進協会代表理事の斉藤圭祐さん。今回は、サステイナビリティの領域で様々なプロジェクトを展開する斉藤さんに、サステイナビリティの全体像から個人との関係性に至るまでお話を伺った。

サステイナビリティとは何か
あなたは、そもそも「サステイナビリティ」という言葉の意味を知っているだろうか? それは直訳すると「持続可能性」だが、なんだがわかりづらいと思う人もいるだろう。ここで、サステイナビリティに関するわかりやすい定義があるので紹介したい。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の“sustainability”の定義によると、“sustainability is about our children and our grandchildren, and the world wewill leave them.”と記載させている。つまり、サステイナビリティとは、私たちの子どもや孫たちの世代、そして今いる私たちがいなくなった世界のことを考えるということなのだ。こうしたサステイナブルという言葉や概念は、新しく出てきた言葉ではない。そこには環境問題や社会問題に対して国内外で議論が積み重ねられ、SDGsという世界共通の目標が策定されたという背景がある。そうした世界の潮流が日本においても注目される中で、あらためて「サステイナビリティ」への考え方自体を捉え直すことが重要となってきている。

繋がりをどこまで想像できるか?
「サステイナビリティって、まずは想像することから始まると思っています。英語だからと難しく考えず、何かを選択するときに、“誰かに、どこかに、しわ寄せがないか”と自分の中で一歩立ち止まって、捉え直すことが最初の一歩だと考えています」。

サステイナビリティを考えていくうえで、私たちの身のまわりの物事を大局観で捉えることが大切になってくるが、その手段として自然環境や社会という2つのスコープで物事を見ていく方法があると斉藤さんは言う。例えば、自分の選択によって自然環境や社会のどこにしわ寄せがありそうか、どんな影響があるのかを想像してみよう。自然環境や社会との繋がりに思いを馳せる中で、より広い視野を得るためにも、自分で情報をインプットし、主体的に学んでいくことが必要なのではないだろうか。
–{影響を見える化する}–
影響を見える化する
自然環境や社会という“繋がり”を感じ取るのに加えて、プロダクトを通して環境や社会を捉えるという考え方が「プロダクト・ライフサイクル」だ。

「普段私たちは、出来上がった商品やサービスを、価格が安い、機能が良いといった表面的な部分を重視した考え方で消費しがちです。でも、その商品やサービスにはそれぞれプロセスがあります。原材料や素材を調達してそれを加工し、私たち生活者のもとへ輸送する。そして、それを消費した後にどう処理するのかということまで、プロダクトのプロセスについて考えていくことも大切だと思っています」

このようなプロダクトライフサイクルを踏まえて、私たちはどのように行動を起こせば良いのだろうか。マイボトルを持つなど個人のアクションは大きな影響を与えないと思う人もいるかもしれない。しかし、個人のアクションは「意味がない」のではなく、全体的なボリュームからすると「足りない」だけ。日々の積み重ねやサステイナブルな社会に向けて声を上げ続けていくことで、社会や経済システムに働きかけることができる。「それぞれの立場で、今できるサステイナブルな選択をしてほしいと思っています。その中でもより長く行動を続けていけるように、自分が心地良く感じたり、その行動が自分に合うという感覚を探ることが大切です」。“持続可能性”と訳されることが多いサステイナビリティだが、それは自分自身との向き合い方のヒントだとも言える。今すぐにすべての人が日々の買い物の中で、100%オーガニックやエシカルなものを選択しないといけないということでも、絶対にペットボトルを買ってはいけないと強要されることでもない。しかし、今私たちは変化をしなければならない段階にいることは明らかであり、日々の選択により社会システムの変革を後押ししていく必要があるということは、念頭に入れておきたい。


一般社団法人
日本サステイナビリティ推進協会代表理事
斉藤 圭祐
Keisuke Saito
プロジェクトデザイナー。博報堂に新卒で入社後、独立し大手企業の新規事業やスタートアップのマーケティング支援を行ってきた中で、「なぜ社会問題が生まれるのか」という問いから、社会システムに関心を持つ。北欧やバスク、カリフォルニアなどの視察研究を経て、サステイナビリティ推進に繋がるプロジェクトだけをつくるデザインスタジオを設立し、活動中。