心の「足るを知る」ためのエッセンス|地球の今、海の今を知るVol.30

地球の限界に近づきつつある気候変動も、思いのほか速いスピードで悪化している……。8月9日、地球温暖化に関する最新の科学的知見を評価したIPCC第6次評価報告書が公表され、世界中に厳しい警鐘が届けられました。なかでも一番衝撃を受けたのは、世界の平均気温が産業革命前より+1.5℃を迎えてしまうタイムリミットが、ぐっと間近になったこと。前回2018年に公表されたIPCC報告書では「2030~2052年」と予測されていましたが、今回の最新評価では「2021~2040年」までに+1.5℃へ到達してしまうだろうと推定されました。世界がなぜ+1.5℃未満に抑えようとしているか、それを超えるとどうなるかは、HONEY Vol.32「NO Earth, NO Us」でお伝えした通りですが、もう「できることから少しずつ」と悠長にしている余裕も時間も残されていないんだなと、そして+1.5℃を超えるかどうかの前に、今までのように地球を壊し続けるスタイルを次世代に引き継ぐことはできないのも確かだなと。それなら少しでも早く地球と共存していける社会にするために、政府や企業はもちろん、私たちもどうシフトするか、もっと踏み込んで考え直すときだろうとも感じています。

今できる具体策は、本誌やWEBで専門家の方々が丁寧に教えてくださったことを参考にしてもらえたら嬉しいですが、私から提案したいのは、Vol.28Vol.29でもテーマにしている「心の足るを知る」について。なぜなら、心が満たされていたら、外側に多くを求める必要もなく、何を争うこともなく自然と調和していけると感じるからです。HONEY Vol.30「いつも心にエシカルマインドを」でのなかで、エシカルな暮らしは「私たちが本当の自分を思い出すだけでいい」という在り方を紐解いてみましたが、今は外側に振り回されて自分を蔑ろにしてしまうことも多い社会。「こんな見た目がモテる、こうをすれば認められる、あれを買えば幸せになれる」といったメッセージも飛び交うなか、誰かと比べて自分をマイナスに裁くほど心はどんどん殺伐と、自分の物足りなさや劣等感を埋めたくて物欲が刺激されるような消費社会でもあります。外見に限らず、性格だって「ポジティブが良い/ネガティブが悪い」という価値観がスタンダードで、ネガティブに蓋をしたまま心はアンバランスに傾いてしまったり。そうして周りの基準に合わせていると、それにそぐわない自分は自動的に「NG」になって、ますます他人軸の鎧をたくさん身につけて、いつしか純粋な自分らしさや本当の気持ちさえも分からなくなっていたり……。

そんな風に、もしもどこかで心の空虚感を膨らませていたかもしれないなと思い当たることがあったら、これからは憧れの誰かでもなく、外側の何かでもない、本当は誰より素敵なあなたらしさを一番大切に育んでいってほしいなと思います。何かを見せびらかしたり誰かと比べたりするのはナンセンス、そこで溜め込んできた要らない不足感や、自分じゃない鎧を見つけたらどんどん手放して、純粋な自分を取り戻すように、「今そのままの私」を大切にしていける在り方を。いつもポジティブじゃなくても全然いいし、ポジティブもネガティブもどんな自分も丸ごと大切にできてこそ、本当の意味での「前向きでヘルシーな在り方」。そうして今ここの自分をいつでも全肯定できていたら、実はそんなにたくさんのモノやコトは必要なかったことに気づける、そして「自分にとってホントウのこと」だけに思いっきり時間と心を傾けて、毎日が何十倍も楽しく色鮮やかに感じられる。私自身もかつてこの変容を経験して、「それまでの私は一体なんだったんだ!?」と生き方がまるで変わりました。自分に、そして地球にもやさしい、私なりに見つけたそんなエッセンスも、これからときどきご紹介していこうかなと思います。

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