フォトグラファーNachosが綴る、メキシコ・プエルトエスコンディードの記憶_#02

プエルトエスコンディードのストーリーに欠かせないのが、シカテラビーチをホームポイントとするプロサーファーのレイラ。キュートなローカルサーフガールで、今回の撮影でもオススメのスポットやコミュニティの紹介、ブッキングや通訳まで色々と協力してくれた。


Episode.02

「ここは海の目の前だけれど近くに山があって、そこでコーヒーも採れるんだよね。いまコーヒーの勉強をしているんだけど、奥が深くてすごく楽しいの」とレイラ。

念願だった自分のカフェ「LEILA’S COLLECTIVE」をオープンしたばかり。立ち上げてしばらくの間は1人で切り盛りしていたが、最近ようやくバイトの子を入れて自分の自由な時間ができた。

「ラ・プンタの方がツーリストが多いから、そっちでお店をやった方が上手くいくのかなぁって思ったんたけど、どうしてもホームポイントのシカテラでお店を出したかったんだよね」

お店の様子を見ていると、彼女の選択は間違っていなかったようだ。サーフィン前に来る人、あがってから来る人、ふらっと立ち寄る人、誰にでも居心地が良い空間で、もちろん私にとっても旅の間のオアシスとなった。

どうしてLEILA’S COLLECTIVEっていう名前にしたの? と聞くと「〇〇〇〇CAFEや□□□□COFFEEだと、コーヒーしかないと思うでしょ。ここはコーヒーだけじゃなく、メキシコで作られた洋服や雑貨、それに友達の作品も並んでるから」と。

ある日、ローカルの男の子(後から知ったのだが、彼はプロサーファーだった)が私のカメラに興味を持ち、ちょっと貸して〜と言って、みんなの写真を撮って遊んでいた。あとでデータを見てみると、自撮りはもちろん、いろんな人の不意打ちショットや隣のお店のミーティング風景まで写っていた。下がそのときの1枚で、左がレイラの親友のマリアで右がわたし。

マリアはサーフィンはしないけれど、パパ、弟、ボーイフレンドと周りがサーフィンをしている環境で育ったから、海が生活の一部だった。

「ここの海はハードで時々恐ろしい波が立つけれど、周りにいるみんなが海とコネクトしているのを見るのが好きなの」

いつもビーチにいるからレイラと水着ブランド「ZAZIL swimwear」を立ち上げたのも自然な流れで、着ていて快適で気持ちよく、身体にフィットした“下着のような水着”をリリースしている。

カフェが入っているビルの向かいには観光地によくあるオブジェが。こういった光景は至る場所で見かける
ラ・プンタのメインロード。この海まで続く道の両側にカフェやホテルが並んでいる
ビーチの入り口にある見張台から左に歩いて行くと岩場があり、その横から綺麗なレフトの波がブレイクしている
「ナチョス見て、サボテンの花がたくさん咲いてるよ」。昨日まで花をつけていなかったのに、一晩で淡いピンクをまとっていた
この日は週末だったのでピークはKIDSオンリー(週末は子供たちにピークを譲るというルールがある)。ポイントをずらせば入ってもOK

別の日、レイラがおすすめのカフェ「Ojitos Abiertos」に連れて行ってくれた。ラ・プンタビーチの近くの小道を入った場所にあり、3軒並んでいるお店のひとつ。

オーガニックにこだわっており、ソイやオーツミルクなどの選択肢もある。いつも賑わっていると言っていたけど、この日もお客さんでいっぱいだった。

そういえばビーチフロントのレストランはどこもベジメニューがあり、タコスの皮がモリンガの生地で作っているところもあった。この辺りは食や生活にこだわった人が集まっていたので、おしゃれなお店も多かった。


Episode.3

「Hola!」

約束の時間に、ローカルサーフガールのアリエラ・ペラルタとヴェネッサ・マグロウがやってきた。

本当は他にも何人か来る予定だったけど数日前に隣の町(といっても数時間離れている場所)がハリケーン被害に遭い、そこにボランティアに行って会えなかった。残念だけれど、みんなの地元愛を感じた。

波チェック中のアリエラ。笑顔がとっってもキュート
ヴァネッサはロングボード片手に愛娘ナヤと一緒にやってきた

「サーフィンが大好き!」と満面の笑顔で迎え入れてくれたアリエラ。

「お父さんはメキシコ人で、お母さんはアメリカ人。この町の海のそはで生まれ育ったの。5年くらい前に弟と一緒にお父さんにサーフィンを教えてもらい、それ以来すっかりサーフィンの虜になっちゃった! サーフィンしてる時がとっても幸せだから、毎日幸せってことかな」

アリエラ・ファミリーはこの海の目の前でホテルを経営しながら、シンプルなライフスタイルを送っている。

「あ〜色々な国にサーフトリップに行ってみたいな!」

アリエラなら色んな国の色んな海に行き、その笑顔でみんなを穏やかな気持ちにさせてあげることできるはず。

旅を続けていなければ、辿り着けない場所はたくさんある。じゃなければ、私もこの町に来れてなかったかもしれない。ねぇみんな、この何気なく過ごしている瞬間も幸せだね。

プエルトエスコンディードの生活はどう? とヴァネッサに聞いてみた。

「ここでの毎日はとてもシンプル。海が生活の一部だから、ビーチでゆっくり家族と過ごしたり、犬を散歩させたり、波があるときはサーフィンをする。そんな生活をおくってるよ。時々友達とご飯を食べたり、テニスをして遊んだりもしている。私にとってはここはパラダイスよ」

そう、ここの人たちに話を聞くと、みんなこの町で暮らせているのが幸せだと言う。バカンスで来たたわけでもなく、住んでる人たちがそんな風に言えるのってすごいと思った。

いつも旅に出て思うことは私(私たち)が常識だと思ってることが、外(世界)では全く違っていたりすること。その感覚に驚いたり、面白いなって思ったり。

そんなことを感じながら、“あぁもっと自由でいいんだ”って再確認する。

ビーチは平日でもたくさんの人たちで溢れていて、みんな楽しそうに過ごしていた
オシャレなレストランも水着のままふらっと入れるのがこの場所のいいところ
朝からたっぷり海で遊んだ私たちに、フレッシュなエネルギーを与えてくれる

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