
今回は、「本当の“自分らしさ”を纏う。ファッションからサステイナブルを叶えるヒント vol.1」の続き、ファッション業界の現状を踏まえてこれからのワードローブを楽しむためのTipsを紹介。
ファッション業界の現状はわかったけれど、おしゃれだって楽しみたい。実際に私たちはどう過ごしたらいいのか一緒に考えてみよう。
これからのワードローブを楽しむために
サステイナブルなファッションへのシフトは、おしゃれを諦めることでは決してない。ただ、今までの感覚をちょっと振り返ってみること。ワードローブがいっぱいなことがおしゃれの正解でもなければ、トレンドやスマホの情報シャワーに振り回されて自分を見失うのも違う。それより、自分がタイムレスに愛せるものを大切に、それが地球にも優しいと誇れるほうがきっといい。
そのためにまず、ファッションの背景について知ることが第一歩。そして、今あるアイテムを長く丁寧に着こなすことが一番のサステイナブルになる。クローゼットの洋服、バッグや靴を見直して、今の自分に似合わなくなったものはリサイクルやフリマ、スワップ(物々交換会)、古着回収ボックスに持ち込むなどして分け合うこと。古着やヴィンテージでクラッシック感を楽しんだり、新品を買うならブランドの背景や作り手の思いが響くもの、買ってからのことまで思いを馳せられたら。素材も石油由来の合成繊維より、天然繊維や素材の生産背景で選ぶように、そこではオーガニックやフェアトレードといった国際的な認証マークも一つの指針に。天然素材は高価に感じても、着心地が上質だからずっと手放せないアイテムになってくれる。
もちろん、お気に入りが破れてもすぐ捨てず、リペアやリメイクを施して、長持ちさせるメンテナンスも学んでみて。洗濯のしすぎを避ける、カシミアやウールの正しいケアを知るなど、手入れの仕方によって生地の傷み具合はまるで違ってくるから。そんな風に、洋服が生まれるときから終わりまで、一着の一生に愛を持って寄り添って、何を着るかではなく「なぜそれを着るか」に自分らしく自信を持てる……そんなスタイルは世の中のトレンドにはない、奥深い気品が漂う着こなしになる。
地球と私が一番心地いいバランスを見つけて、本当の自分らしさを纏うファッションへ。自分の愛すべきスタイルを探してみよう。
photography & support : Fashion Revolution Japan composition : Ayako Minato
掲載:HONEY Vol.028
※情報は本誌掲載当時のものです