移住先は“海の上”。波を追い続け、辿り着いたヨット暮らし_Episode2

海、そしてサーフィンに魅了され、世界各国を巡ったのちにヨットを購入。現在は1年の半分を地中海の海の上で暮らしているKazumiさん。そんな彼女の海×旅のストーリーを3回にわたって紹介します。
2回目となる今回は、世界の海とデジタルノマド旅についてのストーリーです。


運命を変えたデジタルノマドとの出合い

始まりは、バリの小さな町チャングーだった。バイロンベイで知り合ったサーファーと再開する約束をしていたため、彼女が滞在するチャングーに宿をとり、しばらく滞在することに。チャングーは小さな町だがサーフタウンとして人気で、特に欧米からの滞在者が多い。ゆえにローカルのワルン(食堂)や屋台に混じって、おいしいコーヒーロースターやベーカリーなどもあるとても生活しやすい町だ。

バリでの生活に欠かせないのがスクーター。私も滞在中にレンタルし、サーフボードを積んでポイントまで移動したり、観光に出かけたりしていた。

そんなバリ滞在中、昔からぼんやりと考えていた、「長いスパンで旅をしながら暮らしたい」という想いを現地で知り合った友人と話していると、彼が利用しているコワーキングスペースを紹介してくれた。そこはコワーキングスペースでありながら、デジタルノマドのコミュニティのような役割も果たしている施設で、利用する人に向けた交流会や勉強会に、ヨガクラス、サーフスクールなどが開催されていた。
今でこそ日本でもリモートワークが広まってきたものの、コロナ前の当時はそんな生活をしている人は周りにもおらず、どのように始めればいいのかわからずにいた私にとって、その環境はとてもありがたかった。私の目指すところを、すでに実現しているたくさんの人に出会うことができ、今これから何をするべきかがはっきりと見えた。

その後日本に帰国し、仕事をしてお金を貯めながら英語を学び続けられたのも、この時に得たモチベーションがあったから。また世界のどこかで一緒に海に入ろうと言ってくれる人たちに出会えたからだった。

サーフボードとともに、ハワイから始まったノマド旅

それから約2年の準備期間を経て、私はついに終わりのない旅に出た。生活していく最低限の荷物をスーツケースに詰め込み、バリで新調したサーフボードを抱えて。

まず最初の渡航先に選んだのはハワイ。東まわりでゆっくりといろいろな国を旅していくことにしたのだ。

宿泊は、滞在期間や目的に合わせて、Airbnbやコリビング、ホテルなどを利用した(コリビングとはシェアオフィス、キッチンなどが完備された宿泊施設のこと)。
その場所が気に入れば滞在を延長したり、また現地の人がおすすめしてくれた新しい場所へ移動したり、フレキシブルに旅ができるのもこの生活の魅力だ。

ハワイに到着して最初はビッグアイランドのAirbnbに滞在した。民泊の良いところは、自分の家で暮らすように滞在ができること。基本的にキッチンがあったり生活スペースが広く、ホテルに比べて中〜長期滞在がしやすい。
ワンルームアパートからファミリータイプ、シェアハウスタイプ、オーナーの家に泊めてもらいながら交流も楽しめる物件など様々で、目的や予算に合わせて選択できる。

オアフ島ノースショアのハレイワでは、コリビング宿に滞在した。こういった宿では住環境に加えて仕事の環境も整えられているので、同じようにノマド生活をしている人や、ワーケーション利用をしている人などが滞在している。居合わせて仲良くなった人たちと仕事の合間に一緒にキッチンでご飯を作ったり、サーフィンや観光に出かけたり、情報交換できたりするのが、コリビングやバックパッカーホステルなど、シェアタイプの宿の良いところだ。

ナチュラルでオープンな雰囲気が漂うアメリカ西海岸ロードトリップ

ハワイの次は北米カリフォルニアをロードトリップすることにした。ビッグ・サーと呼ばれるダイナミックな景色が広がる海岸沿いの国道を、サンフランシスコからレンタカーで南下していく。

前回のロードトリップ、オーストラリアでは一人旅だったが、今回はパートナーが一緒。交代で運転しながら美しい景色を眺め、楽しい旅となった。
ロードトリップの道のりは長く、何もないところではモーテルを1泊だけ利用したりすることも多かったが、サーフィンや観光を楽しみたい場所では数日間コリビングなどに滞在した。
欧米のサーフタウンはナチュラル&オープンな雰囲気で、居心地のいい街が多い。

途中で立ち寄ったサンタクルーズの中心部にあるスティーマー・レーン。サーフィン博物館もある有名なポイントだが、一方でシャークアタックやビッグウェイブポイントとしても知られていて、ここで命を落としたサーファーも少なくない。

大自然に囲まれた“Pura vida”の国、コスタリカ

LAのロードトリップを終えた私たちは、中米へと向かった。中米コスタリカの西海岸には、世界屈指のサーフポイントが点在している。そのなかで私たちが滞在したのは、可愛くて小さなサーフタウンのサンタテレサ。ビーチから一本入った舗装もされていない一本道にサーフショップやカフェ、レストランが立ち並び、みんな四輪バギーやバイク、自転車にサーフボードを積んで走り回っている。

そんなコスタリカでよく耳にしたのが「Pura vida」という単語。英語に直すと“Pure Life”という意味だが、地元の人は「楽しんでる?」「いいね」「またね」などの様々な(ポジティブな)意味で、挨拶がわりに使っていた。コスタリカの人々のシンプルな人生観や自由な精神を現している、とても素敵な言葉なのだ。

サンタテレサのビーチは広くてコンスタントに波があり、ピークもバラけているので混雑することもなく、リラックスした雰囲気。自然もとても豊かで、メインストリートとビーチの間にあるジャングルにはイグアナが歩いていたり、ビーチでは生まれたての海ガメの赤ちゃんに遭遇したり。他ではできない体験ができた。

その後キューバー、ガラパゴス諸島、南米パタゴニアなどを旅したあとヨーロッパに向かった私たちは、とあることをきっかけに船の上で生活を始めることに。約2年間「家を持たない生活」をしてきた私たちが選んだ「旅する家」。

次回は、そのきっかけと船上生活について綴っていきたいと思う。

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サーフスポットをVANで巡る旅_Vol.1(南西ヨーロッパ編)

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