自然を学ぶキッズキャンプと象を解放するサンクチュアリ|タイ・カオラック

タイ・プーケット空港から北に約1時間半の場所にある人気のリゾート地、カオラック。2004年のスマトラ沖地震による津波で壊滅的な被害を受け、しばらくの間ひっそりと静まっていたが、近年一部のローカルサーファーたちによりサーフスポットとしての価値を見出されてきた。

メインの“メモリーズビーチ”はウネリに敏感ながらも、ビギナーでも楽しめるスポット。自然豊かで、海に沈むサンセットがとびきり美しい場所だ。今、ここにサーファーたちがスモールコミュニティを作り、サーフスクールやショップ、ビーチバーなどが軒を連ねている。大きな悲しみを乗り越え、助け合いながら前に進むサーフエリア。

そんなカオラックの特集を3回に渡って紹介。2回目は、自然を通して子どもたちに教育の機会を与えるキャンプと観光業から象を解放するサンクチュアリを紹介します。


ビーチで学べるキッズキャンプ
Seapiens Camp Khao Lak

カオラックの一番の資源である自然を通して、子供たちに楽しい教育の機会を与えるシーピエンス キャンプ

メモリーズビーチに建てられた小さな小屋を基地として、サーフィン、海洋生物との触れ合いや生き物の顕微鏡観察(終わったら生物は海にリリース)、ミニサーフボードのシェイプ、本物の恐竜の骨を使った発掘体験など多様なプログラムを用意している。

エンターテインメントの中に教育を散りばめ、学んだ知識からさらに彼らの将来に繋がればという想いで立ち上げた。

「子供たちはよく、将来の夢について『警察や看護師になりたい!』と言うけれど、海洋学者やデザイナー、シェイパーなどクールな他の選択肢もあることを伝えたいの」とオーナーのプレー。

参加者の多くはバンコクから旅行で訪れるファミリー。しかしローカルキッズや貧しい子供たちにも、ここを自分のホームのように感じてほしいから、オリジナルグッズの物販で得た収益は彼らの参加費を無料にするために回しているそう。

子供たちの中には海が怖い子、砂が嫌いな子もいる。最初は泣いてしまっても、1日の終わりには「帰りたくない!」と楽しんでいる姿を見るのが何より幸せだとプレーは言った。

「子供たちがここでの経験を大人になってもいい思い出として覚えていてくれたら嬉しい。これから先ずっと自然を大切にしていてくれることが私たちのゴール」。

砂浜にあるヤドカリの巣も学びの場

観光業から象を解放するサンクチュアリ
Khao Lak Elephant Home

メモリーズビーチへ向かうジャングルのような道の途中で、大きな象を散歩させている少年に出会った。リードを付けているわけでもなく、お互いに歩調を合わせながらゆっくりと進む。

象の名はサンディ。片目の見えない象だった。少年に聞くと、近くにある保護施設、エレファントホームにいるのだという。

サンディと少年について行ってみると、そこは人のために働いた象たちのリハビリ&リトリート施設だった。昔からタイのシンボルとして愛されてきた象だが、ショーや象乗りなどのアトラクションを通して観光業の一部を担っているのも事実。エレファントホームは、そういった場所で傷ついたり引退した象を引き取り、広大な自然の中で本来の姿に近い暮らしを取り戻させていた。

象は担当の飼育員と強い絆で結ばれていて、我々ビジターのことも信頼し、受け入れてくれる。ここでは飼育員が日々行うケア作業の体験が可能。象の生い立ちを聞いた上で、餌やり、食糧となる草の伐採、泥浴びなど象と直接触れ合いながらお世話をする。こちらの愛情を伝える方法として、鼻をギュッと両手でハグすることも教えてくれた。

子供が描いた可愛いポスター。教育にもとても優れた場所

大自然に囲まれた聖地のような場所で愛情をたっぷり与えられた象たちは、みんな美しかった。ここでは象に乗ることはもちろん禁止されている。動物はもう、人の娯楽のために使われる必要はないのだ。

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