プロサーファーの現在地|水野亜彩子 vol.3/ピラティスのインストラクターなど、これから見据える未来

コンテストに本気で向き合い、努力を続けてきた水野亜彩子プロ。今までサーフィンの世界しか知らなかったと話す彼女は、新しいチャレンジを次々と始める。選手生命は短い。スポーツ選手が抱える悩みを実感しながら、セカンドキャリアについて模索する日々。この想いを未来に繋げていきたい。大会を退いてもサーフィンに対する愛は変わらない。


解説を始めて5年近く。これからも続けていきたいと意気込みをみせる一方、4年前にピラティスのインストラクターの資格も取り、湘南でプライベートレッスンも行っている。

「ピラティスに出合ったのは現役時代。昔から興味はあったのですが、当時は試合のことで頭がいっぱいで。現役を引退すると決めたとき、興味のあることをすべてやってみようと思い、ピラティスもしっかり学ぶことにしました」

好きなことにいつも全力の彼女は、養成コースに申し込み、集中的にピラティスを勉強。資格を取り、いざインストラクターを始めようと思った時にコロナ渦となった。なかなか海にも入れない状況になったからこそ、より深く学ぶチャンス。そう思った彼女は1年ほど海を離れ、都心近くでピラティスを教え続けた。

「今までサーフィンの世界しか知らなかったので、視野を広げたいと思い、都内暮らしを始めました。ピラティスがきっかけで解剖学にも興味が出てきたので、最近はワークショップにも参加しています。解剖学では身体の筋肉の使い方などを学ぶのですが、もともとリハビリとして発案されたピラティスとも繋がる部分がたくさんあるんですよ。コンテストから離れ、以前よりサーフィンをする機会は減りましたが、ピラティスをしているからかなり調子がいいです。身体の軸が整うので、テイクオフ時や技をしかけた後の着地も安定します。サーファーにおすすめなんです」

以前は「試合で勝ちたい」がサーフィンのモチベーションだった水野プロ。これがなくなったら私はどうなるんだろう? と心配していたそうだが、今は「サーフィンでどの筋肉を使うのが効率的か?」など、身体の仕組みを考えながら海にいる時間が楽しいと語る。

「新たなサーフィンの楽しみができました! 試合を退いてからはセカンドキャリアについて考えることも多く、ほかのスポーツ選手と今後の活躍の場を話すワークショップにも3ヶ月くらい通っていました。いろんなスポーツ選手の悩みやアイデアを知ることで、サーフィンの未来をより幅広く模索できるようになったと思います」

ビーチクリーンはもちろん、オーガニックの日焼け止めを使うなど、環境への配慮を意識した暮らしを送る彼女は、最近はフードロスを目指して「ミールプレップ」を始めた。一度に何食分もの料理を作り、食べれないものは冷凍。野菜などを一気に使い切ることができるので、うっかり腐らせて破棄することがなくなったそうだ。

「海とともにあるサーフィンは、環境問題に触れる機会も多く、SDGsに深く関わることができる。とても素敵なスポーツだし、サーフィンを通して発信できることはまだまだいっぱいあると思います。トッププロサーファーの低年齢化が進む今、彼らがより長くサーフィンに携わっていけるように、さまざまな角度からこの業界を盛り上げていきたいと思っています」

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