環境問題も源はすべて繋がっている|地球の今、海の今を知るVol.31

近年記憶に新しいオーストラリアやブラジル、米カリフォルニアの山火事だけでも胸が痛んだばかりですが、今年はまた、ギリシャをはじめ欧州各地、北米などで広がっている記録的な熱波と山火事の大惨事。豪雨や大洪水の被害もあちこちで、そして日本では今夏も観測史上最大の大雨が記録されましたが、近年は無農薬で栽培される作物も、気候変動の影響で生産が難しくなっているという声もよく耳にします。理由の一つは、気象の変化によってこれまで以上に虫たちが大量発生したり、以前はほとんど見かけなかった虫に食べられることも増えたり。虫さんが悪い訳では決してありませんが、農薬を使わない作物はこうした影響を大きく受けて、もちろん記録的な大雨や高温によって畑の生態も例年と大きく異なり、生産者さんの混乱や苦悩も増えているそうです。

今月、気候変動に関する科学的知見として最も信頼されている、IPCC第6次評価報告書の第一弾が公表されました。そこでは、地球温暖化の原因が人間活動であることは「疑う余地がない」と断定され、厳しい現状報告と未来予測が並びました。さらに、たとえ気温上昇を+1.5℃未満に抑えたとしても、「極端現象」が観測史上類を見ない規模で起きる危険性があるという結論も。すでに、サンゴ礁は+1.5℃で70~90%が消滅すると予測されていますが、HONEY Vol.32「NO Earth, NO Us」でも掘り下げたように、地球はずいぶん前から緊急事態にあること、その前に「気候正義」を考えただけでも、先進国が今のスタイルを続けて行けない理由は十分すぎるほどにあります。

どんなことにも賛否両論あって当然で、気候変動に対しても反対意見があり、何を思い何を信じるかは一人ひとりの自由です。その上でここからは私個人の意見ですが、たとえもし仮に気候変動がなかったとしても、だからといって今まで通り人間都合を優先し続けていいとは言えないだろうなと。というのも、現代社会がどれほど地球を傷つけたのかは、気候変動以外にさまざま挙げられるからです。たとえばプラスチックは目に見える形でこんなにも無惨に海を壊してしまい、開拓による環境破壊、瀕死なほどの生物多様性の危機、溢れかえるゴミ、水の汚染に大気汚染、土壌汚染、資源や水の使いすぎ……などなど。現れた現象は違っても、これでもかというほどいろんな角度から地球を壊してきたのは、どれも「人間優先の姿勢」。気候変動の賛否はさておいても、自然を冒涜してきた姿勢がこれほどたくさんの問題に現れていて、それに向き合うか向き合いたくないか、向き合うなら何に気づいてどう考え、どう変えていきたいか、ただそれだけなんだろうと思います。そもそも私たちは気候変動だけを解決すればいいわけじゃなく、水だけを綺麗にすればいいわけじゃない。水が綺麗になってもプラスチックごみは増え続け、温暖化を止められても生き物たちがどんどん絶滅して、尊い自然が消えていく時代が続けば、地球はいつになっても元気を取り戻すことはできません。

自然界には、今の人類のように必要以上に貪ったり、傲慢な理由で地球のバランスを壊したりコントロールする生き物はいない、本来すべてが調和した世界。Vol.21でも考察しましたが、たとえ凶暴で猛毒を持った動物でも、それが人間には悪者や危険生物として嫌われていたとしても、彼らが獰猛だったり毒を持っていたりする理由は、純粋に自分の身を守るため、大切な家族を守るため。無駄も矛盾もない自然の摂理でいえば、どんなこともすべては必要だから起こっていること。それは人間にとって台風が脅威でも、地球にとって、海にとってはリフレッシュされるために欠かせない自浄作用であるように。そう思うと、すでに世界中で起こっている異常気象も、不協和音がエスカレートしていくなかで、それでも地球が必死にバランスを取り戻そうとしている証なんだろうなと、私は感じています。

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